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2023年01月12日

「リバーサルオーケストラ」第1話:さあ、楽しい音楽の時間の始まりだ!

「リバーサルオーケストラ」第1話:さあ、楽しい音楽の時間の始まりだ!

門脇麦主演、田中圭が共演する日本テレビの新水曜ドラマ「リバーサルオーケストラ」が2023年1月11日スタート。

本作は“元”天才ヴァイオリニストと変人マエストロが、地元のポンコツオーケストラを「大改造」する一発逆転音楽エンターテイメント。民放GP帯ドラマ初主演となる門脇麦や門脇と『あなたの番です 劇場版』以来の共演の田中圭、さらにポンコツ楽団の団員を演じる個性的なキャストが集結した。

本記事では、第1話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「リバーサルオーケストラ」第1話レビュー

舞台となるのは、埼玉県のはずれにある西さいたま市。

地域活性化のために、市長の常葉修介(生瀬勝久)はシンフォニーホールを建て、音楽で盛り上げようとしていた。しかし、地元のオーケストラ・児玉交響楽団、通称「玉響」の演奏はイマイチで……。
下手というより、絶妙な気持ち悪さを感じさせる玉響の演奏はどうすれば改善されるのか。


そこに召喚されたのは、常葉の息子・朝陽(田中圭)だった。
ドイツでマエストロとして活躍していたが、玉響の立て直しを引き受けることになる。
彼だって、やりたくてやるわけではない。母親が危篤だと嘘をつかれて日本に戻り、ドイツに戻れない状況にして、市長である父親は玉響を息子に押し付けた。
常葉は、シンフォニーホールのこけら落としの公演で、満席にしなかったら市長をやめると言ってしまった。
「市長をやめたくないんだよぉ~!」
この市長で大丈夫か、西さいたま市……と不安にならなくもない。
 
やる気のない団員たちに、朝陽は辟易としていたが、あるとき、天才ヴァオニリスト・谷岡初音(門脇麦)が市内でヴァイオリン教室を営んでいることを知る。
10年前に表舞台から去っていた初音は市役所の広報広聴課で働いていた。
朝陽は玉響を立て直すためには初音が必要だと、コンマスになってくれと熱心なスカウトをスタートさせる。

一方、玉響の団員たちは厳しい朝陽の指導にうんざりしていた。
偉そうだと影で悪口を言うが、朝陽は気にしていない。
が、実のところ、朝陽は間違ったことは何も言っていない。
口は悪いが、給料をもらっている交響楽団員ならそれに見合う仕事をしろ、と言っている(ただ、給料は安いようである……)。

そして、玉響の立て直しのきっかけになるのなら、と初音のスカウトにも熱心だ。半ばストーカーのようになっていたが。
自分のプライドはあるかもしれないが、投げ出す気は本当はない。「やりたくない」とちょっとダダをこねてみたけれど。

が、初音は頑なだ。朝陽から逃げ回るし、その気はないと突っぱねる。だからと言って朝陽も諦めない。市長に話を持ち掛け、玉響専属の広報担当になるようにしむける。
おっ、どうやら朝陽は音楽のためなら手段を選ばないタイプのようだ。

渋々、玉響のもとを訪れた初音に弾かせないわけがない。朝陽は玉響についてこう言う。
「演奏はひどいが、音は悪くない」

厳しいことは言っていたが、玉響の良さを見つけていたからこそ、動いていたのだ。
(そして、ストーリーは別としてもグッと心を掴まれる演奏シーンが多い!)

ノせられるようにして、ヴァイオリンを弾き始める初音。
その姿はとても楽しそうで、彼女の周りを音が跳ねているのが見えるかのよう。
一瞬で、初音は音楽が好きなのだということが伝わってくる。

なのに、どうして表舞台から去ってしまったのか。

それは一緒に暮らしている妹の奏奈(恒松祐里)にあった。
初音のコンサートの日に、奏奈が倒れた。心臓に疾患があったせいだった。
ヴァイオリンに熱中して、周囲のことが見えなくて、両親は初音にかかりっきり。奏奈が倒れたのは自分にも原因がある、と考えたのだろう。

しかし、奏奈は気を遣われるほうもしんどいのだときっぱり。
「自分が我慢すればいいと思ってるなら大間違いなんだから」
ちょ、長女あるある……と耳が痛くなる人もいたかもしれないが、互いに思いやりを持っている仲の良い姉妹だからこそのやりとりだった。
大切な相手だからこそ、初音はヴァイオリンに戻ることを我慢していたし、奏奈はそのことに責任を感じていた。ぶつかることで、本音をさらけ出すことができた2人。信頼し合っているからこそできるケンカは、見ていてホロリとする。

玉響のコンマスを引き受ける決意をした初音。とは言え、コンマス経験どころかオーケストラ経験もない。不安を口にする初音に朝陽は言う。

「コンマスとしてあなたに求めることはひとつです。楽しんでください!」

あなたが楽しく弾いていれば、みんながついてくる。

(文:ふくだりょうこ)

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