今年の「コナン」も見逃せない!「ゼロの執行人」の魅力を語る

(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

ついに今年もこの時期がやってきました! 4月13日(金)に『劇場版 名探偵コナン ゼロの執行人』が公開されました。

今回は、『純黒の悪夢(ナイトメア)』(2016)以来、2年ぶり2度目となる安室透がメインキャラクターの作品です。今作ではトリプルフェイスを持つ彼が、ときに悪者に、ときに正義にと立場を変えながら事件を解決する、スリリングな展開が楽しめます。

劇場版20作目にあたる『純黒の悪夢(ナイトメア)』では、目暮警部が「こんなときに組織の違いでいがみ合ってはならん」と公安に対して協力を申し出る場面がありましたが、今作はむしろ、組織や個人の「いがみ合い」から事件が起こることから、『純黒の悪夢(ナイトメア)』とは対になるような作品です。

今回の「シネマズ女子部」では、安室透を中心に、劇中で活躍するキャラクターをご紹介します。前作『から紅の恋歌(ラブレター)』で久しぶりに「コナン」の世界に戻ってきたという人も、この記事で予習をして最新作をチェックしていただきたいです!

『劇場版 名探偵コナン ゼロの執行人』注目キャラ

(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

安室透・降谷零・バーボン

トリプルフェイスとなると何と呼べば良いのか…、今回はコナンの「安室さん」呼びにあやかりたいと思います。

私立探偵である安室透は毛利小五郎の弟子で、喫茶ポアロでアルバイトをしています。蘭や少年探偵団とも面識がありますが、小五郎や、同じポアロで働く梓さんを含め、誰も安室の別の顔には気づいていません。

そして、公安警察での顔が降谷零。ちなみにこれが安室さんの本名です。安室さんの“ゼロ”というあだ名は、もちろん本名の零に関連していますが、公安のなかでも、警察庁警備局警備企画課、通称ゼロに所属していることにも由来しています。

さらに、黒ずくめの組織のメンバーとして、バーボンという3つ目の顔も。ベルモットと組んで活動することが多く、過去にはベルモットがポアロの梓さんに変装したこともありました。

コナンや灰原哀ちゃんは、安室さんのトリプルフェイスを知っています。逆に安室さんはコナンらの正体を知っているのか…今のところ明確にはわかりません。

今回は、公安警察としての安室さんがメインですが、私立探偵やバーボンとしての一面にも注目です。今作で、間違いなく彼の魅力に取り憑かれるはず!

風見裕也

『純黒の悪夢(ナイトメア)』で初めて登場した風見。警視庁公安部に所属する公安警察官で、降谷零の部下にあたります。『純黒の悪夢(ナイトメア)』を観る限りでは、安室さんと風見はもう少し近い関係性のように感じられましたが、今作で間柄がはっきりと映し出されています。

風見の人間性に触れる部分もありました。ちなみに、風見は原作デビューも果たしており、今後の展開にも欠かせない存在になりそうです。

とくに、<警察庁>の公安部に所属する安室(降谷零)と、風見が所属する<警視庁>の公安部とではどのような違いがあるのか、先に知っていたほうが二人の関係性がよりわかりやすいかもしれません。

毛利小五郎

言わずと知れた「眠りの小五郎」こと毛利小五郎。娘の蘭、居候のコナンと3人で暮らしていることは多くの人が知っているでしょう。

なんと今回、毛利小五郎はとある大きな事件の容疑者になってしまいます。
注目したいのは、探偵の部分よりも、父親、夫としての側面。小五郎好きには、今回の小五郎は少し物足りないかもしれませんが、久しぶりに家族に向ける顔を見ることができます。

黒田兵衛 (ひょうえ)

黒田兵衛は、初登場時は長野県警の捜査一課課長でした。今作では、『漆黒の追跡者(チェイサー)』(2009)で黒ずくめの組織の変装に使われた松本清長がかつてついていた、警視庁捜査一課の管理官のポストについています。そして、黒田管理官は東京サミットの会場が爆破されたところからクライマックスの部分にいたるまで登場しています。

そんな黒田は、黒ずくめの組織のナンバーツーである「ラム」ではないかという疑惑もありましたが…果たして!?

