インタビュー

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2023年04月01日

和田雅成が出演を決めた理由は、ライバル役が玉置玲央だったから。舞台『ダブル』で初共演の2人が語る俳優としてのお互いの姿

和田雅成が出演を決めた理由は、ライバル役が玉置玲央だったから。舞台『ダブル』で初共演の2人が語る俳優としてのお互いの姿

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4月1日(土)〜4月9日(日)東京・紀伊國屋ホールにて上演される、野田彩子原作の舞台『ダブル』。無名の天才役者・宝田多家良(たからだ・たから)を和田雅成、その代役俳優の鴨島友仁(かもしま・ゆうじん)を玉置玲央が演じる。

本作で初共演を果たしたにもかかわらず、海沿いでの写真撮影中、春風に吹かれながら「わ〜寒いね!」と自然に身を寄せ合う二人は、まるで“多家良”と“友仁”が漫画からそのまま飛び出してきたかのようだった。

「世界一の役者」を目指す“ライバルでありながら、どうしようもなく惹かれ合う特異な関係”を舞台上で表現する彼らに、作品や役をどのようにとらえ、2人の関係性を築いているのか、オファーを受けた当初の話から稽古真っ只中の今まで、じっくりと語ってもらった。

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役者の間でも話題になっていた原作漫画

——今回のオファーを受ける前から原作をご存知だったのでしょうか。

和田雅成(以下、和田):はい!役者の間でもかなり話題になっていたので、僕も玲央くんも読んだことはありました。

玉置玲央(以下、玉置):初めて読んだ時は、「これ、俺の話じゃん」って思いましたね。演劇をやってる身として、あまりにも出てくる登場人物や描写にリアリティを感じたので。もしかしたら野田先生もご経験者の方かな?と思って、稽古場にいらした時に聞いたんですよ。そしたら「全然やってないです」っておっしゃったので、改めてすごいなって思いました。

——役者さんが読まれると、やはりリアリティを感じられるんですね。

玉置:共感する部分は多いですね。…あ、でも、原作で多家良と轟九十九が初めて会う場面があるじゃん。

和田:多家良が楽屋に挨拶行ったら、シュークリームを食べてた九十九が急にドラマの台詞を投げかけてくるところ?

玉置:そうそう!あんなやつは流石にいないよね。まあ、想像を優に超えてくる役者は現実世界にもいっぱいいるけど(笑)。

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——お芝居経験のある、なしもそうですが、読み手によってかなり印象が変わりそうです。

和田:それこそ僕は役者だけど、最初に読んだ時は自分が演じるとは思っていなかったので、読み込みが浅くて理解が追いついていなかった部分も正直ありますね。オファーをいただいてから、改めて深く読み込めば読み込むほど、その面白さにはまっていきました。

玉置:演劇に関する知識や経験によっても感じ方は違うと思いますね。だから、同業者の人だったり、逆にまったく演劇に関係ない人が読んだら、どんな風に感じるんだろう、と気になります。

多家良役を受けたのは「友仁役が玲央くんだったから」

——改めて、今回オファーを受けた時の心境をお聞かせください。

和田:最初にお話をいただいた時は別の仕事のスケジュールを考えて、一度お断りしたんです。原作を読んでいて、簡単にはできない役っていうのはわかっていたので。やるならトコトン集中したいじゃないですか。

——そこから、やっぱりオファーを受けようと思った理由は何だったんでしょうか?

和田:それはひとえに、友仁役が玲央くんだったからです。とてもじゃないけど自分一人ではこの作品に太刀打ちできないし、稽古に入ったら何度も打ちのめされるであろう予想がつく中で、玲央くんが出演した作品を改めて見せてもらい“この人とならやれる”って直感的に思ったんですね。玲央くんとはお会いしたことは一度もないし、何の根拠もなかったんだけど。だから僕は「玲央くんが出るならやります。出ないなら、100%やりません」と、きっぱりお答えしました。

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玉置:本当にありがたい限りです。そんな風に言っていただけることってなかなかないじゃないですか。僕としても思い入れのある作品だから妥協はしたくないし、願わくば何度もトライアンドエラーを繰り返して、作ったものを一度ぶっ壊して作り直す……までのことをやれる環境が整っていなきゃできないなと思っていたんです。そのうえで、面識がないのにそんなに素敵なことを言ってくれる相手なら信頼できるし、その思いに応えていく過程で、満足のいく芝居を掴めたらいいのかな。よしやるか!って、ようやく気持ちの踏ん切りがつきました。

和田:正直、まだ怖いですけどね。でも、難しいからこその楽しさっていうのかな。玲央くんが目で、空気で、そのすべてで『ダブル』の世界に誘ってくれるから、僕もその中にのめり込んでいける。早く追いついて、多家良の台詞じゃないですけど、「同じ舞台で戦えるようになりたい」です。
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玉置:恐れ多いです。でも、マサ(和田雅成)がそうやって全力で受け止める気でいてくれているのがわかるし、毎回こっちも「くらえ〜!」って全力でボールを投げるようにしてるから、稽古の後はめっちゃ疲れてる。例えば、劇中で友仁が多家良に問いかける場面で、2人の距離だったり目線だったり、台詞以外の情報量がとにかく多くて。

和田:それを逃したくないから、めちゃくちゃ頭を使うんですよ。だから、とにかく稽古の後はぐったりで、なかなか疲れが取れない(笑)。でも、こんな感覚になることってめったにないので、これを乗り越えたらもっともっと広い世界を見られるんじゃないかなって思います。

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