「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」公開記念!名作青春バイオレンス映画3選

9月27日公開の『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』

阪元裕吾監督が手がける青春バイオレンスアクションの新たな傑作として、注目を集めています。

このシリーズは、殺し屋として生きる女子2人組のモラトリアムな日常と、彼女たちが繰り広げるハードなアクションのギャップで多くのファンを獲得してきました。

第3弾となる『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』は、シリーズの集大成ともいえる内容で、主人公たちが“史上最強の敵”と対峙し、激しいバトルが繰り広げられます。

主演の髙石あかり(杉本ちさと役)伊澤彩織(深川まひろ役)による軽妙な掛け合いや息の合ったアクションが大きな見どころ。

また、本作から池松壮亮が最強の一匹狼の殺し屋・冬村かえで役で参戦。

池松は冷酷さと情感を兼ね備えた演技で、主人公たちを圧倒する存在感を放ちます。
さらに、前田敦子が演じる先輩殺し屋・入鹿みなみも、シリーズ初参加。

彼女の姉御肌のキャラクターが、ちさと&まひろとどのように絡むのかも注目です。

阪元監督はこれまでインディーズ映画で独自のスタイルを確立してきましたが、このシリーズで商業的成功を収め、連続ドラマにも進出。

彼の持ち味である、ゆるい日常とガチすぎるアクションの対比が本作でも存分に発揮されています。

また、園村健介がアクション監督として参加していることもあり、バトルシーンはまさに映画ファン必見のクオリティです!!

【ストーリー】
本作では、殺し屋協会に所属するちさととまひろが、出張先の宮崎県でまたもや危険なミッションに挑むことになります。
ミッションをこなす一方で、誕生日のサプライズを考えるちさとの焦りがコミカルに描かれつつ、物語は一変。二人の前に立ちはだかるのは、150人殺しを目指す冷酷な殺し屋・冬村かえで。

圧倒的な力を持つかえでに追い詰められる中で、ちさととまひろは一体どのように切り抜けるのか、手に汗握る展開が待ち受けています。

【キャスト・スタッフ】
監督:阪元裕吾
アクション監督:園村健介

主演:髙石あかり(杉本ちさと役)、伊澤彩織(深川まひろ役)、池松壮亮(冬村かえで役)、前田敦子(入鹿みなみ役)

『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』は、青春の葛藤とバイオレンスをスリリングに描き出す一作で、今後もシリーズの発展が期待される作品です。

公式サイト
 
©2024「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」製作委員会

今回は『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の公開を記念して青春バイオレンス作品の名作を5つご紹介します。


愛と誠 (1974年、松竹)

©1974松竹株式会社

『愛と誠』は、1974年に松竹によって映画化された、梶原一騎原作の青春アクションドラマです。主演は西城秀樹早乙女愛が務め、激しい愛と暴力の狭間で揺れ動く若者たちの姿が描かれています。物語は、ヒロイン・早乙女愛(早乙女愛)と、彼女の命を幼少期に救った不良青年・太賀誠(西城秀樹)の運命的な再会から始まります。誠は愛を助けた際に顔に大きな傷を負い、その後の人生が狂い、両親も失いました。愛の贖罪の意図で、彼を東京の名門校へ転入させ、人生を立て直すように支援しますが、誠の怒りは学園を支配しようとする暴力的な行動へと発展します。

愛はそんな誠の姿を見て彼の救済を試みますが、誠は最終的に別の不良高校・花園実業へと転校してしまいます。物語はその後、愛や誠を取り巻くキャラクターたちが、暴力や権力との対峙を経て、愛と暴力の二律背反をテーマに進んでいきます。

©1974松竹株式会社

【登場人物とキャスト】
太賀誠(西城秀樹): 幼少期に愛を救ったことで額に傷を負い、暴力的な人生を歩む不良青年。学園内で暴力的な支配を試みるが、愛の献身に心を揺さぶられ、最終的には花園実業に転校。
早乙女愛(早乙女愛): ヒロインであり、裕福な家庭に育つ名門校の学生。誠への罪悪感から彼を救おうと努力し、学園での激動に巻き込まれる。
岩清水弘(仲雅美): 愛をひそかに愛し、誠と愛の関係を陰から支える優秀な学生。誠と対照的な存在として描かれ、愛への想いが物語の重要な要素となる。

