ゴールデンウィーク暇つぶし特集第2弾:ゾンビ映画で“生き残れ”!

金曜映画ナビ

ゴールデンウィークもいよいよ中盤戦。

そろそろ遊び疲れた人も、どこにも行かず家でまったり過ごす人も、“刺激”を求めていないだろうか?

そんなあなたに贈るのが「ゾンビ映画」特集。

今回は、笑って、叫んで、震えて、考えさせられる、5本の個性派ゾンビ映画をピックアップ。

定番から異端まで、あなたの暇つぶしを“命がけ”に変えてくれるかもしれない一本を見つけよう。


『ゾンビ』(ダリオ・アルジェント監修版/1978年)

(C)1978 THE MKR GROUP INC. All Rights Reserved.

ゾンビ映画の金字塔とも言える、ジョージ・A・ロメロ監督による名作『Dawn of the Dead』。

その国際版にあたるのが、ホラー界の巨匠ダリオ・アルジェントが再編集・監修したこのバージョンだ。

物語の舞台はゾンビによって崩壊したアメリカ社会。

報道局員とSWAT隊員ら4人の男女が、ショッピングモールに立てこもって生き延びようとする姿を描く。

社会風刺の効いたストーリーと、ゴブリンによる不穏でクセになる音楽が絶妙にマッチ。

人間の欲望とゾンビの暴力が交錯する閉鎖空間は、現代にも通じるテーマを突きつけてくる。

“ゾンビ映画”の原点を味わうなら、まずはこの1本。

映画の枠を超え、カルチャーそのものを形作った伝説的作品だ。


『ゾンビ・リミット』(2013年)

(C)2013 CASTELAO PICTURES, S.L. AND RAMACO MEDIA I, INC.. ALL RIGHTS RESERVED.

スペイン発、“知的”ゾンビ映画の異色作。

感染拡大を防ぐワクチンの存在が人間社会の倫理を揺るがす、静かなサスペンスが展開される。

恋人同士のケイトとアレックス。

彼女はゾンビ感染者、通称“リターンド”をサポートする病院に勤務していた。

しかし、ゾンビ化を48時間抑えるワクチンが底をつこうとしているという噂が広がり、社会は分断と暴力に包まれていく。

二人は大量のワクチンを抱え、逃亡の旅へ。

だが、本当の恐怖はウイルスではなく、“人間”の中にあった――。

人間ドラマを中心に据え、ゾンビ映画の概念を覆すようなメッセージ性の高い一作。

誰を信じるべきか、何を守るべきか。

静かなる絶望が胸に迫る。


『ゾンビシャーク 感染鮫』(2015年)

(C)LOST ISLAND, LLC. 2014

「サメ映画×ゾンビ映画」という、B級好きにはたまらない最凶のミックス。

すべてが破綻しているのに、最後まで目が離せない“ゾンデミック”が今、幕を開ける。

舞台はレッドプラム島。

そこでは、負傷兵の治療研究のため、サメを使った細胞再生実験が行われていた。

だが失敗から生まれた“ゾンビシャーク”が研究所を破壊し、外洋へ脱出。

感染力の強いゾンビウイルスが広がり、海にはゾンビ鮫、陸にはゾンビ人間というカオス状態に!

登場人物はとにかく噛まれる、叫ぶ、走る。

CGのクオリティや脚本にツッコミどころは満載だが、それもまた魅力のひとつ。

頭を空っぽにして楽しみたい、究極の暇つぶし映画に最適だ。


『ゾンビ・プレジデント』(2020年)

(C)2020 Third Man Entertainment Co., Ltd. / Sky Films Entertainment Co., Ltd. /Lots Home Entertainment Co., Ltd. / Uni Connect Broadcast Production Co.,Ltd. / Greener Grass Culture Co., Ltd. / Across Films Inc. / Kaoh siung Film Fund All Rights Reserved

台湾発のホラーコメディ。

ゾンビ映画なのに、舞台はなんと国会議事堂。

政治とゾンビが融合した、異色中の異色作だ。

物語は、化学工場建設を巡って対立する立法院で、台湾総統が突然ゾンビ化するという衝撃のシーンから始まる。

議場はパニック、ウイルスは感染拡大。

そんな中、武術に長けた女性議員インインと、彼女に恋する新人議員ヨウウェイがゾンビの渦中から脱出を図る。

政治風刺とスプラッターが融合したユニークなトーン。

ゾンビでこんなに笑えるなんて…と思わず唸る。

国家が機能不全になった時、本当に頼れるのは誰か?というメッセージも感じられる、意外に奥深い一作。


『ゾンビ・サステナブル』(2022年)

(C)2021 WYRMWOOD PRODUCTION HOLDINGS PTY LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

最後に紹介するのは、オーストラリア発のハイテンション世紀末ゾンビアクション。

前作『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』と同じ世界観を持つスピンオフ的作品だ。

ゾンビが栄養源になるという衝撃の未来世界。

主人公リースは、暴君と化した軍の支配に反旗を翻した反乱軍の一員として、ゾンビウイルス治療の鍵となる少女を救出する任務に挑む。

銃撃戦、改造車、マッドマックス的ビジュアルが炸裂する中で、容赦ない戦闘と衝撃の展開が連続する。

社会崩壊後の倫理なき世界で、誰が正義で、誰が怪物なのか。

単なるゾンビ映画ではなく、怒りと暴力のエネルギーを全身で浴びる“ゾンビ・バイオレンス・アクション”だ。


ゾンビ映画が教えてくれるもの

ゾンビ映画というと、グロテスクで怖いだけと思う人も多いかもしれない。

しかし、それは誤解だ。

ゾンビというフィルターを通すことで、私たちは社会の在り方、人間の本質、愛、裏切り、連帯、恐怖、そして希望までも見ることができる。

たとえば『ゾンビ・リミット』が描くのは、“治療法が限られた感染症”という現実味ある恐怖。

『ゾンビ・プレジデント』は、政治不信やポピュリズムといった現代の病理を皮肉る。

『ゾンビシャーク』のようなB級作品ですら、人間が制御できない科学と暴走の危うさをユーモラスに伝えている。

そして、『ゾンビ・サステナブル』のような作品は、サバイバルの先にある“共生”や“希望”を問う。

つまり、ゾンビ映画とは“ただの怖い映画”ではなく、“人間の映画”なのだ。

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『ゾンビ』(ダリオ・アルジェント監修版/1978年)』
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『ゾンビ・リミット』(2013年)
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『ゾンビシャーク 感染鮫』(2015年) 
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『ゾンビ・サステナブル』(2022年)
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