「ブギウギ」羽鳥善一(草彅剛)と羽鳥慎一がこんがらがる<第27回>
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2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。
「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。小さい頃から歌って踊るのが大好き、戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる
ライター・木俣冬が送る「続・朝ドライフ」。今回は、第27回を紐解いていく。
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投げキスをキャッチ
スズ子(趣里)と秋山(伊原六花)は日帝劇場の顔合わせに向かいます。事前に東京~銀座界隈を散策しているので、迷わないと自信満々でしたが、浅草、上野を散策し、日比谷の劇場までは行かなかったためでしょうか、結局迷って遅刻寸前。
秋山は2度、大阪から東京まで劇場を見に来ていたにもかかわらず、迷ってしまうとは。ふたりとも頼りない。
ただ、はじめての東京、銀座は見たことない雰囲気で、迷うのも無理はないのかも。
NHK大阪で昭和初期の街の風景を撮るときは、たいてい、和歌山マリーナシティのポルトヨーロッパが使用されています。中世ヨーロッパの街並みを再現したテーマパークなので、昭和の銀座感があまりない。たぶん、茨城のワープステーション江戸のほうが合っています。が、大阪局からだと遠いので難しいのかもしれません。
テラコッタ調の色合い、ヤシの木……と異国に迷い込んでしまったような雰囲気で、スズ子たちが迷うことに説得力があります。彼女たちの目にはこう映ったという感じなのかも。
劇場のなかに入ると、レトロな洋風建築です。
しびれを切らしていた辛島(安井順平)は追い立てますが、松永(新納慎也)はのんき。「ハリーアップ」と「リラックス」を繰り返す動作がユーモラス。あとフレンチジョーク。
羽鳥(草彅剛)もさほど時間を気にするふうではありません。楽劇団の人たちは鷹揚な人たちのようです。トランペット奏者でバンマスの一井(陰山泰)は、「しくよろね」と業界人ノリ。
梅丸少女歌劇団のように、礼儀正しさを求める場とは、梅丸楽劇団は違うようで、そもそも、男性ばっかりで、スズ子は面食らいます。たぶん、当時だとタバコのケムリもくもく、だったんじゃないでしょうか。
時間には鷹揚でも、実力には厳しい。スズ子の実力のほどはどんなものかと気にかけていて、スズ子の外見から、ちょっと拍子抜けしていたことにスズ子は気づいていません。
ジャズをやるには、パワフルな歌手が必要らしく、秋山くらいの体格のほうが理想的で、小柄で地味なスズ子だとちょっと……と一井は思ったようです。
羽鳥はスズ子に、一回、歌わせてみます。そして、感想は特に何も言及せず、ただ稽古しようと言いだして……。
スズ子の羽鳥への第一印象は「にこにこしてはるけどなんかようわからんおっさんやったな」。
確かに羽鳥は、どんなときでもにこにこしていて、不思議な雰囲気を漂わせています。
「バカにしてるんだろう」と言うときも、ケンカ腰なきつい言い方でじゃなく、のほほんとやわらかい。
そんな羽鳥よりも、エレガントで外国ナイズされた松永のことが気になるスズ子。
松永の投げキッスをキャッチします。
以前「ペリーが好き」と言っていたのは、松永を好きになる伏線だったのでしょうか。
「あさイチ」でも博多大吉さんが言っていましたが、
羽鳥善一は、朝ドラの裏番組をやってる羽鳥慎一を意識したネーミングなのでしょうか、気になります。
羽鳥はスズ子の歌に何を感じたのかーー
スズ子に手渡した「ラッパと娘」とはどんな曲なのかーー
(文:木俣冬)
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