「最高の教師」6話:九条(松岡茉優)と鵜久森(芦田愛菜)が同じ場所で亡くなった理由
松岡茉優主演の“土10”ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」が2023年7月15日放送スタート。松岡茉優演じる高校教師・九条里奈が、卒業式の日に教え子から突き落とされ、殺されてしまった。次の瞬間、彼女は1年前の始業式に戻る。自分を殺したのは誰なのか、30名の生徒=容疑者を前に、犯人探しと“最高の教育”を目指す1年が始まる。
本記事では、第6話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」6話レビュー
鵜久森(芦田愛菜)も九条(松岡茉優)と同じく、2周目の人生を生きていることがわかった矢先、彼女が亡くなってしまった。1周目と同じ日付、何者かに呼び出されて立入禁止区域に足を踏み入れた鵜久森は、とある人物と揉み合った末に落下してしまう。その場所は、九条が1周目の人生で、3年D組の生徒から突き落とされた“吹き抜けの廊下”と同じ場所だった。九条と鵜久森が同じ場所で亡くなったことに、意味はあるのか。
大きな疑問として残るのは、鵜久森が訪れたときは立入禁止に指定されていたにもかかわらず、九条が亡くなった卒業式の時期は開放されている様子だったこと。単に、2023年10月にたまたま工事がおこなわれていただけのことだろうか。
なぜ、わざわざ鵜久森を立入禁止区域に呼び出したのか。そもそも、呼び出した人物は誰か?
順当に考えると、もっとも怪しいのは相楽(加藤清史郎)。6話の冒頭、「もうこのあたりで普通になろう」と持ち出し、相楽は鵜久森に謝罪した。しかし、鵜久森は「心のない謝罪は受け取れない」と拒否。またもやイライラさせられることとなった相楽は、浜岡修吾(青木柚)に依頼し、鵜久森になんらかの制裁を加えた……?
確かにこう考えるのが自然なのだが、少々予想しやす過ぎる展開でもある。呼び出された場所に到着し、待っていた相手を見た瞬間に鵜久森は「あなたがこんなこと」と言った。初対面ではなく、面識がある人間だと思っていいだろう。
3年D組のクラスメイトはもちろん、鵜久森は4話「拝啓、世界に居場所が無いと思う貴方へ」で浜岡と知り合っている。対面したのが、相楽、もしくは浜岡本人であっても不自然ではない。
もう一点気になるのは、鵜久森と謎の人物が、何かを奪い合っている様子があること。鵜久森自身、もしくは九条にとって不都合のある“何か”を相手が持っていて、それを奪い返すために鵜久森は向かっていった。揉み合った末に誤って落ちてしまったのだとも考えられる。
鵜久森の死に関わった人間は、九条を突き落とした人物と考えて間違いないだろう。
イライラをこじらせた相楽がつい手を出してしまったのか。相楽の依頼を受けた浜岡(もしくはその仲間)がこっそり学校内に侵入した末の犯行か。この場合、文化祭の一件があるため「部外者はそうそう校内に侵入できないのでは?」といった考察は無意味だろう。
もしくは、九条が2周目の人生を生きている唯一の物的証拠(映像)を持っている星崎透(奥平大兼)か?
一時は真犯人説も出たほど存在感を増した彼だが、6話では不自然なほど出演シーンがなかった。星崎自身も4話において浜岡と知り合っているため、物語には描かれていない部分で交流を深めていてもおかしくはない。
相楽と浜岡、そして星崎。不穏なトライアングルができそうな陰で、別の真犯人候補が躍り出てくる可能性は、どれくらい残されているだろう。
鵜久森の死の未来を、変えることはできなかった。戦友を失ってしまった九条は、今後どのように動くのか。自分の死の未来を、変えることはできるのか。
(文:北村有)
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