アニメーション作家・大平彩華が語る、“AI”“NFT”で世界とつながる方法┃「ギャルの明るくて強い精神性は、コロナ禍を経た世界で求められている」
海外アーティストのMVを制作
先日公開されたギャルバースが手掛けたシンガーソングライター・Tove LoのMV『I Like u』
MVのビジュアル
──MVについてストーリーラインなど詳細伺ってもいいですか?
大平:スウェーデン・ストックホルム出身のシンガーソングライター・Tove Loさんの新曲『I Like u』をギャルバースとのコラボMVとして、私が総監督で制作させて頂きました。もともとのギャルバースのコンセプトでもある「Mother Planet」という聖なる星が爆発して、銀河に浮かぶそれぞれの星に様々な使命を持ったギャルがたどり着いたというストーリーを元にしたくて。楽曲を聴いた時に「I like you」と相手を想うような繰り返し歌うサビが印象的でした。ギャルバースのコアコンセプトにある宇宙のイメージとサビを掛け合わせる時のインスピレーションとして、まず思い出したのが漫画『最終兵器彼女』でした。漫画の内容はある日、普通の高校生が突然人類の最終兵器になっちゃって世界で戦う一方で、10代の女子高校生としては思春期ならではの恋愛で悩む生々しさもあって。
絵コンテ
MV『I Like u』より
ギャルバースの主人公ゼロのデザイン画
大平:そこからインスピレーションを受け、常に好きな人の事を考えてる不安定な心情の少女Tove Loがある日、惑星を襲う敵の襲撃をきっかけにギャルバースとして覚醒して、敵に立ち向かうその瞬間も好きな人からの返事を待っているという、彼女の持つ強さと弱さ、ドキッとするような猟奇的な部分を魅せるようなストーリーラインで描きました。心は繊細だけど、どんどん覚醒して最後にはTove Loのアイデンティでもあるサソリのような最終形態に変化していくようなキャラクターデザインです。
変身後のキャラデザ。MV『I Like u』より
大平:ホルダーさんとは、それぞれのシーンで出てくる背景デザインやキャラクターの衣装をAIを使って募集して、それらをインスピレーションにしながらわたしが最終的に仕上げていくようなプロセスを共有しました。ギャルバースとしての夢に合わせて、個人的にも抱いていた海外のアーティストと仕事するという夢が叶うので嬉しいです。
AIで生成した背景画のイメージ
MV『I Like u』より
──ある意味、独学で始まったクリエイターの道、チームワークで成し遂げるギャルバースの道のどちらも融合する瞬間ですね。
大平:そうですね。昔描いていた夢の点と点が徐々に結ばれ始めているような気がします。今後は世界で活躍するクリエイターになるために、音楽以外にもファッションや色々なジャンルとコラボレーションしていきたいです。
Profile
大平彩華アニメーション作家/NFTアーティスト
ノスタルジックなアニメーションを主体とした映像作品を中心に制作し、これまでm-flo、CHAI、NOA、BAD HOP、JP THE WAVYなど多くのメジャーアーティストやHIPHOPアーティストのMVを手掛ける。また自身がディレクター兼リードアーティストを務めるアニメNFTプロジェクト『新星ギャルバース』が世界最大NFTプラットフォームopenseaで24時間ランキング1位を記録し話題を集める。
(撮影=Ryo Yoshiya、取材、文=Yoshiko Kurata)
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