©2014 Subzero Film Entertainment,Altitude Film Entertainment,Egoli Tossell Film

テンションブチ上げ! おすすめ「アクション映画」5作品<『フォールガイ』公開>



近年、アクション映画というジャンルそのものの評価が高まっているのような気がする。今年6月にアカデミー賞がスタントマン部門の設置を検討中と伝えられるなど、いままさにアクション映画に脚光が当たっているといえる状況ではないだろうか。

実際に8月16日(金)公開の『フォールガイ』はスタント出身のヒットメーカー、デヴィッド・リーチ監督がスタントマンを主人公に据えたアクション大作だ。

そこで今回は、テンションがブチ上がること間違いなしの娯楽アクション作品に注目。新旧取り交ぜつつ、おすすめの5タイトルをご紹介していこう。

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1:『ビッグゲーム 大統領と少年ハンター』

■サミュエル叔父貴、大統領になる

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マザ○ァカでお馴染みサミュエル・L・ジャクソンがアメリカ合衆国大統領ウィリアム・アラン・ムーアに扮し、テロによって絶体絶命のピンチに陥る本作。サミュエル叔父貴の出演とあってハリウッド製アクション映画と勘違いしてしまいそうだが、フィンランドの大自然を舞台にしたフィンランド映画だ。

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ムーア大統領はメインキャラではあれど、本作は13歳の誕生日に通過儀礼を控えた少年オスカリ(オンニ・トンミラ)が主人公といってもいい。

獲物を仕留めるために山にひとり入っていき、大統領専用機エアフォース・ワンから緊急脱出したムーアを発見。やがてムーアを追ってきたテロリストと対峙し、胸の内に秘めていた勇気を振り絞って米国大統領の救出に奔走する。

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なんだ子どもが主人公の映画か、と甘くみてはいけない。序盤からエアフォースワンと護衛機が墜落し、以降もバンバン人が死んでいく。オスカリもただの子どもではなく、偉大な狩り人である父親のようになるため、通過儀礼に人生を懸ける意気込みを抱えている。軽妙なやり取りこそあれど、決してハートフルな映画ではないのだ。

フィンランドの大自然を背景にしたアクションシーンも見ごたえがあり、クライマックスで発生する大爆発シーンはちょっとびっくりするレベルだろう。また、なぜムーアはテロリストに狙われたのか、誰が糸を引いているのか、といったストーリーラインにも注目してほしい。

▶︎『ビッグゲーム 大統領と少年ハンター』を観る

2:『コンフィデンシャル 国際共助捜査』

■韓国アクションエンタメの痛快作第2弾

(C)2022 CJ ENM CO., LTD., JK FILM ALL RIGHTS RESERVED

ユ・へジンの出演作に間違いなし。本作はヒョンビンとへジンが北のエリート捜査官リム・チョルリョンと南の庶民派刑事カン・ジンテを演じた『コンフィデンシャル/共助』に続くシリーズ第2弾。「国際共助捜査」の副題に相応しく、アメリカのFBI捜査官ジャック役として、ハリウッドでも活躍中のダニエル・へニーが新たに参戦している。

そもそも本シリーズの魅力には、北と南の刑事が反目し合いながらも信頼関係を築き、共に捜査を進めていく展開が大前提にある。そのため前作を観ておいた方がより楽しめる部分もあるが、米国FBI捜査官を加えてなおバランスを崩さず、むしろ魅力をさらに倍増させているところがじつに清々しい。

(C)2022 CJ ENM CO., LTD., JK FILM ALL RIGHTS RESERVED

今回は北から大金を持って南に逃亡した国際犯罪組織のリーダーを追い、再び南にやってきたチョルリョンがジンテと合流。さらにアメリカで検挙された人物も組織に関わっていたため、南に派遣されたジャックもふたりの捜査に介入することになる。

前作よりスケールアップしているだけにアクションの規模も(序盤から)大掛かりになっているが、それにしてもやはり長身の体躯を駆使したヒョンビンの格闘術には毎回惚れ惚れしてしまう。

いや、もちろんちょっと小憎たらしさを出しながらちゃんとヒーローしているダニエル・へニーも、なんだかんだいいつつ決めるところはしっかり決めるユ・へジンのクライマックスも良い。

それだけ本作には韓国エンタメの良さが詰まっている、ということの証拠といえるだろう。

▶︎『コンフィデンシャル 国際共助捜査』を観る

3:『BAD CITY』

■小沢仁志兄ィ還暦祝いの和製ノワール

(C)2022「BAD CITY」製作委員会

「顔面凶器」にして「Vシネの帝王」の異名を持つ兄ィこと小沢仁志。その還暦記念映画として製作されたのが本作『BAD CITY』だ。『東京無国籍少女』『ベイビーわるきゅーれ』シリーズのアクション監督を務めた園村健介監督による長編作品(もちろん本作もアクション監督兼任)であり、犯罪都市・開港市を舞台に特捜班・マフィア・財界が入り乱れる物語が進行する。

