「舞いあがれ!」久留美のほうが舞い上がる? ドクターヘリを目指す<第108回>
「木俣冬の続・朝ドライフ」連載一覧はこちら
2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。
本作は、主人公・岩倉舞(福原遥)がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。
ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は第108回を紐解いていく。
[※本記事は広告リンクを含みます。]
▶︎「舞いあがれ!」画像を全て見る
「舞いあがれ!」をU-NEXTで視聴する
天井に空が広がるランプがすてき
舞(福原遥)はパンチングメタルを使ってランプを作ろうと思いつき、試作してくれる業者に当たります。紹介されたのは、我妻花江(久保田磨希)で、職人出身の女社長です。服装や態度など、いかにも大阪のおばちゃんという最大公約数的雰囲気を醸す我妻は最初はけんもほろろで、「ええご身分やな あないな大きな工場となると娘に会社つくって遊ばせとる余裕があんねんなあ」とばっさり。いや〜痛快ですね。
ところが、懸命に食い下がる舞に、一回だけつきあうと人情を見せます。舞が意外と現場のことを知っているのもよかったようです。
山田(大浦千佳)といい我妻といい、最初は厳しいけれど、人情はあるという
人たちに舞は囲まれています。「中途半端に投げ出したら二度と仕事せえへんで。一辺だけつきおうたげる」というのは「逃げんなよ」という小堺(三谷昌登)の態度にも似ています。職人の世界、とにかく信用が第一なのでしょう。
こうしてできたライトは側面は五島の風景のようで、海と灯台、天井には空と飛行機が照らし出されます。
「あさイチ」で博多華丸大吉さんは売れるか?と心配していましたが、かわいいと思うんですけどね。値段にもよるけど買ってしまいそう。でも何回か点けたらすぐに飽きて仕舞ってしまいそうですが。
その頃、久留美(山下美月)は長崎に行ってドクターヘリに乗ろうと考えていました。
「救命救急の看護を極めたい」と言う久留美。
その話にうめづの雪乃(くわばたりえ)が食いつきます。
勝(山口智充)「知らんやろ」
雪乃「知ってんねん」
という会話には、雪乃はきっとドラマ「コード・ブルー −ドクターヘリ緊急救命−」(フジテレビ系)を見ているに違いないと感じました。「コード・ブルー」は2008年にはじまって2010年にパート2が放送された人気ドラマです。これによってドクターヘリの存在が広く認知されました。
17年にパート3もできますが、「舞いあがれ!」はいま2015年頃なので、雪乃たちはそれを知りません。
久留美は看護師のキャリアアップしようと考えていますが、気がかりなのは父・佳晴(松尾諭)のこと。いまだ、安定していない父を置いて行くことが
できないと悩みます。
佳晴は悪いことは全然しないけれど、このまま安定しないでいると娘の足を引っ張ってしまいます。なんとかしてほしい。まあドラマなので都合よくノーサイドの津田(たくませいこ)が久留美に代わって支えることになりそうな雰囲気があからさまに漂っていますが。
【朝ドラ辞典 女友達(おんなともだち)】ヒロインにはたいてい女友達がいる。正反対の境遇で主人公を際立たてる役割。因縁のライバル的になるか、なにがあっても強い味方になるかはその時々。
(文:木俣冬)
木俣冬著「ネットと朝ドラ」、現在好評発売中
「舞いあがれ!」をU-NEXTで視聴する
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)NHK