2024年春ドラマ、期待したい“6人”の俳優


ぞくぞくとスタートを切っている春ドラマ。今期はラブストーリーはもちろん、考察が捗りそうなミステリーや豪華キャストによる予測不可能な展開を期待させるものなど、いつもにも増して豊富なラインナップとなっている。

その中から、ぜひ注目していただきたい俳優6名をピックアップする。

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生見愛瑠「くるり~誰が私と恋をした?~」

©️TBS

つい、「生見愛瑠さんが主演なら観たいな」と思ってしまう。

事故で記憶を失ってしまった、生見演じる緒方まこと。プレゼント用の男性の指輪を持っていたことは分かるが、誰に送る予定だったのかはもちろん記憶がない。そんなまことの前には3人の男性が現れ……。自称元カレ・西公太郎(瀬戸康史)、自称唯一の男友達・朝日結生(神尾楓珠)、自称運命の相手・板垣律(宮世琉弥)と華やかな男性陣とのラブストーリーかと思いきや、ミステリー要素もありそうで……。

ある種、現実離れしたルックスのめるるだが、気が強い役も、自分に自信がなくてちょっと弱気になってしまう役も等身大に演じる。「こんな女の子いそう」「これは私の物語かも」と思わせる力が強い。

今回は記憶を失ったことで生まれた変化をどのように演じていくかも注目したい。

■TBS・火曜夜10時~

▶︎「くるり~誰が私と恋をした?~」を観る

河合優実「RoOT / ルート」

©P.I.C.S.・此元和津也 / RoOT製作委員会

たぶん、2024年の再注目女優のひとりになるであろう河合優実。坂東龍汰と共にW主演を務める。

数々の新人賞を受賞し、もともと注目度は高かったが、NHK「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」で連続ドラマ初主演、ドラマ「不適切にもほどがある!」は主人公・市郎の一人娘の純子を演じ、話題を呼んだ。

「RoOT / ルート」は「オッドタクシー」の世界から派生した、漫画「RoOT / ルート オブ オッドタクシー」で展開する探偵コンビの奮闘劇を基に、ドラマオリジナルストーリーを描く。

ドラマで、河合は探偵事務所の調査員・玲奈を演じる。クールで冷静に新人調査員・佐藤(坂東)と仕事をこなしていくが、次第にさまざまな事件に巻き込まれていき……。

クールだが、仕事に対する熱さを秘めている玲奈は河合にぴったり。とつとつとした口調ににじむ情熱がどのように変化していくのかに注視したい。

それにしても、カッコイイ女性が出てきたものだ、と毎度、感嘆してしまう。
 
■テレビ東京・火曜夜24時30分~

【インタビュー】河合優実・坂東龍汰が『RoOT / ルート』で示した「カッコいいものをつくる意思」

▶︎「RoOT / ルート」を観る

吉田鋼太郎「おいハンサム!!2」

(C)東海テレビ/日本映画放送

今更、吉田鋼太郎氏を期待俳優として挙げるのは違うのではないか?と言われてしまいそうなのだが、どんな「吉田鋼太郎劇場」が観られるのか期待せずにはいられないのだ。

何かと融通が利かない父と、男を見る目がみない三姉妹、そして達観したような母によるファミリーコメディー。

今回は、初回から父・源太郎(吉田)は寝違えてコルセット姿。首の自由が利かないものだから、周囲をよく見ることができず、疑心暗鬼に。しかし、その限られた視界の中だからこそ源太郎は見えてきたものがあると言い……。もう何かと動きと声が大きくて、吹き出さずにはいられない。

悩みが絶えない三姉妹は何かと実家に帰ってきてくつろいでいる様子が個人的に好き。MEGUMI演じる動じない母も好き。このドラマが週の終わり、土曜日にあってよかった。

