「舞いあがれ!」台風とランプがつなぐ2組の絆<第109回>
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2022年10月3日より放映スタートしたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。
本作は、主人公・岩倉舞(福原遥)がものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島で人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。
ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は第109回を紐解いていく。
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台風の季節だった
離れたら離れるだけ強くなる心も絆も
(悠人)
唐突の悠人(横山裕)の名セリフ、来ました。
なぜ、このセリフ……といえば、久留美(山下美月)が長崎でドクターヘリに乗りたいと思いながら、佳晴(松尾諭)が心配で思いきれないから。
久留美の背中を悠人が押すのです。
悠人がこんなことを言うのは、自分が家族と離れているからでしょう。
そして、離れていても、家族が自分を気遣ってくれていたことを実感しているからでしょう。さらに言えば、そうであってほしいと願ってきたのでしょう。
その話をするのは、台風、停電で久留美の家に足止めをくらったから。
舞(福原遥)の試作したランプの前では少し話すことも変わりそうです。
久留美と悠人はなんだかいい感じになって来ているように見えますが、久留美が長崎に行ったら、ふたりも離れ離れ。それでいいのでしょうか。いま、久留美はお父ちゃんのことばかり心配していますが。
今後、津田(たくませいこ)が世話係になると想像しますが、悠人が世話係だったりして。すでにかなりお世話している(話し相手?)になっているようですし。男ふたりで、長崎の久留美に思いを馳せるのも一興です。
佳晴は居酒屋で働きはじめ経済面は安定してきたようです。ようやくラグビーができなくなった悲しみを断ち切ったんですね。人はいつだって再生できるのです。
台風の晩、舞と貴司(赤楚衛二)はデラシネにいます。貴司が執筆作業のためデラシネに籠もっているところ、めぐみ(永作博美)が出張で帰れないこともあって、舞もデラシネに残ります。とそこへ停電。ふたりは、毛布をかぶり、カタツムリのランプを灯して語り合います。
いつも、作業テーブルに向かい合って、語り合ってるふたりがカラダをくっつけあって親密感が増します。まあ、ご夫婦ですから親密なんですが、夫婦らしい雰囲気があまりなく友達のままな感じだったので、こういうシチュエーションがあってよかったですね。
もし子供ができたら……なんて話しもします。
とはいえ、いま、何月なのだろう、季節感がいまひとつわかりにくい。朝ドラって長い期間を描くものなので、何度も季節がめぐるから、年や季節感がわからなくなっていきます。
【朝ドラ辞典 夫婦(ふうふ)】ヒロインが結婚して夫婦のシーンが増えるのが常。食卓の会話、寝室の会話が定番。
類語:結婚【朝ドラ辞典 結婚(けっこん)】ヒロインが嫁入りするとき「いままでお世話になりました」と三つ指をついて挨拶することが必須シーンと言われてきたとされるが、この儀礼表現は平成後半から令和にかけては減ってきている。
(文:木俣冬)
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