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映画コラム

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2023年12月15日

『ウィッシュ』はマリオの映画の楽しさを期待するとちょうどいい「6つ」の理由!

『ウィッシュ』はマリオの映画の楽しさを期待するとちょうどいい「6つ」の理由!

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12月15日(金)よりディズニー100周年を記念したアニメ映画『ウィッシュ』が公開中だ。

結論から申し上げれば、めちゃくちゃ楽しかった!そして、この2023年に公開され大ヒットした『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(以下、映画『マリオ』)が好きな方に大プッシュでおすすめできる理由がたくさんあったので、ネタバレのない範囲で一挙に紹介していこう。

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1:批評家からの評価は分かれているが、一般観客からは好評!



映画『マリオ』で日本の公開前から話題になっていたのは、米批評サービスRotten Tomatoesの評価。批評家支持率は56%と賛否が分かれているのに対し、オーディエンス(観客)スコアは95%と大好評で、「むしろ、これはめちゃくちゃ面白い証拠だ!」という声がSNSで拡散されており、実際に日本で公開されてからもやはり絶賛の感想が相次いだのだ。

『ウィッシュ』も、現在は批評家支持率48%に対し、オーディエンススコアは80%で好評というバランス。詳しくは後述するが、「細かいところでいろいろ言いたいことはあるけど、すっごく楽しい!」特徴が、批評家と一般観客との差が出てくる理由のひとつになっていると思うのだ。

ちなみに、この他の2023年公開のRotten Tomatoesで批評家から賛否が分かれ、一方でオーディエンススコアが高かった映画には、『トランスフォーマー/ビースト覚醒』や『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』もある。

ざっくりした印象で「大味な(でも、けっこう伏線を回収していたりもする?)映画」は、Rotten Tomatoesでこのバランスの評価が出やすいのかもしれない。

2:上映時間は90分台かつ見せ場満載!未就学児ごろのお子さんにもおすすめ!

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『マリオ』の長所は上映時間が94分と短めかつ、その中でも見せ場がたっぷりと詰まっていること。未就学児ごろの小さなお子さんでも飽きずに最後まで楽しめることもファミリー層から強い支持を得たのだろうし、劇場の上映回数も増やせるというメリットもあっただろう。

そして、この『ウィッシュ』の上映時間もわずか95分(約9分間の短編『ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出』も同時上映)!こちらも退屈する暇などいっさいない見せ場の連続なのだ。映画『マリオ』もそうだが、展開にはかなりの勢いがあり、ともすると悪い意味での強引さを感じてしまうかもしれないが、それよりも楽しさのほうが勝る人のほうが多いだろう。

3:最低で最高の悪役のソロ歌唱シーンがある!



映画『マリオ』は悪役であるクッパの愛らしさと気持ち悪さも見どころだった。一方的にピーチ姫に恋焦がれており、特に「ピーチ、ピーチ、ピーチ……」とピアノを弾きながら愛情を訴えるシーンを忘れられない方は多いだろう。その上で、囚人を溶岩の上に吊るす残酷な行為をいとわない、ちゃんと悪役としての務めを果たしていた。

そして、実はこの『ウィッシュ』は悪役(ヴィラン)こそが主役級に目立っている作品でもある。魔法を操り国を治めるマグニフィコ王は国民から信頼され、みんなの願いを集めているのだが、実は「国のためになる願いだけ」をかなえ、それ以外の夢はかなえないまま夢を持つ本人にも返さずにいる、独善的な統治をしていた。

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クッパのように恋心を募らせているわけではないが、「自分のことを正しいと信じきっている」悪の姿と価値観はおぞましく、それは『ノートルダムの鐘』のフロローにも(だいぶベクトルは異なるが)少し通じていて、いい意味で気持ちが悪いと共に惹かれてしまうのだ。

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そして、このマグニフィコ王の声および歌唱を担当するのは、吹き替えではなんと福山雅治!めちゃくちゃ良い声に惚れ惚れできるのに、言っていることが超自己中心的でギャップがとんでもなく、いい意味で「声は福山雅治なのに何言ってんだこいつ!」と思うことができる。

彼のテーマ曲(?)の「無礼者たちへ(原題:This Is The Thanks I Get?!)」でのソロ歌唱がまた言っていることとギャップのある明るい曲調で、福田雅治ボイスの「なんと無礼な!」が脳にこびりつく方も多いはずだ。



さらに、字幕版でマグニフィコ王の声および歌唱を担当するのはクリス・パイン。筆者は吹き替え版を観た後に、サブスクでその歌唱を聞いてみたが、福山雅治よりも高くていい意味で軽くも聞こえる声が、また違った印象の悪役としての魅力を引き出していた。

そんな最低で最高の悪役を、字幕版と吹き替え版それぞれで堪能してみるのもいいだろう。

4:女性が強い!チームものとしてアツい!

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映画『マリオ』で強い支持を得たのは、ピーチ姫を強い女性にしたこと。ゲームではクッパにさらわれてただ待っている役回りだったこともあるが、映画では一国の為政者として交渉に挑み、自分自身が武器を持ち戦う勇ましさもあった。

一方で、『ウィッシュ』の主人公であるアーシャ(名前の意味はヒンディー語で「希望」)は、お姫様などではない、ごく普通の17歳の女の子。しかし仲間や家族を想う優しさは人一倍強く、初めこそ王の企みを知ってひとりで秘密を抱えてしまうものの、やがて仲間と共に行動を起こす、ピーチ姫と同じく意志の強い女性でもあった。

映画『マリオ』も、中盤からはドンキーコング、他キャラクターとも協力する様も感動的だった。

『ウィッシュ』もまた、「バディもの」と「チームもの」としての魅力があったので、そちらも楽しみにしてほしい。

5:星のキャラクターが大活躍!

