『身代わり忠臣蔵』時代劇を極上エンタメにする、“スゴ腕”脚本術とは?
日本の映画産業が芽を吹きだした大正時代から、依然日本の代表的コンテンツとして愛され続ける“時代劇”。
2010年代以降は新たな潮流を生んでおり、『超高速!参勤交代』シリーズや『引っ越し大名』(19)は立て続けに興行収入10億円を超えるヒットを記録し、現代を生きる人々にとっても笑って泣ける一大エンターテイメント作品として多くの心をとらえて楽しませてきた。
それらを生み出したのが『身代わり忠臣蔵』で原作・脚本を手掛ける土橋章宏。
近年では異例ともいわれた時代劇のヒットを生み出す秘訣とは何なのか。ムロツヨシ主演で「忠臣蔵」を新たに描いた本作にも、これまでのヒット作同様に“極上エンタメ”への極意がつまっている。
時代劇ヒットメーカーのスゴ腕脚本術とは?
星野源を主演に迎えた『引っ越し大名』では、定期的に行われる大名の配置替え<国替>を題材とし、領土のピンチに頭を抱えながらも奮闘する姿を、佐々木蔵之介を主演に迎えた『超高速!参勤交代』シリーズでは諸大名を定期的に江戸に住まわせる<参勤交代>を題材にし、幕府からの無理難題に立ち向かう姿を、それぞれ土橋はコミカルに描き上げた。
そして『身代わり忠臣蔵』は「忠臣蔵」で描かれる<仇討ち>という、江戸時代の侍たちの忠義を題材にしている。土橋が取り上げてきた題材は、現在の日本にはもう残っていない歴史の授業で登場する言葉になっている。
しかし『引っ越し大名』『超高速!参勤交代』シリーズも、時代背景こそ違えど、作中で繰り広げられるドタバタ劇やコメディ要素は、現代人の笑いの感性を確実に捉えている。
その巧みに組み込まれた“現代感”こそが土橋の脚本づくりの秘訣であり、土橋は「やはり昔は時代劇は古臭いかなってイメージがあった」と時代劇に抱くイメージを回想しながらも、作品を作り上げるにあたって「今までわからなかった言葉遣いや習慣が若い人にわかってもらえるように、かみ砕いてちゃんとわかりやすく書くのが、一番どの世代にも観てもらえるかなと考えています」と語り、誰にとっても見やすい作品になるように時代劇を作り上げる手法を自ら解き明かした。
さらに、日本の代表的なコンテンツである「忠臣蔵」を取り上げた本作では「まず『忠臣蔵』を知らない若い方が多いので、それはどういうことなのかということを説明したり、“なぜ仇討ちするのか”という疑問には“家族だから、仲間だから”と理由付けしたり。初見でもわかりやすく見てもらえるように、監督と一緒に頑張って、工夫しました」と、暗黙の前提に頼らずに現代人の感覚に寄り添うことで、全く新しい「忠臣蔵」が完成したことを明かしている。
“時代劇ヒットメーカー土橋”のスゴ腕脚本術が余すことなく発揮された痛快時代劇エンターテイメント『身代わり忠臣蔵』は、令和の時代にどんな笑いを届けるのか!?
ムロツヨシが挑む一人二役の<世紀の身代わりミッション>の行方をぜひ劇場で見届けてほしい。
『身代わり忠臣蔵』作品情報
【予告編】
【ストーリー】
嫌われ者の殿・吉良上野介(ムロツヨシ)が江戸城内で斬られ、あの世行き!
斬った赤穂藩主は当然切腹。だが、殿を失った吉良家も幕府の謀略によって、お家存亡の危機に!!そんな一族の大ピンチを切り抜けるべく、上野介にそっくりな弟の坊主・孝証(ムロツヨシ)が身代わりとなって幕府をダマす、前代未聞の<身代わりミッション>に挑む!さらに、敵だったはずの赤穂藩家老・大石内蔵助(永山瑛太)と共謀して討ち入りを阻止するというまさかの事態に発展!?
幕府に吉良家に赤穂藩も入り乱れ、バレてはならない正体が・・・遂に!?果たして孝証は、江戸を舞台に巻き起こる一世一代の大芝居<身代わりミッション>をコンプリートできるのか!
【クレジット】
出演:
ムロツヨシ 永山瑛太 川口春奈 林遣都 北村一輝 柄本明/寛一郎 森崎ウィン 本多力 星田英利 野波麻帆 尾上右近 橋本マナミ/板垣瑞生 廣瀬智紀 濱津隆之 加藤小夏 野村康太 入江甚儀
原作:土橋章宏「身代わり忠臣蔵」(幻冬舎文庫)
監督:河合勇人 脚本:土橋章宏 音楽:海田庄吾
テーマ曲:東京スカパラダイスオーケストラ「The Last Ninja」(cutting edge / JUSTA RECORD)
企画・プロデュース:橋本恵一 プロデューサー:森田美桜 福島一貴
製作プロダクション:東映京都撮影所 プロダクション協力:AOI Pro. 製作幹事・配給:東映
映画公式HP:https://migawari-movie.jp
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©️2024「身代わり忠臣蔵」製作委員会