「おむすび」お好み焼きの次は寿司、今度は佳純(平祐奈)が来た【第42話】
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2024年9月30日より放送スタートしたNHK連続テレビ小説「おむすび」。
平成“ど真ん中”の、2004年(平成16年)。ヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)は、福岡・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々にほん弄されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを――。
青春時代を謳歌した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。ふたつの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく。」 はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事で巡りあった人たちのために。さらには、全国に住む私たちの幸せへと、その活動の範囲を広げていく。
ライター・木俣冬がおくる「続・朝ドライフ」。
今回は、第42回を紐解いていく。
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聖人、四ツ木の髪を切る
せっかくのデートを邪魔されて、家でのお好み焼きパーティーに参加させられた結(橋本環奈)と四ツ木(佐野勇斗)。歩(仲里依紗)は四ツ木を取り調べのごとく質問攻めにします。
「さすがに失礼やろ!」ととがめる結。自分も沙智(山本舞香)に対して同じことしていることに気づきません。米田家の人たちは不躾な性格のようです。良く言えば素直。
でも四ツ木は人がよく、いやだと思っていないようです。
歩の質問は、結婚にあたって問題はないか、結のことを心配しているのはわかります。何も知らずに結婚を決めたら、結があとから困ることになりますから。
気分転換にパーティーを開いたのに、なんだか気まずい空気ですが、歩は楽しんでいる様子。
食事のあと、聖人は四ツ木の髪を切ります。
坊主にするんじゃないかと思ったら、そうではなく。これからはただで髪を切ってあげると申し出る。それは、聖人なりの結婚を認める儀式でした。
この場面だけ見ると花嫁の父と夫になる男とのいい場面であります。
歩も聖人も気分転換できたかと思ったら、渡辺(緒形直人)が引っ越し祝いの野菜を返しにきて、気分がまた落ちてしまいました。アップダウン激しい。心臓に悪い。
花をつっかえし、野菜をつっかえし、渡辺、なんで、そんなに頑ななのでしょうか。黙って捨てればいいのに返すってことは、気持ちをわかってほしいのかもしれません。
人にはいろいろ事情があります。
お好み焼きの次は寿司パーティー?
佳純(平祐奈)が突然、結に、家に泊まらせてほしいと言い出します。
お泊りの御礼に寿司をごちそうする佳純。さすが病院のお嬢様。何不自由なく生きているように見えますが、佳純は父親との確執を抱えていました。
沙智はカウンセリングの模擬授業のとき、結に「患者の気持ちなんもわかってへん」と言っていました。長く入院した経験があるようです。もしかして、病気が理由で陸上を諦めたのかもしれないと森山(小手伸也)は推察。その森山には何かあるかーーといえば、学生時代演劇部にいたことがわかりました。
◯今日は、佳純役の平祐奈さんのコメントを掲載します。
佳澄と同郷なので、「関西ことばを役で喋れる、しかも朝ドラで!」と喜んだそうですよ。
Q1 出演が決まったときの気持ちは?
最初に聞いてから、撮影に入るまでの期間が長かったので、スケジュールや台本をもらうまでは、「私、本当に朝ドラに出られるのかな?」「撮影に入るまでに、私じゃない人になっちゃうんじゃないか…」とか、信じられずに半信半疑でした。準備稿をいただいてから、やっと実感がわいてきて、「あ、本当に出られるんだ」と思いました(笑)。
最初は、「主人公の専門学校の同級生役」という感じで、どんな役柄かを明確に聞いていませんでした。実際に台本を読んでみると、佳純は神戸のお嬢さん。バリバリの関西ことばを喋る人で、一度決めたら曲げないめちゃくちゃ芯の強い女の子という印象を受けました。私は、佳澄と同郷なので、「関西ことばを役で喋れる、しかも朝ドラで!」と喜びました。朝ドラは、東京制作と大阪制作がありますが、私は兵庫県出身なので、朝ドラに出るときは関西制作の朝ドラに出演したいなという気持ちもあったんです。ここで初めて携われることは、すごく嬉しかったです。
Q2 演じる役・湯上佳純について
佳純は、自分の家が代々医者の家系で、末っ子でもあるので、結構甘やかされて育っているけど、ちゃんと自分のやりたいこととか、意志がはっきりしています。お父さんに反対されても、ちゃんと反論したりして、自分の目標とか夢とかをちゃんと人に言える子なので、格好いいなと思います。
一度決めたら、そこに向かって行動を起こすとか、内に秘めている強い部分みたいなのは、共感できるところがありました。演じていて難しく感じたところも、あまりなかったと思います。
佳純も、本当に見た目は違うけど、マインドはギャルで頑張っていると思っています。自分が周りからどう見られようとちゃんと闘う子で、それが佳純の良さだと思うし、その意志の強さがギャルマインドなのかなと思います。
Q3 栄養士・食がテーマということについて
栄養士・管理栄養士さんは、祖母などが入院したときに出してくれていたお食事も全部計算して管理してくれているとか、スポーツをしている人の栄養管理をしてくれているとか、その人の体形・体質にあった食事を管理してくれている人という印象でした。
食べることはもともと好きで、食や栄養に関しても、結構気になる方ではありました。『おむすび』に出演してから、「これは、たんぱく質だな」とか、「ちょっと糖質が多いかな」とか、ごはんを食べるときに、やはり気にするようにはなりましたね。あと、1 日のとっていい摂取カロリーを考えて、「これはちょっと多いかも…」とか思ったり、自分の親にも「これ、あまり食べないほうがいいよ」とか言うようになりました。食に対する意識は、高くなっているかもしれません。
今回、管理栄養士を目指す役なので、佳純と同じように管理栄養士の学校に通っている友達に、「学校でどういうことしているの?」と、(撮影前に)聞いたりしていました。佳純自身が不器用で調理実習のシーンでは包丁も握ったこともない子だったので、友人の話を直接お芝居に活かすことは、あまりできませんでした(笑)。それでも、「あ、これ(友達が)言っていたな」と思うことはありました。
Q4 視聴者へのメッセージと見どころ
栄養専門学校編は、また個性豊かでパワフルなメンバーが集まっています。ハギャレンとはまた違ったグループになっていて、みんなが同じように、それぞれのギャルマインドを持っているんです。「おむすび」に出てくる登場人物みんながそうですけれど、何事にも”強い気持ち”って大事なんだなと思わせてくれます。
皆さんにも、誰かしらに共感してもらいながら、会話劇を楽しんでいただけたらなと思います。
平祐奈さん、佳純も「ギャルマインド」の持ち主と語っています。神戸編にはギャルがいないけれどマインドは踏襲しているようです。
(文:木俣冬)
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