「おむすび」天神が荒れる? 結の姉・歩の帰還に糸島ざわつく【第16回】
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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。
平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。
ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第16回を紐解いていく。
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姉妹の対立
「伝説のカリスマギャルの復活や こら天神が荒れるばい」(松原)
第4週「うちとお姉ちゃん」(演出:小野見知)のはじまり。突然ふらりと帰ってきた歩(仲里依紗)はギャルファッションではなく、清楚系ワンピースにカーディガンに黒髪ストレートでした。
そしてお土産はマカロン。「おすすめはピスタチオ」
すっかり洗練された都会っ子になったのでしょうか。
なぜ、急に帰って来たのか気になりながら、お父さん(北村有起哉)も愛子(麻生久美子)も腫れ物に触るように接することしかできません。
おじいちゃん(松平健)は誰かに追われて変装しているのではないかと推理します。
翌朝、起きてきた歩は結(橋本環奈)のお気に入りのキャラクターのTシャツとジャージを着て、そのまま商店街へ出かけていきます。
高校生の着るキャラTだけど、頭にサングラスを乗せた姿はなんだか様になっています。
さびれた商店街、変わってないなあと眺めていると、そこにいる人たちにバレそうになり、慌ててサングラスをかけます。誰かに追われているというよりは、糸島の人に気づかれたくないから変装しているのかもしれません。
でもたちまち、歩が帰ってきたことが街中に広まってしまい……。
学校でもすでに陽太(菅生新樹)が聞きつけていて。結は、りさぽん(田村芽実)に知られてはまずいと口止めしますが、松原先生(シソンヌ 長谷川忍)が大声でしゃべってしまいます。松原先生は第1話のときもそうでしたが個人情報をべらべらしゃべる困った人です。
当然、りさぽんはケータイでハギャレンに報告。
ハギャレンたちはさっそく米田家にやって来ます。なんで、りさぽんは、自転車必死で漕いで帰ってきた結より早く米田家に到着してるんだ?しかも着替えて。
でも歩は、ギャルなんてチョーダサいからやめなよと冷たい。
ハギャレン、ショック。
米田家の和室の上座に座っている歩は、キッズTシャツみたいなものを着ていながら、異様に貫禄があります。ギャルファッションでなくてもカリスマ感たっぷり。ギャルは心意気だという意味がわかる気がします。
一生懸命なハギャレンに対して、そんな言い方はないと結は憤ります。
真剣に言い合う姉と妹ですが、歩のTシャツがかわいいので、なんか真剣になりきれないものが……。
結が言う「神戸のこと」は阪神・淡路大震災のこととうっすらわかりますが、「真紀ちゃんのこと」とは何でしょうか。気になります。
ハギャレンたちが、自分たちのことを死ぬほど恥ずいと言われてショックであろうところ、突然の姉妹喧嘩の深刻さにすべてかっさらわれて、呆然となっている表情が印象的でした。
(文:木俣冬)
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