■東海テレビ/フジテレビ:土曜11時40分~

▶︎「おいハンサム!!2」を観る

錦戸亮「Re:リベンジ-欲望の果てに-」

(c)フジテレビ

「待ってました!」と声を大にして言いたい。

錦戸亮が「トレース~科捜研の男~」以来、5年ぶりにフジテレビのドラマに登場だ。

「Re:リベンジ-欲望の果てに-」は天堂記念病院を舞台に巻き起こる権力争いをきっかけにさまざまな事件が起こり、主人公の天堂海斗(赤楚衛二)を翻弄していく。

錦戸が演じるのは天堂記念病院に新しく赴任してきた心臓血管外科の医師・大友。大友はスカウトされて赴任してきたようだが、1話の時点ではまだ謎ばかり。海斗とどういう関係なのか、とりあえず重要な役どころであることは間違いなさそうだが……。

今年に入ってから映画『コットンテール』、ドラマ「不適切にもほどがある!」に出演している錦戸だが、満を持しての連ドラレギュラー。主演を務めることも多かったが、最近の作品では脇で存在感を放つ重要な役どころを演じることも増えている。

おそらく、数年前なら周囲の状況に翻弄される役のほうがしっくり来たかもしれないが、今回はおそらく、翻弄する側。落ち着いた演技で新たな魅力を見せてくれそうだ。

■フジテレビ・木曜夜10時~

▶︎「Re:リベンジ-欲望の果てに-」を観る

横山裕「約束~16年目の真実~」

(C)読売テレビ

近年、俳優としての存在感が増している横山裕。

父が連続殺人事件の犯人として逮捕され、すべてを奪われた葵(中村アン)。刑事となった葵は、時を経て故郷である町へと帰ってきた。真相に迫っていく中で再び事件が起き……。

横山が演じるのは葵のバディとなる香坂慧だ。大学院では犯罪心理学を専攻し、プロファイリングに精通している。警視庁本部に勤務していた経験もあり、いわゆるエリート。バディだが、葵に疑いの目を向け、監視する……という役どころだ。

淡々としていて何を考えているのか分からない慧。なぜ彼が葵を監視するのか。今のところ謎多き人物である。年齢不詳な感じがますます妖しさを増す。

クールな役も、ちょっと情けなくて頼りない役も、エリートの役も……実はどんな役柄にもビジュアルにおいてもピタリとハマる横山。バディというポジションだし、いずれ葵の理解者になっていくのだろうか、と想像するが、ゴリゴリの悪役もちょっと見てみたい……と期待もしてしまう。

■読売テレビ/日本テレビ:木曜夜11時59分~

▶︎「約束~16年目の真実~」を観る

松下洸平「9ボーダー」

©️TBS

いつの時代になっても、「大台」の年齢に差し掛かるときは心がざわざわするもの。「9ボーダー」は、19歳・29歳・39歳とそれぞれ大台を控えた三姉妹の物語だ。

松下洸平は、川口春奈演じる29歳会社員の大庭七苗と惹かれ合うというコウタロウを演じる。ある事情を抱えていて、バルに住み込みで働いている……ということだが、少年っぽさのあるビジュアルにその「ある事情」に興味を惹かれずにはいられない。と言うか、想像を膨らませずにはいられない。

「いつ休んでいるのだろうか」というほどドラマ・映画・舞台と出演作が続く。そこで演じている役柄は本当に幅広い。穏やかな笑みが似合うけれど、ピリッと緊張感をはらんだ役も、悲しみを抱えている役も、どれも観ている側の心をグーッと引きこむ。

個人的には、優しい笑顔の影に悲しみをはらんでいる役どころが好きなんだが、今回はいかに。

■TBS・金曜夜10時~

▶︎「9ボーダー」を観る

迷わずにはいられない春ドラマラインナップ!

ゴールデンタイムはもちろんのこと、深夜ドラマも気になる作品が目白押しの春ドラマ。正直、ピックアップするのに苦戦してしまったほどだ。

時間が足りない!となってしまいそうだが、そんな贅沢な悩みをぜひ楽しんでもらいたい。

(文:ふくだりょうこ)

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