ターミネーターの息子が主演する青春恋愛映画『ミッドナイト・サン』の見どころ

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11月8日から『ターミネーター:ニューフェイト』が公開されます。

ご存じ名作『ターミネーター2』の、これぞ真の続編映画!といったフレコミではありますが(個人的には以前作られた『ターミネーター3』も好きですけどね)、これはこれで結構ありといったプログラム・ピクチュアの快作に仕上がっています。

さて、『ターミネーター』シリーズといえばやはり主演のアーノルド・シュワルツェネッガー。現在72歳にしてアクションをこなすそのタフガイぶりには脱帽するばかりですが、そんな年齢ですから家族も普通にいます。息子もいます。

というわけで、今回はアーノルド・シュワルツェネッガーの息子パトリック・シュワルツェネッガーが主演した2018年度作品『ミッドナイト・サン~タイヨウのうた~』をご紹介。

アクション映画ではありません。青春ラブ・ストーリーであり、しかも何と2006年度に製作された日本映画『タイヨウのうた』のハリウッド・リメイクなのでした!

難病に侵された少女と
夢を諦めた少年の恋

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『ミッドナイト・サン~タイヨウのうた~』のヒロインは17歳のケイティ(ベラ・ソーン)。

紫外線を浴びると細胞内の遺伝子が損傷してしまうという、日本では15000人にひとり、アメリカでは25000人にひとりといわれる色素性乾皮症を患っている彼女は、昼間に外出することはほぼ不可能。

ただし理解のある父ジャック(ロブ・グリル)の許しを得て、夜のみ外出しては駅前でギターの弾き語りに興じるのを楽しみにしています。

そんなある夜、ケイティは隣人の青年チャーリー(パトリック・シュワルツェネッガー)と初めて言葉を交わします。

ケイティ自身はずっと昔からチャーリーのことを窓越しに見つめてきていましたが、彼もまた一目で彼女に惹かれていきます。

またたくまに相思相愛の間柄になっていくふたりですが、ケイティは自分の病気を内緒にし、あくまでも普通の女の子としてチャーリーと一緒にいることを望みます。

一方でチャーリーは高校水泳アスリートとして期待されながらも怪我で夢をあきらめてしまっており、その分ケイティへの愛にのめりこんでいきます。

果たして、夜しか会えないふたりの恋の行く先は……?

日本の恋愛映画を
ハリウッド・リメイク

最近のハリウッドでは『リング』などのジャパニーズ・ホラー映画をリメイクする傾向はあるものの、こうしたラブ・ストーリー(しかも小品佳作的なノリ)のリメイクとは、ちょっと珍しくも意外に感じられます。

ストーリー的に大幅な変更はないものの、父と娘の関係性などアメリカ映画ならではのカラリとした明るい要素を見いだせるのが、このハリウッド・リメイク版の大きな特徴ではあるでしょう。

そしてパトリック・シュワルツェネッガー。大スターの長男として生まれた彼は、2012年に映画初出演を果たし、本作が初主演映画となりましたが、父親のようなマッチョ感よりも若手スターならではのさわやかさやみずみずしさが印象的で、父親よりもイケメンではあるかなとも。

ヒロインを演じるベラ・ソーンもディスニー・チャンネルのドラマなどで全米の人気を得て出演映画やドラマも多数。最近では映画制作にも乗り出すなど意欲的な活動を続けており、日本でも今後の期待が寄せられている若手女優です。

監督のスコット・スピアーは本作に関して「夜しか外出できない現代版シンデレラ」といったテイストで演出に臨んだことを語っていますが、確かにどこかしらおとぎ話的な要素が、ともすれば難病映画としての重苦しい趣きを払拭させているのも間違いなく、またベラ・ゾーンが劇中で弾き語る歌曲の数々も大いに効果を上げています。

いずれにしましても、日本映画がこういった形で再生されていくのは歓迎したいところ。

主演ふたりの未来も含めて、ささやかに応援したくなる作品なのでした。

(文:増當竜也)

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ライタープロフィール

増當竜也

増當竜也

増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画レビュー・コーナー『戯画日誌』を連載中。近著に『映画よ憤怒の河を渉れ 映画監督佐藤純彌』(DU BOOKS刊)がある。

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