「VIVANT」第4話:【考察】もう誰も信用できない展開へ、今後の鍵は乃木と薫の関係?


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ベールに包まれていた、日曜劇場「VIVANT(ヴィヴァン)」(TBS系)が2023年7月16日(日)より遂に始まった。
主役の丸菱商事の乃木憂助を演じるのは「半沢直樹」以来、3年ぶりの日曜劇場主演となる堺雅人。タイトルの「VIVANT」(ヴィヴァン)の謎に迫る。規格外のアドベンチャードラマの演出を務めるのは福澤克雄。共演は、阿部寛、二階堂ふみをはじめ、役所広司や二宮和也など”主演クラス”が名を連ねている。

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本記事では、第4話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「VIVANT」第4話レビュー

初回から第3話までは野崎演じる阿部寛の存在が大きすぎて、主演の堺雅人がどこか心許なく、脱力感のある人物だな…と思っていたが、やはり堺雅人はさすがである。

ドラマ4話目。

中だるみしそうなところで、こんな面白い展開に持っていくとは、原作・演出を手掛ける福澤克雄の神業にもうなる。
その第4話は、まるで映画を一本観終わったかのような疲労感と達成感を受けた。



(以下、ネタバレがあります)

先の展開がまったく読めないが、舞台はふたたびバルカ共和国へ移るようだ。
役所広司と二宮和也演じる謎の親子や、チンギス(Barslkhagva Batbold)の出番が期待できる。

丸菱商事の専務、長野(小日向文世)がこの誤送金事件の重要人物かと思われていたが、観終わってみたら初登場の黒須(松坂桃李)と乃木のチーム別班と、乃木の同期でテントのモニターだった山本(迫田孝也)にすべてを持っていかれた。
自白剤を体に入れられてからの迫田の怪演と、乃木の別人格「F」の過激すぎる演技は圧巻。
ようやく登場した松坂の存在感も半端ない。登場しただけでさらに“映画感”を与え、物語に深みが増した。

堺と松坂が別班の先輩後輩という設定にもシビレたが、野崎(阿部寛)の公安の後輩、新庄(竜星涼)と黒須のシーンも面白かった。
昔、ハマったシンケンジャー松坂と、キョウリュウジャー竜星の攻守戦が個人的には胸アツだった。


ここで乃木が「別班」、それをマークする「公安」の野崎という図を理解した上で初回から第3話までを見返してみると、いくつも納得いくシーンがある。

野崎にとって乃木は完全に「標的」だった。
だからあの死のアド砂漠でも置いてはいかなかったのだろう。
むしろ、置いていくなんてことはもってのほかだったのだ。

乃木も出世のできない頼りない商社マンを演じながら、“機会”をうかがっていたとは。
GFL社社長でテントの幹部だったアリ(山中崇)とのやり取りのシーンは、怪しい点が満載。

砂漠で携帯のライトを付けたまま倒れ、ジャミーン親子に救ってもらったことも“シナリオ通り“だったら恐ろしい。

ここからは完全に筆者の個人的な考察だが、薫(二階堂ふみ)を執拗に守る乃木の姿も異常に映る。
薫も別班、あるいはテントに関係しているのだろうか。
それとも唯一、薫だけは今回の事件にはまったく関係がなく、純粋に乃木にとって特別な存在になったからアド砂漠で往復8時間以上をかけて救出するという無謀な行動に出たのかもしれない。

今後、この薫が乃木とどう関わっていくかが物語のカギとなるような気がする。


その薫もジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzul)の存在を必要以上に気にかける。
医師であれば多くの難病患者には出会うだろう。バルカにもジャミーンと同じように苦しんでいる少女はいるはずなのに、なぜジャミーンだけを執拗に助けようとするのか。

きっとジャミーンの父である、アディエル(Tsaschikher Khatanzorig)も何か関係しているのだろう。初回、乃木がアマン建設のアル(Erkhembayar Ganbold)のいる建物に入っていく姿を心配そうに見つめ、なかなか立ち去らないことが不思議だったが、これは乃木を気にかけていた訳ではなく、アル側のことを気にかけていたのだとしたら……?
すべてがすーっと線でつながっているようではあるが、まだその線がおぼろげすぎてなかなか見えない。
ドラマのキャッチコピーの通り、「敵か味方か、味方か敵か。」わからない。

野崎はここまで何度も乃木に「共同戦線」と言う言葉を使っていたが、敵対してしまった乃木と野崎の関係はどうなっていくのだろうか。


放送開始前から一切、ストーリーや出演者の役柄などの詳細を明かさなかったドラマ「VIVIANT」。
大胆な手法と工夫で放送前から盛り上がりを見せていたが、このような“しかけ”はまったく必要ないと思えるくらい、内容が充実している。

とんでもない展開だった第4話を観終え、まだ興奮している。
同時にごちゃごちゃしてきて頭の中が混乱中。

第5話までにゆっくり整理し、さらに増える登場人物たちにも注目していきたい。

(文:駒子)

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