【あらすじ】
物語は、信州で偶然出会った愛と誠が再会するところから始まります。幼少期に愛を救ったことで大きな傷を負った誠は、その後の人生で両親を失い、暴力的な生活を送っています。愛は彼を助けるため、彼を自分と同じ学校に転入させ、更生を試みますが、誠の怒りと暴力の連鎖は止まりません。誠が他の不良と対立し、次第に暴力的な支配者となっていく一方、愛は彼を救おうと奮闘します。

学園内での誠の暴力はエスカレートし、最終的には彼が花園実業に転校。そこで待ち受ける新たな敵との戦いが繰り広げられます。誠は暴力に飲み込まれながらも、愛の献身に心を動かされ、最後には彼女に想いを告げることができるようになります。しかし、幸福は長続きせず、誠は再び暴力の犠牲となり、物語は悲劇的な結末を迎えます。

【見どころ】
『愛と誠』は、激しいアクションシーンと感情のぶつかり合いが見事に融合した青春アクション映画です。西城秀樹の迫力ある演技や、早乙女愛の献身的な姿が印象的で、特に誠と愛の対照的な関係が物語の中心にあります。また、学園内外で繰り広げられる暴力的な対立や、若者たちの心理的な葛藤が深く描かれており、単なるアクション映画ではなく、青春映画としての深みを持った作品となっています。

暴力と愛、善と悪、自己犠牲と復讐というテーマが絡み合い、観客に強烈な印象を与える作品です。



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◆『愛と誠』を観る!

聖女伝説 (1985年、松竹)

©1985松竹株式会社

『聖女伝説』は、1985年に公開されたハードボイルド映画で、村川透監督による作品です。主演は郷ひろみ岩下志麻小野みゆき三船敏郎といった豪華キャストが揃い、政界や裏社会を背景に、愛と野望、裏切りが交錯する物語が描かれています。音楽はフランスの巨匠フランシス・レイが手がけ、作品全体に洗練された雰囲気を与えています。

【キャスト】
早瀬俊夫(郷ひろみ): 刑務所から出所し、裏社会での成功を目指す野心的な主人公。
王麗花(小野みゆき): ピアニストであり、俊夫が愛する女性。日本人と華僑の間に生まれた複雑な背景を持つ。
岡野(岩城滉一): 俊夫の刑務所仲間であり、債権回収の仕事を一緒に行う。
工藤(山田辰夫): 多恵子のかつての情夫であり、俊夫に対立するが後に舎弟となる。
森山(夏八木勲): 権利書を巡って俊夫たちに脅迫されるビルの所有者。
立花(成田三樹夫): 総会屋であり、多恵子や神崎との利害関係の中心人物。
神崎弘造(三船敏郎): 政界の黒幕として君臨し、俊夫と対峙する。
市川多恵子(岩下志麻): 銀座の高級クラブを経営し、政界の黒幕である神崎の支配下にある妖艶な女性。俊夫を利用しようとするが、彼女自身も野心に巻き込まれていく。

【あらすじ】
物語の中心となるのは、7年の刑務所生活を終えて出所してきた早瀬俊夫(郷ひろみ)。彼は刑務所仲間の岡野(岩城滉一)のもとを訪れ、債権回収の仕事を始めます。その途中、彼は銀座で高級クラブを経営する妖艶な女・市川多恵子(岩下志麻)と出会い、彼女との関係を深めます。多恵子のバックには、政界の黒幕神崎弘造(三船敏郎)が控えており、俊夫は彼女を利用し、裏社会での野望を達成しようと計画します。

俊夫は次第に裏社会の頂点へと昇り詰めていきますが、その過程で知り合ったピアニストの王麗花(小野みゆき)に心を奪われ、次第に彼女への愛情が深まっていきます。俊夫は野心を剥き出しにし、立花(成田三樹夫)を殺害し、神崎との権力争いに勝ち抜きますが、彼の成功は短命に終わります。麗花との関係は崩壊し、岡野からも見放された俊夫は、虚無的な日々を送るようになり、映画は彼の栄光と孤独、そして破滅を描いていきます。

©1985松竹株式会社

【見どころ】

『聖女伝説』は、80年代のバブル期の日本を背景に、愛と野望、裏切りと復讐が交錯する物語です。郷ひろみが演じる早瀬俊夫の野心と冷酷さは、彼の魅力を存分に引き出し、映画全体に強烈なエネルギーをもたらします。また、岩下志麻の演じる市川多恵子は、外見の美しさと内面の冷徹さを兼ね備えたキャラクターであり、俊夫との複雑な関係が映画の緊張感を高めています。

映画は、裏社会の抗争や権力争い、そしてそれに巻き込まれる人々の心理的な葛藤をリアルに描き、単なるバイオレンス映画にとどまらない深いテーマ性を持っています。村川透監督のダイナミックな演出とフランシス・レイの音楽が、映画に独特の雰囲気を加え、観る者を一気に物語に引き込みます。

映画全体を通して、主人公・俊夫の成功と破滅が描かれ、観客はその野心と孤独、そして彼が選んだ道の結末を目の当たりにします。



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◆『聖女伝説』を観る!

