「あなたがしてくれなくても」第4話:思いが溢れるほどに変化していく”セックスレスの解決策”
ハルノ晴による同名コミック(双葉社刊)を原作とする本作は、セックスレスをテーマにした大人の恋愛ドラマ。奈緒と永山瑛太、岩田剛典と田中みな実が演じる2組の夫婦の関係が複雑にもつれていく様を描く。
本記事では、第4話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
▶︎「あなたがしてくれなくても」画像を全て見る
「あなたがしてくれなくても」第4話レビュー
罪悪感を覚えた男は、異様なまでに優しくなる。急遽休みを取って看病をしたり、病み上がりを心配してうどんを作ったり、しつこいまでに迎えに行くと言い張ったり、普段取らない行動が目立つ陽一(永山瑛太)。
そんな陽一の変化に、みち(奈緒)も気付かないはずがない。
“浮気”というキーワードにやけに敏感になっている陽一は、一夜だけ肉体関係を持ってしまった三島(さとうほなみ)に対してわかりやすく距離を置く。
「この間のことなんだけど、なかったことにしてもらえないかな」
あの感じだと二人の関係は続くと思っていたが、どうやら陽一側は気の迷いだったようだ。
…三島はすっかり、陽一のことが気になって仕方がないみたいだが。
それにしても、みちが研修旅行で不在の日に「明日って休みだったよね?なんか予定ある?もしよかったらなんだけど…」と声をかける陽一、あまりにもズルすぎる。あの出来事とこの導入は誰でも期待するってば、ねぇ。
一方で、誠(岩田剛典)と楓(田中みな実)の溝は深まり続ける。
楓に対する気持ちの変化とみちに対する気持ちの変化が浮き彫りになればなるほど、誠はもう後戻りはできない。
「誠はわかってくれると思ってたから」
相変わらずエゴな楓の思いが、今の誠にとっては痛い。
それぞれの思いが交錯する中、開催される研修旅行。
あの夜のキスを経て、触れそうで触れられない絶妙な距離感を保つみちと誠にとって、絶好な機会と言える。
宴会後の温泉上がり、偶然落ち合い、なんの違和感もなくみちの部屋で二人きりになる。
そんな状況でお互いの思いが溢れ出ないわけもなく、激しく抱き合うふたり。
「ずっとこうしたかった…」
思わず漏れ出た誠の本音、絶大なる破壊力。
ついに交わるかというタイミングで、突如としてみちの目から流れる涙。
それは、愛される喜びからきた涙かと思いきや、陽一への愛を再認識してしまった涙なのであった。
「もうあなたに、指一本触れない」
ここで流れ出す「Stray Hearts」、あまりにも120点。
「だから、今までみたいにそばにいてほしい」
「俺にはあなたが必要なんです」
セックスレスという悩みを抱えながらも、その解決策がセックスではないことに、愛の歪みを感じる。
大きな進展がありそうでなかった第4話だったが、みちと誠の絆が強まれば強まるほどに”残された側”の思いは比例するように大きくなっていく。
比較対象が発生してからようやくその人の大切さが身に染みるだなんて、人間というものはどこまでも愚かだ。
妻以外の人を抱いたことにより気付けた愛と、他の女の存在を察したことにより気付けた愛。もっとはやくに気付けていればーー
次週、みちと楓の直接対決の予感。怪演の女王・田中みな実演じる楓、ここでどう出るのか?ストーリーの展開と演技に期待高まる他ない。
(文:桐本 絵梨花)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。