“忠臣蔵”の世界をワールドワイドな視点で 見事に蘇らせた紀里谷和明監督の『ラスト・ナイツ』

“忠臣蔵”は決して古臭い題材ではない!

ラストナイツ
現在、なかなか日本では”忠臣蔵”の映画化は企画が通りません。かつては映画会社各社がその力を誇示するために毎年のように競い合って作られていたものですが、映画が斜陽になった1960年代後半から一気に作られなくなり、結局一番最後の映画化が『四十七人の刺客』(94)ですから、もう20年以上作られていない計算になります。

映画業界のお偉方に言わせると、もう古臭い題材なのだそうです。しかし、それは製作サイドの怠慢ではないかと腹が立つことがあるのも事実で、現に紀里谷監督がこうして新たな形で“忠臣蔵”を世界に向けて見事に発信させているわけですから、要はやり方次第であろうと。

まあ、そういった日本の映画界などとうの昔に見切りをつけて、絶えず世界に目を向けながらのスケールの大きい映画制作を続ける紀里谷監督のような映画人の姿勢こそ、今もっとも求められているものであることは間違いありません。彼の次回作も、また楽しみにしたいものです。

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(文:増當竜也)
映画『ラスト・ナイツ』は2015年11月14日(土)全国ロードショー!
公式サイト http://lastknights.jp/


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画レビュー・コーナー『戯画日誌』を連載中。近著に『映画よ憤怒の河を渉れ 映画監督佐藤純彌』(DU BOOKS刊)がある。

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