実写映画版『斉木楠雄のΨ難』はこうして生まれた!福田雄一監督インタビュー

斉木楠雄のѰ難

(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会

10月21日公開の『斉木楠雄のΨ難』(以下、『斉木』)は、「週間少年ジャンプ」に連載中の同名コミックの実写映画化作品です。大ヒットを遂げた『銀魂』の福田雄一監督の最新作が早くも公開ということで大期待をしていましたが、いやはや、これがもう完璧と言える素晴らしい内容でした!

間違いなく言えることは、キャスト陣が最高だということ! 山﨑賢人が“無表情でツッコミを入れる”主人公にバッチリはまっていたり、新井浩文が38歳にして頭空っぽな高校生を超自然に演じていたり(見た目も完璧)、『銀魂』で限界突破したように見えた橋本環奈がもはや異次元の領域に達したウザキャラを熱演、いや怪演していたりするのですから! こんなのお腹を抱えて笑うよ!

他にも吉沢亮が全力で中二病なキャラになっていたり、笠原秀幸が熱血バカに扮していたり、賀来賢人がマジメな見た目でも不良の血が騒ぐやべーやつになっていたりと……マンガの実写化作品は批判の目にさらされることもままありますが、これは原作マンガのファンも大納得&大爆笑なのではないでしょうか。あと山﨑賢人のお母さん役を演じた内田有紀(41歳)がめっちゃかわいい! 豪華キャストの全員が楽しそうに演じられていたので、誰もが笑顔になれるでしょう。

さらには、福田雄一監督の“ゆるい”ギャグセンスと、原作マンガとの相性も抜群だったりするのです! なぜ福田監督が本作を手がけることになり、どのような精神を持って製作に臨んだのか? インタビューをお届けします!

1:企画の発端は「中身のないギャグ映画を作る」ことだった!

──「笑いしかない、中身のないギャグ映画をそろそろ日本でも作ってもいいんじゃないか」という福田雄一監督の信念の元に企画がスタートした、ということに感動しました!

福田雄一監督(以下、福田):それはずーっと言っていることですね。ただ、その中身のないギャグ映画を撮るための環境がなかなか整わない、というジレンマもあったんです。そのため、今年の7月に公開された『銀魂』という大きな映画の撮影の後に、『斉木』を手がけるというのは、良い流れを感じていました。今をときめく山﨑賢人くんが、真ん中に座ってくれることにも大きな意味がある、と実感していましたね。

──メジャーなマンガ作品と、山﨑賢人さんというスター俳優がいてこそ、福田雄一監督の望んでいた「中身のないギャグ映画」に着手できた、ということでしょうか。

福田:そうですね。やはり主演俳優はすごく大事だと思うんです。ギャグ映画をいわゆるB級のものとして宣伝するよりも、メジャー感を出して「ちゃんとバカやっていますよ」ってわかったほうが観やすいですからね。やはり賢人くんの存在はすごく大きいです。

また、直前に公開された『銀魂』を外したら目も当てられない、がんばらないとダメだろうというプレッシャーもありましたので、本当に『銀魂』がヒットしてくれてよかったです。『銀魂』を観てくれたお客さんが、『斉木』も観てくれるんじゃないかな、と期待をしています。

2:橋本環奈が『銀魂』を超えた理由はこれだ!

斉木楠雄のѰ難 場面1

(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会

──『銀魂』での橋本環奈さんの演技がすごすぎると思っていたら、それをさらに超えるすさまじさで驚きました!

福田:(声を大にして)ええ! 本当にそうなんですよ! 『銀魂』の取材のときも「神楽(ヒロイン)の演技がすごかったですね」ってみんなが言ってくるので、いつも「そういう目で見ていると『斉木楠雄』で度肝を抜かれますよ!」と返しています。『銀魂』のカンカン(橋本環奈)は、『斉木』に比べたらぜんぜん甘いですね。

実は、カンカンも僕も『銀魂』が終わってすぐに『斉木』に取り掛かっているんですよ。あの演技のすぐ後だから、カンカンは「面白いことをする」という点において超ノリノリなわけです。今回は“心の声のナレーション”のシーンが多いのですが、その時には何かのリミッターが外れていましたね(笑)。たぶん、今『斉木』と同じ演技をしてくれって言っても、あのぶっ飛んだテンションではできないと思いますよ。

映画本編では他にも面白いキャラがいっぱい出てくるのですが、カンカン演じる照橋心美が、最も「早く出てこないかなー」って思えるキャラになっていると思います。原作でも面白い照橋さんが、さらに超面白くなっていることに期待してください。

3:実写映画『斉木』が誕生したのは、福田監督の妻と息子のおかげだった!

──主演の山﨑賢人さんのキャスティングは、どのようにして決まったのでしょうか。

福田:実は、賢人くんの存在を知ったのは妻のおかげなんです。僕はテレビや映画をあまり観るほうではなく、俳優さんを知る機会が少ないので、妻からよくキャスティングのヒントをもらっているんですよ。

今から4年ほど前、『水球ヤンキース』というドラマを妻に観させられました。僕みたいなオッサンが観るようなドラマじゃないのですが、僕の大好きな吉沢亮くんも出ているから観てみようかと。そこで、たまたま賢人くんの演技を見てすごく好感を持った、ということがきっかけになっています。

つまり、賢人くんを主演に迎えられたのは妻のおかげなのですが、実は『斉木』というマンガを知ることができたのも僕の家族、息子のおかげなんです。

──と言いますと?