さらば愛しき人よ (1987年、松竹)

©1987松竹株式会社

『さらば愛しき人よ』は、1987年に公開された原田眞人監督によるアクション映画です。暴力団の世界を背景に、愛と暴力、裏切りの中で自らの運命に立ち向かう男の物語を描いています。主演は郷ひろみ石原真理子木村一八佐藤浩市といった豪華キャストが揃い、1980年代のアクション映画として日本映画界に強いインパクトを与えました。特に郷ひろみのシリアスな演技が注目され、彼の俳優としての一面を新たに見せる作品となっています。

【キャスト】
早坂修史(郷ひろみ): 暴力団「大東連合」の若手幹部。暴力と愛の狭間で苦しむ主人公。
海老沢ひとみ(石原真理子): 修史の幼馴染で初恋の相手。偶然の再会が物語の重要な転機となる。
福島哲夫(木村一八): 修史の弟分であり、常に彼を支える存在。
木内義政(佐藤浩市): 闘竜会の幹部で、兄の復讐に燃える危険な男。
石橋由美子(南條玲子): 修史の愛人であり、悲劇的な最期を迎えるホステス。
間柴秀一(嶋大輔): 木内義政に雇われたヒットマンで、修史に命を狙う。
新田実(高品格): 大東連合の会長で、修史に目をかける。
加東昭司(柄本明): 修史の兄貴分で、彼を快く思わない男。

【あらすじ】
物語は、早坂修史(郷ひろみ)が暴力団「大東連合」の若手幹部として登場するシーンから始まります。修史は、敵対する「闘竜会」の会長・木内剛三(安岡力也)の暗殺を試みるものの、最後の一撃をためらい命を助けます。この一件をきっかけに、修史の立場は危うくなり、兄貴分の加東昭司(柄本明)からは疎まれる存在に。

そんな中、修史はある結婚披露宴で、幼馴染で初恋の相手である海老沢ひとみ(石原真理子)と再会します。彼女との再会に心を揺さぶられながらも、修史は身の危険を感じ、愛人でホステスの石橋由美子(南條玲子)のマンションに隠れます。

一方で、木内剛三の弟である木内義政(佐藤浩市)が復讐を図り、ヒットマンの間柴秀一(嶋大輔)を修史に差し向けます。修史とひとみは間柴の襲撃を受け、一命を取り留めるものの、ひとみは視力を失い、愛人の由美子もまた間柴の拷問から逃れるために命を絶ちます。これにより修史は激怒し、弟分の福島哲夫(木村一八)と共に、大東連合と闘竜会が合同で開く発会式に殴り込みをかけ、クライマックスを迎えます。

【見どころ】
『さらば愛しき人よ』は、原田眞人監督のスタイリッシュな演出と、暴力団の抗争を通して描かれる愛と裏切りが際立つ作品です。特に修史の愛と暴力に引き裂かれる葛藤がドラマティックに描かれ、郷ひろみのシリアスな演技が大きな見どころとなっています。石原真理子演じるひとみとの再会が、物語に深い感情的な要素を加え、修史の運命を左右する重要なシーンとなっています。

また、原田監督らしい緻密な脚本と藤澤順一のカメラワーク、さらに中西俊博の音楽が作品全体に陰影を与え、観客を暴力団抗争の緊張感の中に引き込みます。暴力の描写だけでなく、修史が自らの過去や人間関係に向き合い、次第に破滅へと向かっていく心理描写が秀逸です。

『さらば愛しき人よ』は、単なるアクション映画ではなく、登場人物たちの複雑な人間模様が描かれた重厚なドラマです。1980年代の日本のアクション映画の中でも特に洗練された演出と演技が光る一作であり、暴力団の世界に生きる男たちの美学と破滅を描いた作品として、映画ファンから高く評価されています。

©1987松竹株式会社
◆『さらば愛しき人よ』を観る!

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