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映画『マリオ』の星のキャラクター「ルマリー」の虚無主義的な言動は、「小さい子どもに見せてもいいのだろうか……」と本気で思うほど、よくも悪くも観客に強いインパクトを与えていた。

【関連記事】<マリオの映画>すごい小ネタ&元ネタ「10選」を解説!かわいい星のキャラ“ルマリー”が怖い理由とは?

完全に偶然だろうが、この『ウィッシュ』でも星のキャラクターが登場する。好奇心旺盛でイタズラ好きではあるけどとても愛らしく、しゃべらないままで主人公アーシャの良き相棒になるので、そちらも楽しみにしてほしい。

6:元ネタへのオマージュがたくさんある!

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映画『マリオ』の大きな魅力は、元のゲームの小ネタがたくさん込められていること。もちろん原作ゲームのファンへのサービスでもあるのだが、遊んでいない人には意味がわからなくて楽しめないということもなく、それ自体が面白いギミックや豊かな世界観の作り込みにもなっていた。

この『ウィッシュ』にも、これまでのディズニー映画へのオマージュが込められている。たとえば、アーシャの7人の友だちは、ディズニー初のアニメ映画『白雪姫』の「7人のこびと」がモデル。眼鏡をかけていて聡明だったり、短気で皮肉屋な性格だったりと、それぞれのキャラクターの特徴が踏襲されているのだ。

他にも『シンデレラ』の「フェアリー・ゴッドマザー」を連想するアイテムや、『ロビン・フッド』の「リトル・ジョン」のオマージュと思われるクマのキャラクターが登場したりする。

さらに、そもそもの「願いがかなえられる王国」がこれまで「願い」の成就を描いてきたディズニーの集大成的な舞台であるし、それ以外にも過去のディズニー作品を相対的に捉えた思い切りのいい作劇がされている。

何も知らなくても楽しめるが、元ネタを知っているとさらに感動できる。『ウィッシュ』と映画『マリオ』には、そのようにさらに多くの人に訴求できる魅力があるのだ。

まとめ1:100周年記念作品だけど、良くも悪くも「軽い」印象も?



ここまで称賛したが、『ウィッシュ』は難点もある作品だと思う。前述した通り、作劇に勢いがある反面、強引な展開が気になる方もいるだろう。また、舞台のほとんどは王国の中だけで、物語のスケールは小さく、上映時間の短さも相まって、人によっては「こぢんまり」とした印象を持ってしまうかもしれない。

前述した「バディもの」「チームもの」としても面白さも、もう少し突き詰めて欲しかったと思う方もいるだろう。せっかくの「願い」というテーマも、やや単純すぎる図式に落ち着いてしまった印象もある。

ディズニーの「願い」を問い直した先行作品には『プリンセスと魔法のキス』という傑作があったので、そこでも物足りなさを覚える方もいるかもしれない。

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▶︎『プリンセスと魔法のキス』を観る

何しろ「ディズニー100周年記念作品」という触れ込みであるため、壮大さや奥深い感動を期待する人も多かったと思う。だが、実際の『ウィッシュ』は、やや「軽さ」があり、期待とのギャップが賛否両論の評価にもつながってしまったのではないか。

まとめ2:世界最高レベルのアニメのクオリティーと耳に残る楽曲でずっと幸せ!

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だが、その軽い印象はあくまで物語、舞台設定、上映時間に限ってのこと。アニメとしてのクオリティーは文句なしに世界最高レベルであり、特にディズニーの2Dアニメ時代の手描きタッチの質感と、3Dアニメの違和感のない融合に圧倒され、もう「眼福」と言う他なかった。

加えて、本作の最大の魅力はミュージカルシーンにあると断言できる。ジャスティン・ビーバーやエド・シーランにも楽曲を提供しているソングライター兼アーティストのジュリア・マイケルズによる楽曲すべてが耳に残る、すぐに口ずさみたくなるほどにメロディアスというのは驚異的!

ミュージカルシーンを入れ込むタイミング、躍動感のある演出も「これしかない」と思うほどのもので、もう目と耳が幸せで仕方がなかった。

前述した悪役の福山雅治&クリス・パインはもちろん、主人公アーシャの声および歌唱も素晴らしい。映画やドラマやミュージカル舞台で活躍する生田絵梨花、『ウエスト・サイド・ストーリー』でアカデミー助演女優賞を受賞したアリアナ・デボーズ、それぞれの歌にも聞き惚れるので、やはり字幕版と吹き替え版の両方を観たくなるだろう。



とにかく、批評家から賛否が分かれる理由は納得できるものの!それ以上に「楽しい!」「面白い!」「眼福!」「耳が幸せ!」「ディズニーが好きで良かった!」がたくさん詰まった作品だ。

ぜひ、デートでも家族で観るのにぴったりの作品として、劇場のスクリーンと音響で、そして感涙もののエンドロールも含めて楽しんでほしい。

(文:ヒナタカ)

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