ハリウッドを凌駕するインド製スペクタクル!アクション!ロマンス!ファンタジー!史劇!(ミュージカルも!)『バーフバリ』!

■「キネマニア共和国」

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世界でも屈指の映画大国として知られるインド。何と40を越える言語で作られ続けるインド映画は近年マサラ・ムービーとも称され、日本でも劇場公開される機会も増え続けていますが、エンタテインメントとして徹底して観客に尽くすサービスぶりは、日本の映画界も大いに見習うべきものがあるでしょう。

そして今年、とんでもない超大作が日本にやってきました……。

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街vol.222》

スペクタクルあり、アクションあり、ロマンスあり、ファンタジックな要素もあり、インド映画として当然のミュージカル・シーンもありの史劇大作『バーフバリ 伝説誕生』。

もう最初から言っちゃいますが、映画を見て大いにエキサイトし、幸せに浸りたい人は必見!

あらゆるエンタメ要素を網羅したサービス精神満載の超大作

同作は、伝説の戦士バーフバリ(「強い腕を持つ男」を意味する名前)の波乱の生涯を描いたスペクタクル史劇です。

赤ん坊のときに村人に拾われ、勇ましい青年に育ったシヴドゥは、数奇な運命を経て、やがて自分が王国の王子バーフバリであることを知らされます。

かつて祖父が建国した王国の平和を揺るがす蛮族の侵攻と王位継承問題。

やがては祖父、父、息子の三代にわたる壮大な叙事詩として展開されていく前後篇二部作の前篇となる本作ですが、最初に述べた通り、これは単なる大河ドラマ的な史劇の域に留まりません。

合戦や決闘などのスペクタクル・アクションはもとより、陰謀劇の要素もあれば、主人公とヒロインの女戦士との恋の逢瀬を歌とダンスで魅せるミュージカル仕立ての演出などなど、これでもかといわんばかりにエンタテインメントの要素を詰め込みつつ、それでいてインド映画ならではの大らかな流れに身を委ねる心地よさに包まれる超大作なのです。

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活況を呈するアジア映画を象徴する驚異の快作

本作の監督は、ハエを主人公とした異色作『マッキー』(12)で世界的にその名をとどろかせたS.S.ラージャマウリ。今回はインド映画界最高とも言われる巨額の製作費と3年の月日を費やして完成させたもの。CGなどVFXはハリウッドのⅠ.L.M.など世界5か国16社に発注し、壮大な世界観を構築。またアクション・シーンには『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』などのスタント・チームが参加し、結果として従来のハリウッド映画ではお目にかかることのない大胆不敵でパワフルな映像世界が繰り広げられていきます。

主人公バーフバリに扮するプラバースは、インド映画スターらしく、むっちりマッチョな巨体を活かしながら、稀代の英雄を好演。またヒロインの女戦士アヴァンティカに扮するタマンナーの切れの良いアクションと「最も美しいインド人女優」第9位にランクインされるナチュラルな美貌も、観客を大いに魅了してくれること必至です。

インド映画歴代興収1位を記録し、全米公開でも初週は第9位とTOP10入りを果たす大ヒット。

現在、中国、韓国だけでなくアジア映画界は西洋に優るとも劣らずの活況を呈していますが、その中でインド映画も見逃し厳禁のものすごいことになっています。
(実はアジアの中で日本映画界だけが置いてけぼりをくらっているのではないか……)

とにもかくにも『バーフバリ』!
これは絶対観る側の期待を裏切りません!

何度も言いますが、映画ファンであろうがなかろうが、これは必見の快作です!

(嗚呼、早く後編を見たい!)

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(文:増當竜也)


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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