まもなく年の瀬。すぐに正月を迎え新しい年がスタートします。寒さに強い人も苦手な人もいらっしゃるかと思います。そんな寒い季節を吹っ飛ばす熱い映画『クリード　チャンプを継ぐ男』をご紹介します。

(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

父親を知らない男がプロボクサーを目指す！

主人公アドニス・ジョンソン（通称ドニー）。彼が生まれる前に父親はボクシングの試合で死亡したため父親を映像でしか知りません。彼はそのためプロボクサーを目指しながら、父親について知ろうとするのです。

才能はあるものの、独学で戦ってきたため正しいトレーニングや試合運び、戦術などを知りません。まさに原石なのです。

そんな彼が父親の親友にしてかつてのライバルをトレーナーに選び、教えを請うのですがなかなか「ハイ」といってくれません。しかし、ドニーの中にかつての友と魂を見たトレーナーは彼に教えてくれることになります。ドニーも彼のことを「オジ」と呼び慕います。

良きトレーナーのもと原石は見事に磨き上がっていきます。しかし、父親の姓は伏せたまま。この辺り、「自分の実力を世に証明したい！」「親の七光りと思われたくない！」という彼の若さが感じられます。またひたむきに練習に励む彼を応援したくなることでしょう。

原石が磨かれていくとき、どんな光を放つか楽しみになります。才能を育てていくときもそのような感じです。世代によって違うでしょうが、自分が育てたものが成長してく過程はとてもわくわくします。



(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

生きることは戦い、生きて行く限り戦いは続

練習と努力、戦績が実ったことと、父親の名からチャンプから挑戦状を受けます。

挑戦を受ける頃、トレーナーは体に異変に気がつき、トレーニング中に倒れてしまいます。彼は自分の周りの人間が病死しているのを見ていることから、死を受け入れ治療も拒否します。

しかし、トレーナーの病気を知ったドニーが「一緒に戦おう、生きることは戦い」と説得するのです。死を受け入れようとしていたトレーナーも彼の説得を受け、まだまだ戦おうと決意するのですが、このあたりの２人の関係性や絆がとても感動的で涙を誘います。

そしてチャンプ戦。もちろんボクシング映画なのでファイトシーンは熱いのですが、終盤でドニーが一度失神し、そこで走馬灯のようにこれまでのことが彼の脳裏を駆け巡ります。このシーンで使われる音楽や、走馬灯のような演出、そして立ち上がるところがめちゃくちゃシビれます！最大の見所であり、最大の見せ場です。

最後にどんな試合の結果になるか、これは実際にご覧いただくことにして。主人公とトレーナーの友情や絆、不屈の精神、実力差のある相手とのバトルなど熱い展開がこれでもか！ってくらい盛り込まれています。

冬の寒さが吹き飛ぶような熱い映画。冬休みに見るのにはピッタリです。ぜひ劇場でお楽しみください。


(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

実はロッキーシリーズ新章

この『クリード チャンプを継ぐ男』、実はあの名作『ロッキー』の７作目に当たります。しかし、主人公のドニーは彼の父親やロッキーの過去を知りませんでした。

今回はそれを探っていく映画、つまり『ロッキー』を見ていなくても主人公と一緒に過去を知っていくことができるとても親切な映画なのです。

ストーリー的に混乱を起こすことはありません。誰と見ても楽しめる映画でもあります。

ご家族とでも、恋人とでも、友人とでも、もちろんお一人でも、この冬最高に熱い映画『クリード チャンプを継ぐ男』を是非ご堪能ください。



(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.


(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
（文：波江智）