「どうする家康」第38話:老いる秀吉、輝く茶々……家康は狐とどう向かい合う?
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2023年1月8日放送スタートしたNHK大河ドラマ「どうする家康」。
古沢良太が脚本を手がける本作は、弱小国の主として生まれた徳川家康が乱世を生きる姿を描いた波乱万丈エンターテイメント。大河ドラマ初主演となる松本潤が、従来のイメージとは異なる「ナイーブで頼りないプリンス」の家康に扮する。
本記事では、第38話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「どうする家康」第38話レビュー
ラスボスであることは分かっていたけれど、あまりにもラスボスのオーラが凄まじい。天下統一を果たした秀吉(ムロツヨシ)。しかし、それでとどまらず、唐入りを目指す。さらに天竺、南蛮も手に入れると高らかに宣言。大名たちも熱に浮かされたように、秀吉に賛同する。
どれだけの者が本気で秀吉の言葉を信じているのだろう。
盛り上がっている中、浅野長政(濱津隆之)は正気の沙汰と思えないと言う。狐に取りつかれている、と。
そんな長政に向かって刀を抜く秀吉。石田三成(中村七之助)らが長政を引かせ、間に家康(松本潤)が間に入ってどうにかその場を収めるが、かつての織田信長とはまた異なる、「逆らうことができない」という空気を感じる。
失敗は許されない、というより、機嫌を損ねられない。
実際、唐入りは苦戦を強いられていた。が、三成らはその話を秀吉にできずにいた。
秀吉は老いた。
若いころのような底知れぬ恐ろしさがなくなり、ただ茶々(北川景子)に惑わされているばかりのように見える。
秀吉の代わりに、茶々が得体の知れない不気味さを身につけていた。
茶々は家康にも近づく。
何かあったら家康を頼るように秀吉から言われたと平然と嘘をつき(秀吉が言ったのは前田利家)、家康のもとを訪れる。
母は家康を慕っていた、どうして母を助けに来てくれなかったのかと問い詰める。そして、もしかしたら家康は自分の父だったかもしれない、と言いながら距離を詰め、家康のそばに近寄る。
そして手を握り、父のように慕ってもいいかと目に涙を溜めながら尋ねる。
そこに割って入ったのは家康の側室・阿茶(松本若菜)だ。
「殿下にとりついた狐がいるとのうわさを耳にいたしました」
「わが殿にもとりついてはなりませぬゆえ、狐を見つけたら退治しようと…」
そのセリフを狐(茶々)に向かって言う阿茶のふるまい……!
本来なら失礼な物言いだが、改めて阿茶は「この女が狐」と家康に伝えているのだろう。
父だったかもしれない、という発言から「どうする家康」において、家康と市(北川景子)が夫婦になっていたのだとしたら……と考えてしまう。大きく歴史は変わりそうだ。でも、家康の正室が市だったら、天下統一をなしていないようにも思う。
家康は秀吉に茶々を遠ざけるよう言い聞かせる。
茶々に惑わされる自分ではない、という秀吉を家康は一喝。さらにそこに足利義昭(古田新太)が乱入。
「てっぺんに立ってると全てが見えて何もかもが分かっていた」「でも実のところは全く逆。かすみがかって何も見えていない」とまさに今の秀吉を現すような言葉を発する。
家康、そして義昭。現実を突きつけるような言葉に、秀吉も正気に戻る。
(「周りがいいことしか言わない、自分はそうはならんと思っていてもそうなる」この言葉は年を取っていく己にも言い聞かせたい言葉である)
茶々を京に帰し、唐入りも休止。
ようやく、落ち着くかと思った矢先、秀吉のもとに茶々から文が届く。「子ができた」と。
え、その子どもは本当に秀吉の子ですか……? と思っていたら、次回予告で茶々が「あなたの子だとお思い?」と言い放っていて震えた。
茶々の子・秀頼の父親は誰なのか、さまざまな説があるが……?
ゾッとしかしない。
それにしても、白兎は狼と戦ったり、猿だったり、狐だったり……。
ずいぶんと勇猛なうさぎさんになったものである。
(文:ふくだりょうこ)
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