続・朝ドライフ

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2024年10月14日

『おむすび』朝ドラでカラオケ ハギャレン、浜崎あゆみを歌う【第11回】

『おむすび』朝ドラでカラオケ ハギャレン、浜崎あゆみを歌う【第11回】


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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。

平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。

ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第11回を紐解いていく。

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リサポンは何者?

結(橋本環奈)がギャルたちとつるんでいるところを目撃した陽太(菅生新樹)は気になってこっそり結の行動を追います。そこにリサポンこと柚木理沙(田村芽実)もいますが、陽太は、学校での彼女とはまったく違うビジュアルに戸惑って……。

駅では偶然を装って結に話しかける陽太。やってることが結の父・聖人(北村有起哉)と同じ。
門限ぎりぎりで帰宅した結に、聖人はまたくどくど叱ります。心配しているのはわかりますけれど、ちょっと表現を間違えちゃっています。救いは、永吉(松平健)佳代(宮崎美子)愛子(麻生久美子)がおおらかなこと。

永吉は相田みつをと知り合いとホラを吹き、聖人を苛立たせます。が、この永吉のやたらと誰か有名人と知り合いという嘘はたぶん伏線で、いつかほんとうに誰か有名人と知り合いであることが証明されるときがくることに1ペリカ。

聖人は口うるさいですが、彼の胸騒ぎは当たっていて、結はじょじょにはめを外していきます。
朱に交われば紅くなるという世の摂理。こうして人は身を持ち崩していくのです。これは大げさですが、ハギャレンの子たちがもし悪い子たちだったら大変なことになってしまいますから。

幸いハギャレンたちはいい子で、結は居心地が良くなって楽しみはじめていて、愛子はそれに気づいています。が、聖人は結は農家を継いでくれると思っていて……。
結も自然とそう思い込んでいましたが、ハギャレンたちは、それでいいのか問いかけます。第3週「夢って何なん?」(演出:野田雄介)のテーマです。

ハギャレンたちにはそれぞれ夢があります。リサポンはいつかギャルの本を書くのが夢(ギャルの歴史をノートにまとめていました)。カラオケでリサポンは浜崎あゆみの歌はギャルにとって救いだと自論を滔々と語ります。学校では真面目な姿をし、勉強もちゃんとできるリサポンは何者? カラオケもうまかった。田村芽実さんは元アイドルでミュージカルでも活躍しているだけあります。

自分は将来何になりたいのか、考えてもみなかった結。夢についてカラオケで話しているとついに門限を過ぎてしまいます。それをかばったのはーー陽太。でも彼から発された言葉はあまりに意外なものでした。

とってもほのぼのした展開で、祝日ののんびりした朝にはぴったり。3週経って、「おむすび」のほのぼのムードにもじょじょに慣れてきました。おそらく、ですが、東日本大震災がくるまで日本はそれほどピリピリしていなかったと思うんです。世紀末(1999年)に世界が終わらなくて、21世紀はとくにいいことがないにしてもそれなりに日々過ごしていた時期が2004年頃。じつは、静かに国力が低下していっていたわけですが……。だからギャルたちは浜崎あゆみの歌に救いを求めていたのでしょう。


(文:木俣冬)

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