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「真田広之の魅力」をたっぷり堪能!おすすめ“5作品”<ついに『ジョン・ウィック』シリーズへ>
「真田広之の魅力」をたっぷり堪能!おすすめ“5作品”<ついに『ジョン・ウィック』シリーズへ>
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殺された愛犬の仇を討つため、凄腕の元殺し屋が再び銃を手に取り無双を繰り広げるアクション映画『ジョン・ウィック』。スマッシュヒットを記録した第1作を皮切りにシリーズ化され、9月22日(金)に第4章となる『ジョン・ウィック:コンセクエンス』が公開を迎えた。
本作は名だたるアクション俳優たちが参戦しており、我らが「真田広之」が名を連ねたことは日本の映画ファンにとってシリーズ最大のトピックスと言えるかもしれない。
章を重ねるごとに激しさを増す本シリーズに真田が参戦できるのも、今なお切れ味鋭いアクションを披露できる身体的表現を伴ってこそ。真田がアクション映画に出演するだけで「どんな演技を見せてくれるのか」と期待を高めるファンも多いだろう。
そこで今回は『ジョン・ウィック:コンセクエンス』を含め、俳優・真田広之の魅力を存分に堪能できる国内外の作品を5タイトルを紹介したい。
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
■夢の対決カードが実現!
チャド・スタエルスキ監督&キアヌ・リーブスが牽引するシリーズ最新作は、上映時間169分の大半が強烈かつ鮮烈なアクションシーンの連続。全世界の殺し屋に命を狙われているジョン・ウィックの危機的状況は依然として続いており、合間合間のドラマパートも固唾を飲むような緊迫したやり取りが繰り広げられるので観客に息つく暇は与えられない。
すべてにおいてスケールアップを遂げ続ける本シリーズだが、真田の参戦は日本のみならず全世界のアクションファンにとって「いよいよ」「ついに」といったところだろう。真田が演じるのは大阪のコンチネンタルホテルオーナー・シマヅ。
ジョン・ウィックを追ってきた盲目の暗殺者ケインを真田と同じくレジェンドアクション俳優ドニー・イェンが演じており、アジア映画で実現することのなかった「真田広之vsドニー・イェン」という夢の競演シーンまで用意されている。
そもそもチャド監督と製作総指揮のデヴィッド・リーチはハリウッドを代表するアクションチーム「87イレブン」の中心人物。かつてチャド監督が『マトリックス』でキアヌのスタントダブルを務めていたのは有名なエピソードだ。
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本作はそんな製作陣の「レジェンド大好き! リスペクト!」感があふれ返り、その結果作品全体のアクション設計が異様なテンションによって底上げされている。
ちなみにシマヅは真田の提案で「コウジ」の名がつけられている。本作のファイトコレオグラファー・川本耕史から取られたもので、アクションマンに対する真田のリスペクトが窺える。どのようなキリングアクションが描かれているのか、ジョン・ウィックの攻防とともにシマヅvsケイン戦の行方も見守ってほしい。
▶︎『ジョン・ウィック:コンセクエンス』画像を全て見る
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『リメインズ 美しき勇者たち』
■人喰いグマとの壮絶ファイト!
筆者のような大のクマ好きでなくても、熊害史上最悪の死傷者を出した「三毛別羆事件」の名を聞いたことがある人は多いのではないだろうか。現代に語り継がれる大正時代の悲劇だが、そんな血塗られた事件をモチーフにした映画が千葉真一監督×真田広之主演の師弟コンビによる『リメインズ 美しき勇者たち』だ。
三毛別羆事件がモチーフとはいえその状況を再現したもの内容ではなく、本作は女性の肉しか食べない人喰いグマ「アカマダラ」と対峙するマタギたちの攻防が繰り広げられる。大正時代を背景に真田はアカマダラを追う若きマタギ・鋭治を演じており、他にもマタギ衆を束ねるリーダー・嘉助役の菅原文太ら多くのベテラン勢が千葉の元に集まった。
©1990「リメインズ」製作委員会
邦画で熊害を描いた数少ない作品の1本だが、さすがJAC(ジャパン・アクション・クラブ、現・JAE:ジャパンアクションエンタープライズ)創立20周年記念作品とあってアクション要素が多いのも特徴。特に村松美香演じる家族を皆殺しにされたユキと鋭治が共闘してアカマダラを迎え撃つクライマックスは、まさにJACの面目躍如たるシーンといえるだろう。
もちろん相手が血に飢えたクマとあって、対人的なアクションから摂取できるような高揚感を得ることはできない。とはいえ暴虐の限りを尽くす狂獣との対決が生み出す緊張感はしっかり表現されており、猟銃を構える真田と村松の眼は殺気で満々(ちなみに村松もJAC所属の女優)。
アカマダラをおびき寄せるため女性の着物を羽織ってアクションに挑んだ真田の動きが、それでもキレッキレな点にご注目を。
