映画コラム
『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』 を4DXで観てくれ。話はそれからだ。そう言えるだけの理由がある。
『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』 を4DXで観てくれ。話はそれからだ。そう言えるだけの理由がある。
『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』 を4DXで観てくれ。話はそれからだ。そう言えるだけの理由がある。
のっけからそんなテンションになってしまうほど、本作の4DXは素晴らしかった。後述もするが、4DX上映がされている注目映画が大渋滞している中でも、優先的に観に行ってほしい。まずは観る前に知ってほしい前置きを記してから、その理由を解説しよう。
前置きその1:4DXとワイスピの相性が抜群なのはあまりにも自明
さまざまな演出が楽しめる4DXの中でもメインと言えるのが「座席の動き」。シンプルに、4DXで座席に座る=映画の中のカーチェイスをそのまま体感できるということであり、その時点でカーアクション映画の代表である『ワイルド・スピード』シリーズ(以下ワイスピ)との相性が抜群というのはわかりきっていることである。そんなワイスピの近作ではさらにカーアクションの荒唐無稽さがエスカレートしていき、もはや笑って、いや爆笑してしまう領域となっている。ある意味では車でできることを思いつく限りやってみる大喜利だ。その大喜利をハリウッドの資本力と技術で「実際にやってみた」ことにも面白さがあり、そこに4DXをプラスすればさらに笑えて「ちょ、超楽しい〜!!!」になるのもまた自明のことである。
詳しくは後述するが、今回の『ファイヤーブースト』のカーアクションの「あり得ねー!」ぶりはワイスピ最高クラス。おかげさまで4DXで観れば、もう座席は「アホか(超褒めてる)!」と思うくらいぐわんぐわんと揺れて、車が走るどころか空を飛んでいく(車って飛ぶものだっけ?)様までも体感できる大サービス。ワイスピは良い意味で映画というよりアトラクションな内容、いやアトラクションというより数年に1回だけ行われるフェスみたいなもの(劇中にもめっちゃフェスなシーンがある)なので、その一大イベントだからこそ4DXを「盛って」ほしいのである。
前置きその2:一見さんにはやや厳しい?でも細えことはいいんだよ!
今回の『ファイヤーブースト』はワイスピの10作目(スピンオフの『スーパーコンボ』を含めれば11作目)。キャラクターの魅力と、彼らが「ファミリー」となっていく連帯感も人気の理由であり、ともすれば「途中参加」がしにくい、一見さんお断りの内容になっているのでは、と不安に思う方もいるだろう。実際に、今回はポスターでもわかる通り今までのキャラクターがだいたい揃っている。そのため、何も知らずに観てしまうと「誰?」の連続になってしまうかもしれない。物語そのものも「終わり」に向けて走り出しており、シリーズを追ってこその感慨深さもあるはずなので、やはりなるべく過去作は観ておいたほうがいい。
とはいえ、基本的にはなんだか愉快なキャラクターが、世界中で派手なカーアクションで戦いまくって爆発が起きたりする、頭空っぽだからこそ夢いっぱい詰め込める内容なので、予備知識ゼロでもなんだか楽しくなれるとは思う。ワイスピにはおなじみのツッコミどころも満載ではあるが、それも前述した通りの車の大喜利みたいなもの。そのはちゃめちゃぶりも含めて大はしゃぎしてほしいのだ。
それでも、ワイスピのどれか一本だけでも予習をしておきたいと願う方には、5作目の『MEGA MAX』をおすすめする。その具体的な理由はネタバレに繋がるので秘密にしておくが、こちらを事前に観ると確実にアガる理由がある、とだけ言っておこう。
前置きその3:ジェイソン・モモアの悪役に萌え萌え
具体的な見どころや4DXの楽しさについては後述するが、これだけはどうしても先に告げておきたいことがある。それは『アクアマン』でもお馴染みのジェイソン・モモアが悪役に扮しており、やっていることは極悪非道のはずなのに、なんだかかわいくて萌えることである。ウキウキと悪事を繰り返し、時にはキュートな女の子のような髪型をしておしゃべりをする(そのおしゃべりの相手とシチュエーションがまた極悪)。終盤に向けてテンションも上がり続け、もう車というオモチャ(※本物)でおもいつくかぎりのわるいことをする小学生のように思えてくるのである。モモアかわいいよモモア。
ちなみに、ワイスピでは、スキンヘッドのキャラクターがより強く、より仲間としての絆が強くなっていくという傾向がある(例:ドウェイン・ジョンソンやジェイソン・ステイサム)。その法則からすれば、髪の毛がふっさふさのモモアが相対的に絶対に許されざる悪役として魅力的になるのもまた当たり前のことなのである。あと、ジョン・シナもめっちゃかわいいよ。
前置きその4:しまった…「熱風あり」の劇場を選べば良かった!
座席の移動など様々な演出が楽しめる上映には「4DX」と「MX4D」があり、筆者は基本的には4DXをおすすめしている。それは4DX限定の演出に「雨」「雪」「シャボン玉」があるほか、(同じ作品で比較をしたわけではないので絶対にとは言えないが)座席の動きもMX4Dよりも4DXのほうがより派手な印象もあるからだ。今回の4DXの座席の動きのダイナミックさは、前述した通り「アホか(超褒めてる)!」レベルであるし、コロナシネマワールドではさらに迫力のある大音量で上映する「爆音ファイヤー4DXブースト上映」が実施されていたりもする。こちらを選んでみるのもいいだろう。
そして、4DXの一部の劇場では「熱風」の演出もプラスされている。筆者は場所の都合で熱風なしの劇場で観たが、少し遠出してでも熱風の劇場を選べば良かったと後悔した。なぜなら、邦題に『ファイヤーブースト』とつけたことも大納得できる、劇中にめっちゃファイヤーを感じられそうな、熱風の演出との相性抜群であることが想像できるシーンがあったからだ。これから観る方は、ぜひ熱風ありの劇場をチェックしてほしい。
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前置きその5:4DXが大渋滞、それでも「2度とはない体験」をしてほしい
今の映画館は、4DX上映が行われている映画が大渋滞している。『名探偵コナン 黒鉄の魚影』はコナン映画史上最高の4DXと断言できたし、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に至っては全ての4DXの中でも最高クラスの出来栄えで、評判が広がったためか満席が続出している。【関連記事】『名探偵コナン 黒鉄の魚影』コナン映画史上最高の4DXとなった「5つ」の理由
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そのおかげもあってか、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENC』という、こちらも評判が上々だった映画の4DXは、現在多くの劇場で早くも上映が終了している。
基本的に4DX上映は、実施されている機会を逃してしまうと、その映画では2度と観ることはできない。4DXのリバイバル上映が行われることもあるが、それはごく一部の映画に限られているし、そちらもごく限定的な期間だけ実施されていることがほとんどだ。
4DXは、映画によってはあまり演出がうまく生かされていなかったり、それほど効果的ではなかったと思うこともたまにある。しかし、この『ファイヤーブースト』は、4DXの歴史を塗り替えたコナンの映画やマリオの映画にも匹敵する、これ以上のないほどの相性の良さを見せていた。その2度とはない機会を逃さないためにも、繰り返しになるが、優先的に4DXで観てほしい。
さて、すっかり前置きが長くなったが、ここからは具体的な『ファイヤーブースト』の4DXの注目ポイントを記していこう。物語上のネタバレやサプライズ的な演出の明言は避けたつもりだが、それでも本編および4DXを予備知識なく楽しみたい方は、先に劇場へ駆けつけてほしい。
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