鑑賞した筆者も、なんとも言えないところ。これは今後の原作の展開に期待するしかありませんね。いずれにせよ、黒田管理官は覚えておくべき存在です。

映画オリジナル 羽場二三一(はば ふみかず)

映画オリジナルキャラクターとして、ゲスト声優の博多大吉さんが演じた役が羽場二三一です。重要なキャラクターですので、ここでは詳細は明かせませんが、今作でもっとも純粋に正義を追求した人物といえると思います。

「真実vs正義」という今作のテーマに、彼なりのひとつの答えを提示しています。登場シーンは決して多くはありませんが、いろんな伏線も絡んでくるキャラクターですのでお見逃しなく。

映画オリジナル 日下部誠(くさかべ まこと)

小五郎が容疑をかけられた際に、担当検事をしていたのが日下部です。敏腕検事として知られ、裁判では負け知らず。東京地検公安部に所属しています。

話が進むにつれ日下部は、警察庁と警視庁、検察庁それぞれの公安部のはざまで揺れ動くことになります。日下部にとっての“正義”はなにか、ぜひ注目してみてください。

原作にも登場するキャラクターは、安室さんをはじめ、まだ多く謎が残っている分、映画オリジナルで登場したキャラクターの方が、今作の「真実vs正義」はわかりやすく描かれています。作品の軸を掴むうえでは、羽場と日下部に注目すると謎解きもできるかもしれません!

ネタバレあり! 「ゼロの執行人」レビュー

(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

※ここからは存分にネタバレしますので、鑑賞後に読んでいただくのをおすすめします。

大きな組織が絡み合っていて複雑に感じられる部分もありましたが、筆者が今作で注目したのは2つ。メインキャラクターが今までにない「裏の顔」を見せていたことと、全体を通して社会的政治的な要素が含まれていたことです。

ゲスト声優の上戸彩さんが演じた弁護士の橘境子が「人には表の顔と裏の顔があるのよ」(意訳)と話している部分がありますが、今作では、メインキャラクターそれぞれが「裏の顔」を見せているように思います。

たとえばコナンは、「小五郎のおっちゃん」が送検されたことによって感情をむき出しにする部分がありました。“八つ当たり”のような形で言葉を発するコナンをみて、驚いた人も多かったのではないでしょうか。

小五郎は、今回は事件の捜査や推理には一切関わっていません。それによって、ほかの作品に比べて家族へ向ける一面がより際立っていました。蘭も、空手の強さと、そこからくる前向きな姿勢を今回は封印して、涙する場面も多かったです。蘭の母である妃英理も、負けなしの敏腕弁護士として力を遺憾無く発揮するタイプですが、今回は控えめだったのではないでしょうか。

さらには、高木刑事もベンチに座って俯き加減にコナンに思いを吐露し、持ち前の決断力でいざという時に頼りになる目暮警部も「何かおかしい、何かひっかかる」と曖昧なことを話す部分がありました。

(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

“裏の顔”というほどではないかもしれませんが、コナンを観た事がある人にとって親しみのあるキャラクターたちの、意外な部分が浮き彫りになっていたのは、作品のテーマとして掲げられた「真実vs正義」につながる部分だったはずです。

さらに、作品全体を通じて社会的かつ政治的な側面もありました。

東京サミットの会場が爆破されることに始まり、盗聴器を仕掛けられたことに気づかない風見からは、公安警察の脇の甘さを感じ取ることができます。さらに、探査機が落下しているなかで内閣の閣僚が集まっても解決策を打ち出すことができず、決断できない様子や、警察も民間人を前にして具体的な措置が取れず、落下を待つことしかできない様子が描かれました。

それらを踏まえると、作品のなかでキーワードになっていた「探査機」や「IoT(Internet of Things)テロ」は、現代社会においての具体例を想起させるものでした。

さらには、クライマックスの犯人を追い詰める場面で、コナンが羽場のライブ映像を映したときに見えた、スマホの通信の規格を表す表示が「5G」だったことも気になりました。日本や世界のそれほど遠くない未来への危機感を描こうとしたのかもしれません。

時代に合わせてストーリーのテイストが変化したり、FBIやCIAなど実在する組織も登場するため「名探偵コナン」はかねてから現実的な部分もありますが、これまではあくまでコナンの世界で完結するストーリーでした。

(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

コナンと安室さん、そして探査機の落下を防いだ少年探偵団が現実社会とリンクして、希望の象徴として描かれていたのはこれまでと大きく違っている部分ではないでしょうか。

これまでにない側面を描きながらも、ドが付くエンタメ作品として存分に楽しめたのはこれまでのコナンの人気、そして観客との信頼関係があるからこそ。劇場版22作目にしてコナンの新機軸を打ち出した作品になっているはずです。

(文:kamito努)

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    ライタープロフィール

    kamito努

    kamito努

    1995年生まれ、現役大学生。京都在住で、フリーランスライターです。 もともと邦画が好きで、話題作はもちろん、ミニシアターへも足を運んでいますが、 最近は洋画も多数鑑賞します。ともに音楽系の映画が好きです! かなりミーハーなので王道は欠かさずチェックしています!

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