「舞いあがれ!」第57回:リーマンショックで舞たちのこれからが心配
本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。
本記事では、第57回をライター・木俣冬が紐解いていく。
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由良先輩との再会
リーマンショックがのしかかってきます。舞(福原遥)もせっかく決まった会社から入社1年延期の知らせをもらいます。そんなの困る〜〜と大騒ぎしないで受け入れるところが舞らしいです。久しぶりに由良先輩(吉谷彩子)と会って話すと、先輩も前向きな考え方を示します。さすが人力飛行のパイロットを1年諦めたり、身長によって航空機のパイロットになれない事実に冷静に向き合ったり、様々な苦難を乗り越えただけあり、言ってることに説得力があります。
由良先輩のほうが航空学校の仲間たちより大人ぽく見えます。大人ぽいというか俗ぽくない。由良先輩のようにパイロットにふさわしい冷静沈着で知性的な人物が身長によってふるい落とされている現実がとても残酷に感じます。
由良先輩と話すときの舞は、飛行機に乗る喜びを心から語ります。彼氏できたんです〜というようなことは微塵も出しません。由良先輩と話しているときの舞には恋してドタバタしていたことを想像できません。憧れの由良先輩なので、たぶん、柏木(目黒蓮)よりプライオリティが高いのだと思います。
舞も心得ているのか由良にはそういう話をせず、恋の話は久留美(山下美月)とします。
現実にも、こういうことはあるように思います。話す相手によって話すことも話し方も雰囲気も変わるものです。
舞から入社が延期になったことを訊いた両親(高橋克典、永作博美)は自社もリーマンショックで大変な状況であることを言い出せません。舞にこれ以上心配をかけたくないからです。ニコニコをふだんどおりを装います。浩太は自分の思いをノートに綴っています。
舞も入社延期になって凹みながら、家族に夕飯をつくって暗い顔をしないで延期の話を語ります。部屋に戻るとちょっと凹んで柏木に電話しようかと思うけれど、サンフランシスコとの時差を考えて遠慮します。
岩倉家、全員、リーマンショックで困ってるかと思えば、悠人(横山裕)だけはリーマンショックを予言した人物として注目されていました。「大切なのは他人ではなく自分を信じることです」とかっこよく雑誌のインタビューで語っていました。予言してたら事前に父親に助言してあげたらよかったのに。
【朝ドラ辞典 猫(ねこ)】朝ドラの主人公の家の周辺では猫の声がすることがよくある。姿を見せることは希でそのときは全国の猫好きが喜ぶ。レギュラー的に猫が出ていたのは「スカーレット」の大阪編など。「舞いあがれ!」では第56回、みじょかカフェの前に黒猫が登場した。
(文:木俣冬)
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