強みと存在感を増していく——俳優・重岡大毅の魅力
[※本記事は広告リンクを含みます。]
重岡大毅の存在感が増している。
今年はドラマ「それってパクリじゃないですか?」(日本テレビ)に出演、10月からは「単身花日」(テレビ朝日)での主演が決まっている。
さらにホラー映画『禁じられた遊び』が9月8日(金)に公開され、東野圭吾原作のミステリー『ある閉ざされた雪の山荘で』の公開が2024年に控えている。
ホラーにミステリーとまた新たなジャンルへの出演に期待が高まるが、改めて重岡大毅の魅力に迫ってみたい。
『関西ジャニーズJr.の京都太秦行進曲』
京都大秦でアクション俳優を目指す若者たちを描く。重岡が演じるのはスターを夢見る三村真人。着ぐるみショーで悪役を演じるバイトを週に数回していただけの真人だが、そこでヒーロー役を演じている佐山輝之進(桐山照史)に誘われてアクションジムに入会する。最初は雑用ばかりでふてくされる真人だが、さまざまな現場をこなしていくうちにジムの若手たちとの絆を深めていく。
作品には現在のジャニーズWESTのメンバーも出演。初々しい姿を見ることができる。
壁にぶつかり、挫折もし、拗ねた発言もするが、屈折した役どころは共感を誘う。というか、当時から演技が……うまい……。
そして今の笑顔が変わらないのがすごい……。クシャッとなる笑顔は天然モノである。
▶︎『関西ジャニーズJr.の京都太秦行進曲』を観る
『忍ジャニ参上! 未来への戦い』
2014年に公開されたこちらの映画は『関西ジャニーズJr.の京都太秦行進曲』に続く作品だ。
舞台は江戸時代。忍びとして鍛錬を積む5人の西の忍者たち。しかし、平和な世に忍者が活躍する機会がない。そんなある日、とうとう解散が言い渡される。そこで彼らは町の事件を解決して名を挙げ、新たな雇い主を見つけようとするが……というストーリー。
重岡は西の忍者・カザハを演じる。今改めて観てみると、この映画のキャスト陣が豪華! 西の忍者は重岡のほかジャニーズWESTの小瀧望、神山智洋に、Snow Manの向井康二、さらに平野紫耀。東の忍者にはSixTONESの森本慎太郎、京本大我が演じる。
つい「みなさんお若い……というかまだ幼さが見えて……」と時の流れを感じる。ちなみに若林豪、京本政樹が出演していることで時代劇らしい重厚感があるのもポイントだろう。
2作品に共通する重岡の魅力は、少年漫画っぽいヒーロー感。向こう見ずで負けず嫌いなところがあるが、人の惹きつける引力がある。失敗してもそれをバネに立ち上がる強さがあるのが観ていてポジティブになる。
いや、それにしてもキャストが豪華……(2回目)。今なら絶対に揃わない。
▶︎『忍ジャニ参上! 未来への戦い』を観る
ドラマでの活躍
■「ごめんね青春!」
ここまで関西ジャニーズでの映画、ドラマ出演が多かった重岡だが、2014年にはドラマ「ごめんね青春!」(TBS系列)に出演。錦戸亮演じる教師・原平助が担任の3年3組の生徒・海老沢ゆずるを演じた。主要キャストとして存在感を発揮する。成績は悪いがイケメン……でもつけられたあだ名は「からくり人形」。文化祭ではヴィジュアル系バンドのボーカルを務めるがサムいパフォーマンスに客がドン引き、さらにエスカレーター式の進学に失敗して浪人をするという設定が盛りだくさんにも関わらず演じ切り、インパクトを残した。
▶︎「ごめんね青春!」を観る
■「知らなくていいコト」
以降は少し間があくが、2019年からはコンスタントにドラマに出演。個人的に強い印象があるのがドラマ「知らなくていいコト」(日本テレビ)だ。吉高由里子演じる真壁ケイトの恋人・野中春樹役を務めた重岡。ケイトとラブラブだったが、ケイトの父親が元殺人犯だと知り、あっさりと別れを告げる。母を亡くしたばかりのケイトを見捨てるという冷徹っぷり。さらにケイトが元彼の尾高(柄本佑)とヨリを戻したと知ると、想いがこじれていき、ケイトの過去を週刊誌にバラしたり、勤務態度も悪くなったりと悪役に徹した。
内に秘めた鬱々とした苦しみや悩みを演じるのがうまい人だな……と実感する一方(ドラマ視聴中は本気で野中が憎くなった)、ラストでははっちゃけた小説家に転身。明と暗のスイッチングのうまさも実感させられた。
▶︎「知らなくていいコト」を観る
■「#家族募集します」
2020年からは主演を務める機会も増えていく。ドラマ「#家族募集します」ではシングルファーザー・赤城俊平を演じた。しっかりとしたホームドラマの中での父親役だが、背伸びが感じられるわけでもない。亡くしてしまった大切な妻への想い、子への愛情、それだけではままならない現実との葛藤。重岡のチャームポイントでもある笑顔と、苦しみのコントラストは視聴者の心に残ったはずだ。
▶︎「#家族募集します」を観る
■「それってパクリじゃないですか?」
笑顔がキュートな重岡だが、ドラマ「それってパクリじゃないですか?」(日本テレビ)ではクールな役どころを演じた。ある意味、笑顔は封印し、合理的な弁理士・北脇雅美を演じた。冷たいわけではなく、感情を封じ込めたような北脇はある意味、感情表現が豊かな重岡だから少ない表情の中でも情緒が感じられるものとなったのかもしれない
▶︎「それってパクリじゃないですか?」を観る
忘れてはならない『溺れるナイフ』
重岡のドラマ出演は2014年から2019年までの間なかったが、その間に映画『溺れるナイフ』に出演している。小松菜奈演じる夏芽と菅田将暉演じるコウのラブストーリーだ。重岡が演じたのは夏芽のクラスメイトでコウの元親友の大友。おまけに大友は夏芽に想いを寄せている。小松と菅田の組み合わせが目を惹くが、どこかしっとりとした影がある夏芽とコウに対して、大友はカラッとした太陽のような存在感。大友は少し田舎の少年感があるが、それもまたいい。
夏芽とコウは目立たなければならず、光らなければならない。そこで引き立たせる大友の役どころは重要だ。それでいて、無垢さが観ている者の心を惹きつける。そしてこの作品でバイプレーヤーとしての存在感を発揮したと言っても過言ではないかもしれない。
ちなみに当時、23歳だったのにもかかわらず、高校生役で少年感が出るのもさすがである。
▶︎『溺れるナイフ』を観る
次は何を演じる?
シンプルに昔から演技が上手いので、その伸びしろやいかに、と思うが年齢と時代に合わせてしなやかに変化している。昔からの武器はそのままに、新たな強みを手にしてパワーアップしている感がある。
そして、ホラー映画、ミステリー映画とくればその魅力は増大するだろう。30代の重岡大毅が楽しみだ。
(文:ふくだりょうこ)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。