『ドラゴン・ガール』は最強格闘技シラット版『ちはやふる』&「glee/グリー」!

今回は普段と内容を変更して、劇場公開中の新作映画では無く、旧作を紹介することにしよう。
その映画とは、2015年にDVDリリースされた未公開アクション映画、『ドラゴン・ガール』だ。
ドラゴン・ガール [DVD]

ブルネイ初の国際的長編映画にして、ブルネイ初の女性監督シティ・カマルディンによるアクション映画。しかも最強格闘技シラットを扱った作品でありながら、恋する女の子が高校のシラット部に入部して優勝を目指す!という、王道の青春映画でもある本作。

日本で例えるなら、格闘技版『ちはやふる』、アメリカで例えれば、格闘技版『ピッチ・パーフェクト』或いは「glee/グリー」と言ったところ。

実は本作を知ったのは、今年3月31日に行われた国際交流基金アジアセンター主催の、『ドラゴン・ガール』無料上映&監督トークショーがきっかけだった。日本でのビデオリリースから2年後に、監督を呼んでの上映会が開催されたこの『ドラゴン・ガール』。果たしてその内容と出来はどうだったのか?

予告編

ストーリー

厳格な父に男手ひとつで育てられた自由奔放な女子高生ヤスミン。ある日、初恋の相手アディがシラット(東南アジア発祥の伝統武術)国際大会で優勝し、町に帰ってくる。しかし、私立のシラット部の女子チャンピオンであるデヴィがアディに急接近していく。アディを振り向かせたいヤスミンは、公立学校の弱小シラット部に入部、3週間後のシラット大会にエントリーを果たす。部員三人、コーチも頼りない状況の中、はたしてヤスミンは大会でライバルを倒し憧れの彼を振り向かせることはできるのか。

高校のシラット部で恋のライバルと対決!恋する女の子が闘う姿に燃える!

『ザ・レイド』シリーズで、日本のアクション映画ファンに強烈な印象を残した、東南アジア発祥の最強格闘技「シラット」!

まさか高校にシラット部があること自体が日本人には驚きだが、主人公のヤスミンが憧れの彼氏のためにシラット部に入部するという設定のお蔭で、普段アクションに馴染みの薄い女性でも、無理なく作品世界に入れる様になっている本作。

ヤスミンが入部するシラット部の寄せ集め?メンバーの中には、明らかに運動に不向きな太目の女の子もいれば、肝心の顧問の先生もあまり頼りにはなりそうもなかったり・・・。正直この辺の展開は、人気海外ドラマ「glee/グリー」を思わせるし、主人公の成長と熱意には日本の「ちはやふる」を思い出す方も多いはずだ。

恋のライバルである、私立校シラット部のデヴィもクールな美形ながら、試合シーンで見せる手抜き無しのガチンコ勝負は真剣そのもの!

何とか3名部員を集め、シラットの地区予選に臨むヤスミンたち。当初は恋愛メインの不純?な動機で始めたヤスミンだったが、自身の父の過去の因縁や、周囲の人々のシラットへの熱い思いに触れることで、徐々にシラットの素晴らしさに目覚めて行く。

途中、ヤスミンの恋が進展したお蔭で、シラットへの情熱と感心が薄れてしまったり、恋のライバルであるデヴィに勝利出来る危険な技を習得するため、「闇の武術家」と呼ばれる危険人物に弟子入りするなど、様々な困難やトラブルを乗り越えて、ついに迎えた地区予選決勝。

今や恋愛以上に大切な物=仲間や家族との絆に気が付いたヤスミンと、ライバルであるデヴィとの宿命の対決の時が遂に来た!

ヤスミンは勝利のため、危険な技に手を出してしまうのか?そして、彼女の恋の行方は?

その結果は、是非後自身の目でご確認を!

最後に

青春ドラマと最強格闘技シラット、更に主演が可愛い十代の女の子で、恋愛が絡む。しかも本作の監督は女性!

一見食い合わせが悪そうで、下手な監督ならグダグダになって終わりそうなこれらの要素が、本作では無名のキャストの優れた演技に助けられ、見事に調和している。そう、ラストの感動は、まるであの『ベスト・キッド』級!

ヤスミンのシラット部への入部に断固として反対する父親と、闇の武術家との過去の因縁など、どことなく『スターウォーズ』までも思い出させる本作は、普段この手の格闘技アクション映画に触れていない女性の方にこそ、是非見て頂きたい作品だ。

そこには恋愛のヒントや友情の大切さ、外見・体型による差別・偏見を跳ね返す勇気など、人生に迷った時の指針となる要素が一杯詰まっている。仕事や恋愛に迷ったあなたに、きっとヒントや勇気を与えてくれる映画、それがこの『ドラゴン・ガール』なのだ!

休日のレンタルに困った時や、狙った新作が貸し出し中の時には、是非本作をご覧になることをオススメします。

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(文:滝口アキラ)

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    ライタープロフィール

    滝口アキラ

    滝口アキラ

    滝口アキラ 映画ライターにしてブルース・リー研究家。主な著書に、「ブルースリー超全集」「俺たちのジャッキーチェン」「俺たちの007」などがある。映画のコミカライズや、日本オリジナル映画主題歌などの、「失われた映画カルチャー」にも造詣が深く、TBSラジオ「ウイークエンドシャッフル」へのゲスト出演、今関あきよし監督作品への声優出演、更には「実際に映画に出演する映画ライター」として、現在「毎月1本必ず映画に出る」をノルマに活動中。その抜群の企画力と、交友関係の広さには定評がある。

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