『ラストレター』レビュー:『Love Letter』に感銘を受けた大人も未見の若者も必見の岩井俊二映画ベスト盤!

(C)2020「ラストレター」製作委員会 

透明なロマンティシズムに裏打ちされながら青春の繊細な光と闇を優しくも厳しく描出し続ける映像作家・岩井俊二監督。

彼の作品群でもっともポピユラーなのは、中山美穂主演の1995年作品『Love Letter』かなとは思われます。

そしておよそ四半世紀経った2020年、あたかも『Love Letter』を彷彿させられつつも、さらなる意欲で臨んだ珠玉のラブストーリーが、岩井監督自身のメガホンで世に放たれました……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街432》

その名も『ラストレター』。

25年前の若き日に『Love Letter』を見て感銘を受けた今の大人たちに、そしてこれから大人になろうとする若者たちに向けて発せられた必見の秀作なのです。

亡き姉と間違えられた妹が
始める不可思議な文通

『ラストレター』はある夏の日、一人の女性・未咲の葬儀から始まります。

妹の裕里(松たか子)はそのとき、若き日の未咲の面影を残す忘れ形見の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての高校同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を知らされました。

姉の死を伝えるために同窓会の会場へ赴いた裕里でしたが、何とそこで姉と間違えられてしまい、ついにはスピーチまでさせられる始末。

実は未咲と同じ高校に通っていた裕里は、そこで初恋の先輩・鏡史郎(福山雅治)にも再会しますが、彼からも姉と勘違いされ、まもなくして手紙が寄せられてしまいます。

思わず裕里は未咲のふりをして返事を出し、かくして両者の不可思議な文通が始まるのですが、その中の1通を鮎美が受け取ったことで、裕里の娘・颯香(森七菜)と一緒に興味本位で、未咲のふりをして鏡史郎に返事を出したことから、さらに事態は錯綜し始めていきます。

しかし、それは同時に高校時代の未咲(広瀬すず)と裕里(森七菜)、そして鏡史郎(神木隆之介)との関係性を改めて切なくもノスタルジックに思い起こしていくことになっていくのでした……。


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画レビュー・コーナー『戯画日誌』を連載中。近著に『映画よ憤怒の河を渉れ 映画監督佐藤純彌』(DU BOOKS刊)がある。

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