▶︎『リメインズ 美しき勇者たち』を観る
『ブレット・トレイン』
■納刀する姿まで美しい……
『アトミック・ブロンド』や『デッドプール2』『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』をヒットに導いてきたデヴィッド・リーチ監督が伊坂幸太郎の小説を映画化。
それだけでも十分引きの強い本作だが、(一応)日本を舞台に(一応)新幹線という密室空間でブラッド・ピットやアーロン・テイラー=ジョンソンら名優たちがバトルを繰り広げるのだからアクション映画好きにはたまらない。
そんな弾丸列車=ブレット・トレインに途中から乗り込んでくる真田が演じるのは、「エルダー」と呼ばれる元ヤクザの男。本作の鍵を握る「ホワイト・デス」に組織のボスだけでなく妻まで殺された過去があり、ブレット・トレインの行き着く先には因縁のホワイト・デスが待ち構える。
さらに車内にはアンドリュー・小路演じるエルダーの息子・キムラと、さらにその息子(エルダーにとっての孫)を意識不明の重体に陥らせた人物まで乗り合わせているのでエルダーの立ち位置は複雑だ。
とはいえ、やはりそこは名優・真田広之。重厚感たっぷりにエルダーを演じ、ひとたび日本刀を振るえばあっという間に敵を斬り倒していく。狭い列車内だからこそ真田の大立ち回りが際立ち、殴り合いで相手を打ち倒す豪快なスタイルとは一味違う洗練されたアクションがじつに魅力的(納刀の所作まで美しい)。
そのあたりの采配は、さすがアクションを知り尽くしたリーチ監督の手腕といえる。
▶︎『ブレット・トレイン』を観る
『PROMISE/無極』
■振り切ったファンタジー絵巻
『さらば、わが愛 覇王別姫』で知られる巨匠チェン・カイコーが監督を務め、チャン・ドンゴン、真田広之、ニコラス・ツェー、セシリア・チャンら国際色豊かなキャストが集結した本作。
かつて女神・満神と交わした約束から真実の愛を受けられない絶世の美女・傾国(セシリア)をめぐり、大将軍の光明(真田)、その奴隷の崑崙(ドンゴン)、悪しき侯爵・無歓(ツェー)の思惑が交錯する。
先に公開された武侠主体のチャン・イーモウ監督作『HERO』に対し、本作はファンタジーに振り切ったアクション作品ゆえに笑っていいものか判断に迷うトンデモシーンがおおいに目立つ。
たとえば崑崙は俊足すぎて暴走する牛の大群を追い抜き地面と水平向きに崖を走り、さらには傾国を凧のように要領で大空へ飛ばす。生粋の悪役たる無歓はなぜか人差し棒(人差し指ver.とサムズアップver.あり)を手にしている(もはやファンタジーと関係ない)。
VFXも見るからに乱発しているが、決してコメディ作品ではなくドラマパートはむしろシビア。また香港の名武術指導者トン・ワイが参加しているとあって、ワイヤーアクションも取り入れたファイトシーンは満足度が高い。クライマックスの真田vsツェー戦は美しさを感じさせるほどだ。
『亡国のイージス』
■迫真の軍事サスペンス
海外に目を向ければ軍事サスペンス作品は多々あれど、邦画となるとその数は限られてくる。防衛省など関係各所の協力が不可欠でセットや視覚効果など予算が膨らむことを考えれば当然だが、そんなリスクをものともせず真っ向から骨太のストーリーを映像化したのが『亡国のイージス』だ。
福井晴敏の小説を原作に阪本順治監督がメガホンを握り、先任伍長・仙石役で真田が主演を務めた。
舞台は海上を進むイージス護衛艦・いそかぜ。副艦長・宮津が某国スパイのヨンファと結託して艦を乗っ取り、ミサイルの照準を東京都心に向けた上で“ある要求”を政府に投げかける。先任伍長の仙石は一旦離艦するも、宮津たちの企みに気づいていそかぜ奪還に動き出し……。
あくまで現代を舞台にしたリアル軍事サスペンスなので、真田が日本刀やマーシャルアーツで大立ち回りを演じる場面はない。とはいえ自衛隊員としての格闘術や銃撃戦など対人戦闘スキルを度々発揮しており、仲間やイージス艦、国を護ろうとする熱気迸る姿は必見。真田が邦画界から離れている今、宮津役・寺尾聰やヨンファ役・中井貴一ら名優との対峙シーンも貴重と言えるだろう。
ちなみに本作の音楽は『クリフハンガー』や『G.I.ジェーン』などで知られるトレヴァー・ジョーンズが担当。俳優陣の競演が生み出す緊張感をさらに助長する劇伴にも耳を傾けながら、いそがせの命運を見届けてほしい。
▶︎『亡国のイージス』を観る
まとめ
1980年代の段階で話題作の数々にクレジットされているだけに、おすすめしたい真田広之出演作はキリがない。
『ラスト サムライ』のトム・クルーズ、『ウルヴァリン:SAMURAI』のヒュー・ジャックマンらハリウッドの名優と堂々渡り合い、スコーピオン(ハサシ・ハンゾウ)を演じた『モータルコンバット』ではファン層をさらに拡げることになった。
アクション俳優としてだけでなく、演技派としても評価されている真田。ぜひ再び日本の作品にも出演をと願わずにはいられないが、今後どれだけ世界にその名を轟かせるのかも楽しみでならない。
(文:葦見川和哉)
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