福田:息子の本棚には基本的に『ワンピース』ばかりが揃っているのですが、珍しくそれ以外のマンガが5巻まで本棚にあるな、と思っていたら、それが『斉木』だったんです。

タイトルが面白いなと思って『斉木』の1巻を読んだら、その中身も面白くてハマってしまいました。普通の少年マンガだったら「バビル2世」みたいにサイコキネシスを使ってどんどん敵をやっつけていくのに、『斉木』の主人公は超能力を持っているがゆえに自分の人生がめちゃくちゃだって言っている。そこもすごく面白かったですね。

そこから、山﨑賢人が大好きな嫁の意見とも合致して、山﨑賢人主演で『斉木』の実写をやりたいと、いろいろなプロデューサーに話をしに行ったんです。今では大人気のマンガですが、その頃はプロデューサー陣があまり『斉木』を知らなかったので、説明に苦労したところもありましたね。息子からもらった原作と、嫁からもらったキャスティングのおかげで、実写映画版『斉木』が生まれたことに、大いに喜びを感じています。

4:“学園祭の1日”に原作マンガのギャグを詰め込んでいた!

斉木楠雄のѰ難 場面2

(C)麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会

──原作マンガのギャグの再現度が素晴らしかったです! そのギャグの数々を、“学園祭の1日”で展開するのは、どのようなアイデアで生まれたのでしょうか。

福田:原作の面白いギャグをできるだけ拾うために、そのページに付箋を貼っていたんですよ。原作の12巻くらいまでをすべて読み、付箋を貼ってから、この面白いギャグをすべて包括できる1つの話はないかな、と考えました。そこで「そうだ、学園祭だ!」って思いつきましたね。

──新井浩文さん演じる燃堂力が超早く走る(歩く)シーン、背景がどう見ても“合成”であることも、福田雄一監督らしくて大好きでした。

福田:『銀魂』ではCGなどでかなりがんばっちゃったので、意図的に演出も“ギャグモード”にシフトチェンジをしたところがあります。『銀魂』のようにお金をかけて、シリアスもあるというノリでやっていたら、たぶん『斉木』はつまらなくなっちゃうと思うんです。ここは、僕がよく言われている“ゆるい”スタンスでやろうと。「予算そんなにないんです」っていう感じでやったほうが、観る側も構えなくていいんじゃないかと考えて製作していましたね。

──原作マンガのギャグと、福田雄一監督がおっしゃった“ゆるさ”との相性がものすごく良かったと感じました。

福田:『斉木』は自分が読んだ時に、声に出して笑ったというのが大きいですね。逆に言えば、自分が読んで笑えないものは実写化しろって言われても難しい、笑えないものは自分が実写化しないほうがいいと考えてます。『銀魂』も大笑いして読んでいたからこそ、実写化できたというところがありますね。

5:福田監督が語るキャストの魅力!現場では本当に楽しそうだった!

──中二病キャラ“海藤瞬”を演じていた、吉沢亮さんの印象はどのようなものでしたか?

福田:亮くんはよほど演じていて楽しかったのか、『斉木』のインタビューでは他の作品の時よりたくさんしゃべってくれるそうです(笑)。自分でやりきった感じがしているんでしょうね。

──ビジュアルの時点で大反響だった、燃堂力を演じていた新井浩文さんはいかがでしたか?

新井くんは『斉木』の撮影に入った時から、毎日のように「楽しい」と言っていましたね(笑)。しかも「やっぱり福田さんはこれくらいの規模のほうが合ってるよ」とも言われました。

また、僕は「燃堂は絶対に新井くんでやる!」って思っていたのですが、彼はそれ以上なんですよ。毎週月曜の朝に少年ジャンプを買いに行こうってツイートするくらいジャンプ好きで、燃堂の役を提案したら「絶対にやる!」って譲らない(笑)。「燃堂を演じられるのは俺しかいねえ」とすら思っていたんじゃないですかね。

──熱血バカの灰呂杵志役の笠原秀幸さんの演技はどうでしたか?

福田:笠原くんは本当にバカですから、演出の必要がありませんでした(笑)。素の笠原くんで演じれば、もう灰呂ができるって感じですね。本人もバカを売りにしているので、これでいいんじゃないでしょうか。

──元ヤンの窪谷須亜蓮役の賀来賢人さんは?

福田:あの子も、もうあれでいいです(笑)。演出で縛りつけていいことなんてないので、野放しですね。それで、いい演技をしてくれました。

──最後に、主演の山﨑賢人さんはいかがですか?

福田:演技が良かったのはもちろんですが、このピンクのカツラをカブってもOKなのは賢人くん以外にはいない気がします(笑)。この前の舞台挨拶でも、このピンクの髪は圧倒的に目立っていたのですが、賢人くんならあまり違和感ない。本当に彼を主演に迎えてよかったです!

そうそう、僕が原作で最も笑ったことの1つは、蝶野雨緑(ムロツヨシ)がマジックの時に言った「あ、ちょまっ」なんです。ムロさんがとても面白い言い方をしているので、ご期待ください。

原作マンガと監督が最高の相性の良さを見せ、完璧を越えた最高のキャスティングがされた『斉木楠雄のΨ難』は本日10月21日より公開。原作マンガやキャストのファンはもちろん、思いっきり笑いたい方はぜひ劇場でご覧ください!

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(撮影・取材・文:ヒナタカ)

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