続・朝ドライフ

SPECIAL

2024年03月18日

「ブギウギ」若手の脅威・水城アユミ登場とサプライズ過ぎる中村倫也<第117回>

「ブギウギ」若手の脅威・水城アユミ登場とサプライズ過ぎる中村倫也<第117回>


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2023年10月2日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「ブギウギ」。

「東京ブギウギ」や「買物ブギー」で知られる昭和の大スター歌手・笠置シヅ子をモデルにオリジナルストーリーで描く本作。歌って踊るのが大好きで、戦後の日本を照らす“ブギの女王”となっていく主人公・福来スズ子を趣里が演じる。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。今回は、第117回を紐解いていく。

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「ズキズキするわ」

残すところあと2週。第25週「ズキズキするわ」(脚本:足立紳)のはじまりは盛りだくさん。
若手ライバル・水城アユミ(吉柳咲良)、彼女とスズ子の奇縁。なつかしの股野(森永悠希)との再会(18、9年ぶり)。いよいよ描かれる、紅白歌合戦ならぬ「男女歌合戦」。ディレクター役が中村倫也……と、バイキング形式の朝ごはんで、ついあれもこれもお皿いっぱいに盛ってしまったようでした。

ときに1956年。「もはや戦後ではない」という言葉が流布し、時代は新たなフェーズに。と同時にスズ子(趣里)もベテランに登りつめ、登りつめたということはあとは下るしかないということで、あとから出てくる若手の脅威にさらされます。

例の鮫島(みのすけ)はまた、新人・水城アユミの台頭で「スズ子のブギは飽きた」と書きます。鮫島は、茨田りつ子(菊地凛子)と対立させたり、対立構造で物事を煽る論調が好きですねえ。

大憤慨するタケシ(三浦獠太)に「ワテの人気も落ちてきてるのは確かだし」とスズ子は言いますが、内心、気になっているようです。

そんなとき、丸の内テレビジョンの名物番組「オールスター男女歌合戦」のトリを
スズ子が任されることになりましたが、その前に、新人・アユミを出すことを了承してほしいとディレクターの沼袋勉(中村倫也)が持ちかけてきます。

新人がトリの前というのは大抜擢で、明らかに新旧対決を目論んだものです。へたしたら、スズ子が損な役回りになりかねません。あまりいい気持ちにならない、スズ子とタケシ。

余談ですが「しんきゅう」と打ったら「鍼灸」がまず出てきて、沼袋のダジャレ「鍼灸対決 お灸はおケツ」が浮かぶワケがなんとなくわかりました。

沼袋は、NHK のレジェント演出家・和田勉を意識したキャラクターのようです。
パーマ、サングラス、大声、ダジャレと、押しだしの強い人物で、でも作るドラマは濃密で深いものでした。

NHKのドラマが社会派で見応えがあるというイメージは昭和の時代に和田勉さんが作ったといっても過言ではないでしょう。それをいまだに引きずっている昭和世代は、朝ドラにも真面目なものを求めるため、「ブギウギ」のように、あえて濃密描写を省き、業界慣れしているタケシのような人間の軽薄浮薄さに注視しているドラマはなかなか浸透しづらいようです。

さて。もやもやしているところへ、懐かしい人物が。
股野がテレビ局にいて、驚きのあまりとてつもない大声をあげるスズ子。この大声はたぶん、その前の沼袋のやたらと大きな声にかぶせたものでしょう。

マネージャー業をやっているという股野。担当しているのは、水城アユミであることは想定内としても、なんとアユミは亡くなった大和礼子(蒼井優)との間にできた子供でした。お葬式のときに歌と踊りの天才になる、と橘アオイ(翼和希)に予言された子です。ほんとうにその通りになって、まさか、スズ子の前に立ちはだかるとは運命的であります。

人生の終盤に向かって、原点である大和の「あなた どうして踊るの?」の言葉がスズ子の脳裏をよぎります。なんてドラマティック。

アユミは、スズ子の大ファンだと言います。その言葉に嘘はないのでしょうけれど、まなざしと口ぶりに強さがあって、ファンだからこそ超えたいというような意気込みを感じます。これは脅威ですよ。

その頃、羽鳥(草彅剛)も、スズ子とアユミを比較した記事を読んで複雑な表情をしていました。ブギブームも消費され尽くした感は自覚していますが、飽きたとか終わったとか外野に言われてうれしいわけはないでしょう。

いつもの、心があるのかないのかよくわからない、ややあしらい芸のような麻里(市川実和子)の励ましに「よく言うよ。興味ないくせに。でもありがとう」と返す羽鳥の口調が冷めていて、仕事に関しては妻に何も期待していないのがわかります。実力勝負の仕事は自分の力で突破するしかないのです。

いつも楽しそうに明るく振る舞っていた羽鳥の、こと音楽に関しては鬼のように厳しい側面を感じてゾクリとなりました。

「流行歌は大衆の好むところにピントが合わないと終わりですからね」(羽鳥)

流行歌はそうだけれど、流行歌が作りたいのか、大衆に背かれても自分の信じるものを作りたいのか、羽鳥は何を求めているのでしょう。


(文:木俣冬)

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