最新映画をいち早く観られる“PVOD”のメリットとは？【最新サメ映画も配信中】
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熱心な映画ファンなら最新映画はいち早く観たい、でも毎日仕事や学校が忙しくて映画館に行く時間がなかったり、気になる作品の上映が早めに終了してしまったりして、見逃してしまうこともあると思います。
映画館で見逃してしまったら、あとはDVDや配信で観られるようになるまで待つしかありません。正直、その期間を待つのが辛いと思ったことはないでしょうか。
そんな悩みを解決してくれるのが、PVODという配信形態です。
映画の多様性を増やすPVOD
PVODとはプレミアム・ビデオ・オン・デマンドの略で、最新映画を劇場公開終了直後から有料配信するというもの。定額見放題のサブスクリプション制とは異なり、一定期間視聴可能となるレンタル形式で提供されることが多いです。PVODはコロナ禍のアメリカで急伸したサービスで、映画館がコロナの流行で休館してしまい、上映できなくなった新作映画を各社がPVODで配信を始めたのです。著名なタイトルでは、ディズニーの『ムーラン』などがこの方式で配信を行い広く知られるようになりました。
通常のVODよりも若干値段が高いですが、話題の最新映画をすぐに自宅で視聴可能で、時間と場所を気にすることなく、最新映画を視聴可能になるという点で大きなメリットがあります。
映画の配信にも様々な形態があります。Netflixに代表される定額で見放題となるサブスクリプション型のSVOD、オンラインのレンタルともいうべきVOD、そして買い切り型のESTなどがあります。上映から一定期間が経過してからの提供となるところ、PVODは最も早くオンラインで作品を視聴可能にするものです。
「鉄は熱いうちに打て」という言い方もありますが、話題の作品をいち早く観たいが映画館での上映時間にどうしても合わせることができなかったり、映画館の少ない地域に住んでいる方にとっては、非常に便利なサービスとなっています。
映画館での映画鑑賞は素晴らしい体験を与えてくれますが、劇場は限られた地域にしかありません。作品ごとに公開規模も上映時間も異なりますし、時間の都合などで観に行けない人もたくさんいるのが現実です。
しかし、PVODならインターネットさえあればどこからでも視聴可能なため、映画をより広い観客に届けることが可能になります。観たいけど時間が合わなくて見に行けない人など、そういう取りこぼしは劇場側としても悩みどころですが、PVODなら個々人の好きな時間に観ることができますので、そういう取りこぼしをなくすことができるわけです。
シネコンは大ヒット作は数多く上映しますが、中には1日1回しか上映されないような作品もあります。PVODはそういう作品をより多くの観客に届けることも可能になるので、映画の多様性を創り出すことが貢献できるのです。
自然の怒りを象徴する巨大サメ『ブラック・デーモン』
(C)2023. Black Demon Movie, LLC. All rights reserved.
そんなPVODで現在配信中なのは、メキシコ湾を舞台にしたサメ映画『ブラック・デーモン 絶体絶命』です。本作は2023年6月2日から公開され、8月1日からプレミアム配信が開始されています。
▶︎『ブラック・デーモン 絶体絶命』を観る
今作は、海底油田の視察とバカンスのためにメキシコを訪れた一家が、巨大サメの恐怖に巻き込まれる海洋パニック・ムービーです。油田施設からは黒い石油が流出しており、通報を受けて様子を見に来た主人公のポールは、そこで全長70メートルのサメと対峙することになります。海の真っ只中に浮かぶ、逃げ場のない施設で、とある事情で子どもと妻もそこに居合わせることとなり、家族を守りながら巨大サメが徘徊する海から脱出を試みるのです。
しかも、なぜか油田には時限爆弾も仕掛けられており、限られた時間の中で主人公たちは恐怖の海から脱出しないといけないのです。そんなタイムリミットとサメの恐怖の二重のスリルが映画を盛り上げています。
海底油田の流出といえば、2010年に起きたメキシコ湾の原油流出事故を思い出させます。その時も漁業への深刻な影響や海と大気の汚染など様々な問題が引き起こされましたが、本作も環境問題への目くばせがある作品です。
巨大企業が利益のために不正を隠ぺいし事故へとつながっていたことが発覚、それが古代アステカ神話の雨の神トラロックの怒りを買ったのだと本作では説明され、巨大サメはその化身のように扱われます。本作におけるサメは、環境破壊をする人類に対する大自然の怒りの象徴なのです。この点で本作はサメ映画としては異色の存在と言えるでしょう。
サメ映画は、一部に熱狂的なファンがいるものの、全国のシネコンで上映される機会は多くありません。そもそも、劇場公開されずに配信やパッケージのみで提供されることも珍しくありません。しかし、サメ映画を映画館で観たい人も少なからずいるでしょうし、全国津々浦々のサメ映画ファンにも届けたいと考えれば、短期間とはいえ劇場公開をしたうえで、PVODで配信をするのは様々なファンのニーズを満たす上で合理的な方法と言えるでしょう。
サメ映画としてのスリルと面白さに加えて社会問題を考えさせ、家族の絆も謳いあげる異色のサメ映画となっています。サメ映画ファンはもちろんですが、パニック映画好きも家族のドラマが好きな人にも楽しめる作品となっています。
▶︎『ブラック・デーモン 絶体絶命』を観る
（文：杉本穂高）
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