「ラジエーションハウスⅡ」第11話レビュー:今こそ”人との繋がり”を!最後に人を動かすのは「熱意」(※ストーリーネタバレあり)
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窪田正孝主演のドラマ「ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~」が、2021年10月4日(月)放送スタートした。
2019年4月期に放送され人気を集めた「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」の続編となる本作は、CTやMRIで病気を撮像する放射線技師たちが“視えない病”に立ち向かっていく物語。
前作に引き続き主役の天才放射線技師・五十嵐唯織(いがらし・いおり)を演じるのは、朝ドラ「エール」以来のドラマ出演となる窪田正孝。他、本田翼、広瀬アリス、浜野謙太、丸山智己、矢野聖人ら豪華キャスト陣が多数続投している。
本記事では、その第11話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。
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「ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~」第11話レビュー
前回の終盤で急に倒れてしまった郷田一平(工藤阿須加)。眼科や皮膚科など、あらゆる科を網羅する勢いで診療に通っていた一平は、原因不明の疾患に悩まされていた。
どこで検査をしてもハッキリした原因がわからず、各科をたらい回しにされ、挙げ句の果てに「できることがないから」と退院させられそうになる始末。ただでさえ体調不良に苦しんでいるのに、自分の存在を無下にされているのを知ったら人間不信に陥ってしまいそうである。
元・同級生である甘春(本田翼)や五十嵐(窪田正孝)は、何とかして疾患の原因を突き止めようと努力するが、叶わず。病院の売上アップのため方針転換を図る灰島院長(髙嶋政宏)に邪魔され続ける。
各科の医師を集め、それぞれの見解をまとめれば郷田を治療できる道が見つかりそうだ。灰島に逆らえず、売上のためピリついている医師たちを必死でまとめ上げ、合同カンファレンスを開くところまでは漕ぎつけたが……。「一人の患者に多くの時間を割くのは無駄」とする灰島の意向により、振り出しに戻ってしまう。
しかし、全身疾患の原因が「代謝異常」にある可能性を突き止めたラジエーションハウスチームたち。「T1マッピング」という、心臓の中を色分けして映し出せる特殊な手法(血液は赤、心筋は緑で表される)を駆使したところ、代謝異常症=ファブリー病であることが判明した。
一旦は郷田のことを諦めかけたラジエーションハウスチーム。特に甘春は、あまりにも為す術がない状況に心が折れていた。すんでのところで踏みとどまれたのは、幼い頃の「どんな病気も見つけられるお医者さんになりたい」といった夢を思い出させてくれる仲間が、身近にいたからだ。
ファブリー病の治療は、決して簡単な過程ではない。X連鎖の遺伝性疾患であることから、郷田の娘に遺伝してしまう可能性もある。しかし、ギリギリまで渋っていた灰島も、甘春病院において「ファブリー病の診療チーム」を設立してくれた。彼だって、多くの患者を救いたい気持ちに嘘はないのである。
五十嵐たちは、常に目の前の患者を救うことに全力を傾けている。それに対し、灰島は院長である自身の立場から、長期的な視点を持ち続けなければならない。
短期的な視点と、長期的な視点。違いはあれど、たくさんの人の命を救いたい思いは共通している。
無事に郷田の全身疾患を治療する道を見つけ出した彼ら。甘春は、より自身を磨くため、別の道を行くことにしたようだ。ワシントンへの留学。また、五十嵐と甘春は離れ離れになってしまうようだけれど、お互いの仕事を尊重し合える彼らなら、きっと本当の意味で思いが繋がる時がくるだろう。
来年4月に公開予定の劇場版へと、物語は続いていく。そう、今こそ”人との繋がり”が必要な時代であり、私たちを動かすのはいつだって”熱意”である。また近いうちに、彼らの熱い思いを感じられるはずだ。次は、スクリーンを通して。
「ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~」第11話ストーリー
唯織(窪田正孝)と杏(本田翼)は、小学校の同級生だった郷田一平(工藤阿須加)との再会を果たす。唯織との記憶を失っていた杏は、唯織が同じ小学校の同級生だったという一平の言葉で、過去の記憶を思い起こそうとする。杏の記憶がよみがえるかと思われたその時、一平は突然意識を失って倒れてしまう。
頭部CT検査の結果、一平の左中大脳動脈に血栓閉塞が見つかる。その時、一平が甘春総合病院で眼科や皮膚科、消化器内科など、いくつもの科を受診していることが発覚。杏たちは、何か別の病気が隠れている可能性を考えて追加の検査を行うことに。
軒下(浜野謙太)は、各科の担当医に、急患のためオーダーを受けていた検査が遅れることを説明し、頭を下げた。それに対し、脳外ばかり優先されている、と反発する医師たち。というのも、院長の灰島(髙嶋政宏)が今年度の収支データをもとに来年度の予算を決めると発表したためだった。
一平の病室を訪れる唯織。そこで一平は、唯織の存在を忘れていた杏のことに触れる。杏は、転校する唯織を駅まで見送りに行った帰りに事故に遭い、そこで兄を失っていたのだ。
「唯織はね、世界一のカメラマンになって、私のお手伝いをするの」。
幼い頃に結んだ杏との約束。夢をかなえて今この場にいる喜びを分かち合いたい。しかし自分を思い出すということは、杏にとって記憶にふたをしたつらい思い出も一緒に思い出すことになる――唯織の選択は……。
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(文:北村有)
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