さすが還暦記念作品とあって小沢兄ィの気合いがハンパなく、企画・主演はもとより自ら脚本を書き上げ、撮影コーディネートまでこなしたという。しかもノーCG・ノースタントのガチンコアクションまで披露しているのだから驚かされる。

(C)2022「BAD CITY」製作委員会

特に韓国マフィア幹部・金数義(山口祥行)と繰り広げるクライマックスのファイトシーンは、燻し銀の魅力を超えて美学を感じるほど。演技なのか本気と書いてマジと読むタイプの対戦なのか、ガチンコならではの重厚かつスピーディーな肉弾戦は邦画アクション史に残るのではないだろうか。

要所要所にアクションが挿入されており、狭いマンション通路で大量の組織構成員に立ち向かう小沢兄ィの勢いはマイク・タイソンレベルの突進ぶり。また、終盤に用意されている特捜班チームの三元雅芸・坂ノ上茜vsTAK∴戦も手数が多くしっかり見応えがある。

アクションメインの作品だが、一癖も二癖もある役者陣の中でかたせ梨乃が担うドラマパートにも注目してほしい。

▶︎『BAD CITY』を観る

4:『ザ・レイド』

■血で血を洗う伝説的肉弾戦



ハリウッドリメイクが製作進行中の『ザ・レイド』は、日本でも2012年に公開されたギャレス・エヴァンス監督によるインドネシア映画。アクション史に残る作品であり、本作をきっかけに主演のイコ・ウワイス、ジョー・タスリム、ヤヤン・ルヒアンらがハリウッドに招かれ、J・J・エイブラムスに至っては『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』にウワイスとルヒアンを出演させたほどだ。

アクション史に残る映画となれば、さぞやスケールの大きい作品をイメージするかもしれない。しかし本作はひとつの高層アパートのみを舞台にし、狭い居住空間や廊下で壮絶な戦闘シーンを描き続けているのが特徴。インドネシアの格闘術・シラットを取り入れ、銃撃戦以上に激しい肉弾戦が大半を占める。

ストーリーも極めてシンプルで、麻薬組織を潰すために特殊部隊がアジトに突入。以上。

もちろんサブプロットも同時に進行するが、あくまでもメインはアクションと言わんばかりに延々と死闘が続き、なおかつしっかりと「痛み」を感じさせる格闘戦ばかり。演者もどんどん疲弊していくのが見て取れるのと同時に、観ているこちらまで疲弊してしまう。

とはいえ、生ぬるさを一切感じさせない本格アクションこそ本作を名作と呼ぶ要因であることは間違いないだろう。

5:『ブロークン・アロー』

■香港アクションの巨匠がハリウッドで本領発揮



香港ノワールアクションの傑作『男たちの挽歌』シリーズなど数々のヒット作で知られるジョン・ウーがハリウッドに招聘され、『ハード・ターゲット』に続いて製作したアクション大作『ブロークン・アロー』。ジョン・トラボルタとクリスチャン・スレーターを主演に迎え、核弾頭強奪事件をめぐって目まぐるしくストーリーが展開していく。

そもそもブロークン・アローとは、「核弾頭紛失」を意味する軍事コード。という架空の設定にすぎないのだが、劇中の「恐ろしいことです。核弾頭紛失も、そんな暗号があることも」というセリフが妙に説得力を高めている。

物語はふたりの空軍パイロット、ヘイル(スレーター)とディーキンス(トラボルタ)が核弾頭搭載のステルス戦闘機でテスト飛行に赴くも、ディーキンスが核弾頭を強奪。荒野に放り出されたヘイルはパークレンジャーのテリー(サマンサ・マシス)の協力のもと、核弾頭とディーキンスの行方を追う。

ストーリーとしてはシンプルだが、そこはジョン・ウー印。荒野のカーチェイス、地下坑道での銃撃戦、列車上のバトルとステージを変えながら繰り広げられるアクションは見応え抜群。残念ながらハトは出てこないが、もちろん2丁拳銃もある。

また、一見すると男臭い映画に思われるかもしれないが、テリーが序盤から「男性に守られる女性キャラ」とは正反対の行動力を見せてくれるのも見どころだ。

▶︎『ブロークン・アロー』を観る

まとめ

ひと言でアクションといっても、銃撃戦からカーチェイス、肉弾戦まで見せ方はさまざま。各作品にアクションの色があり、監督・俳優はもちろん、危険を伴うシーンを裏で支えるスタッフもいる。それだけ多くの力が集まって完成するアクションは、いつの時代も観客の胸を熱くさせ、高揚感をもたらしてくれるのだ。

近年の邦画アクションとしては『ベイビーわるきゅーれ』のスマッシュヒットが記憶に新しく、9月27日には第3弾『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の公開も控えている。今後どのような傑作アクション映画が話題になるのか、楽しみにしていたい。

(文:葦見川和哉)

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