映画コラム

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2017年10月17日

『バッド・ウェイヴ』は下ネタ満載の快作!全裸スケボーチェイスは必見!

『バッド・ウェイヴ』は下ネタ満載の快作!全裸スケボーチェイスは必見!



(C)2016 VENICE PL, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.



あの名作『ダイ・ハード』で一世を風靡したものの、最近では主演よりも脇役やカメオ出演などの活躍が増えていた、「世界一運の悪い男」こと、名優ブルース・ウィリス。

10月7日から彼の主演映画、『バッド・ウェイヴ』が公開されるということで、今回は本作を公開2日目で鑑賞してきた。迫力あるポスターデザインからは、銃撃戦主体のアクション映画の様に思えるのだが、果たしてその内容はどんな物だったのか?

予告編


ストーリー


カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のヴェニス。この町で探偵業を営むスティーブは、友人の頼みで凶暴なギャングのボス、 スパイダーに奪われた車を取り返しに行く。激しい銃撃戦の末、何とか車を奪還したスティーブだったが逆にスパイダーの恨みを買うことに。スパイダーに愛犬のバディを誘拐され、彼のアジトに向かったスティーブだったが、そこにバディの姿はない。何故かスパイダーから、麻薬と一緒に犬のバディまで持ち逃げした彼の妻の捜索を依頼されたスティーブは、早速調査に乗り出すのだが……


事件が事件を呼ぶ、下ネタ満載脱力系アクションの快作!


実は、いい意味で完全に裏切られた本作。いや、これは予想外の拾い物だった!

ポスターの印象からは、てっきり「RED」の様なアクション満載の映画だと思っていたのに、まさかこれが下ネタ満載コメディの快作だったとは!嬉しいことに、今回のブルースウィリスはカメオ出演ではなく、主人公である探偵事務所のボスとして登場。意外にも、ブルース・ウィリス単独主演作としては実に4年振りの作品なのだそうだ。

映画の冒頭、実は助手の方が主人公でブルース・ウィリスは特別出演のパターンか?と一瞬思わせるが、今回はガッツリ主役で大活躍してくれるので、大丈夫!

意外な俳優のカメオ出演も楽しみの一つだが、何と言っても本作の見所は、ブルース・ウィリスが見せる「過剰接待」とも言える大サービスっぷり!完全に「アキラ100%」状態で延々繰り拡げられる、前代未聞の全裸スケボーチェイスに始まり、女装や激しいSEXシーンまで披露する、彼のなりふり構わぬ熱演?には本当に笑わされる。



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その中でも、なんと『パルプ・フィクション』や『ダイ・ハード』の名シーンが、下ネタパロディ・バージョンで登場するのには驚いた!特に『ダイ・ハード』ラストでの、一発逆転のあのアイディアを、まさか平気でここまで下ネタに落とし込むとは!劇場で思わず絶句してしまうことは確実のこのシーン。ここだけでも劇場に足を運ぶ価値は充分にあるので、是非お見逃しなく!

その他にも、秋に日本でも公開される『ジャスティス・リーグ』でアクアマンを演じる、ジェイソン・モモアの筋肉男っぷりや、何故か最近はサイコ的な役柄が多かったジョン・キャンディが、本作でも奥さんとの離婚&財産分与問題で精神的に不安定になる、主人公の相棒を楽しそうに演じているのも、本作の魅力の一つだと言える。これらの魅力的なキャラクターが繰り広げる、予想のつかない泥沼の犯罪コメディ、それがこの映画『バッド・ウェイヴ』なのだ。



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とは言え、CGによる派手な爆発や銃撃戦など、ブルース・ウィリスの過去のヒット作の様な内容を期待する方には、少々物足りないかも知れない本作。

だが逆に言えば、現在のブルース・ウィリスの魅力を楽しむためには、本作こそ正に最良の作品だと言えるだろう。確かにアクション控えめとはいえ、依頼を受けて捜し当てた失踪人の女性と即SEXに走るなど、まだまだブルース・ウィリスの不良オヤジぶりは健在なのも、ファンには嬉しいところ。

例えば平日の午後、家で何気なくテレビを点けて本作が流れていたら、結構面白くて最後まで見てしまう感じ。そんなユルい遊び心こそが、本作最大の魅力と言えるだろう。果たして本作が、ブルース・ウィリスにとっての新たな人気シリーズとなるのか?是非とも今後の展開に期待したいところだ。



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最後に


お互いの利害関係や奇妙な友情?で結ばれた街の仲間との関係性など、どこかコメディ要素多めの時の松田優作主演ドラマ「探偵物語」や、映画「探偵はBARにいる」シリーズを思わせる本作。

実際、まだまだ事件に決着が着いていない状況で映画が終わってしまうという、続編への含みを持たせたラストには、「えーっ?」と思いながらも、この後の展開が非常に気になってしまう方が多いはず。

最近では映画だけでは無く、テレビシリーズ化での続編制作も可能なだけに、ここは是非とも何らかの形で続編制作を期待したいところだ。

今回、残念ながら公開規模が小さい本作。まずは一人でも多くの方々に劇場に足を運んで頂いて、この愛すべきキャラクターたちの再登場にご協力頂ければと思う。

(文:滝口アキラ)

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