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2023年09月18日

「転職の魔王様」10話:天気の子ばりに晴れを呼んだ千晴(小芝風花)が、来栖(成田凌)に見せた奇跡

「転職の魔王様」10話:天気の子ばりに晴れを呼んだ千晴(小芝風花)が、来栖(成田凌)に見せた奇跡


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成田凌主演、小芝風花がヒロインをつとめる“月10”ドラマ転職の魔王様」が2023年7月17日放送スタート。成田凌が毒舌転職エージェント・来栖嵐を、小芝風花が3年で広告代理店を辞めた新卒社員・未谷千晴を演じる。人生のステージを変える「転職」をテーマに、異色のタッグが繰り広げる爽快エンターテイメントドラマ。

本記事では、第10話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「転職の魔王様」10話レビュー

千晴(小芝風花)と来栖(成田凌)は、過去に面識があった。千晴は失念していたようだが、当時、事故に遭って塞ぎ込んでいた来栖にとっては“奇跡”とも形容できる思い出。「千回、晴れる」……千晴という名前の通り、土砂降りの空を見事に晴れさせたのだ


新入社員だった千晴は、仕事に情熱を傾けていた。「自分にやれることがあるなら、精一杯頑張りたい」「明日は今日より役に立てるかもしれない、そう思うと、頑張ろうって思えるんです」……明るくハキハキと話す彼女がまさか、その数年後に目の光をなくし、パワハラによって体調を崩して倒れ、後遺症として味覚障害まで患うなんて、想像しにくいほど。

来栖が千晴に目をかけていた理由が、これで明らかになった。このとき「晴れ女ですから、晴れますよ」と言って、千晴は本当に雨をやませた。そんな小さな奇跡を見せてくれた彼女が、求めてくれるところならどこでもいい、なんて後ろ向きな理由で転職活動をしている。気にしないほうが無理だろう。

来栖の大阪出張を機に、独り立ちに向け求職者の面談に精を出す千晴。しかし、一人だとなかなか上手くいかず「人生の一大事に関わるような仕事、私にはできない、向いてません」と弱音をこぼす。そんな彼女に、来栖は言った。

「明日の晴れを信じないなんて、笑わせないでください。君にはまだ、できることがあるはずです」


独り立ちしなければ、と焦るあまり、千晴は「人に頼る」ことを避けてしまっていた。自分一人でなんでもできるようにならなければ、周りに迷惑をかけないようにしなければ……。そんな自立心は確かに立派ではある。

しかし、己だけで抱えきれない荷物は自然と両手からこぼれ落ち、結果的に、同僚やクライアントが進む道まで塞いでしまうかもしれない。来栖の言うように「困ったら頼ればいい」のだ

転職活動にまつわる求職者の悩みや心の動き、そして、千晴や来栖などキャリアアドバイザー側の視点から「仕事とは?」「働くとは?」と考えるきっかけを与えてくれたこのドラマも、来週で最終回。

大阪への出張を終えた来栖が、次はキャリアアドバイザーを辞めてアフリカに行ってしまう展開になりそうだが……。

(文:北村有)

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