『ワンダーウーマン』は大豊作の2017ヒーロー映画の極めつけ!

■「キネマニア共和国」

(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

もともと洋の東西を問わずヒーロー映画には目がないタチなのですが、トシのせいか何なのか、どうも最近の作品に食指がわかなくなって久しいものがありまして、それこそ見るのが苦痛に感じる時期すらありました。

なまじ好きなジャンルなだけにテイストが合わず、逆に逆恨みしちゃってるのかもしれません。

ところがこの夏、自分が変わったのか作品が変わったのか……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街vol.252》

今年の夏のヒーロー映画、何とみんな面白かった!

ホント大豊作です!

ジャック・スパロウからオプティマス、スパイダーマン、
IMAXや3Dでぜひ見たい!

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊

(C)2017 Disney. All Rights Reserved.

まずはシリーズ5作目『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』ですが、第1作『呪われた海賊たち』以来の出来の良さで、特に第4作『生命の泉』がそれ以前の3部作とテイストが異なっていた分、違和感を生じていたせいもあって(それはそれで嫌いではなかったのだけれど)、余計に楽しめましたね。

監督に海洋映画の快作『コン・ティキ』のヨアヒム・ローリング&エスペン・サンドベリを迎えただけあって、実にストレートなストーリー運びも潔く、あえて今回は脇に回った感のあるジャック・スパロウも、意外に魅力が発揮できているように思えました(ただ、正直もう今回で有終の美を飾ってもいいような気もしましたが、エンドクレジット後のおまけを見ると、次もありそうですね)。

トランスフォーマー/最後の騎士王 サブ04

(C)2016 Industrial Light & Magic, a division of Lucasfilm Entertainment Company Ltd., All Rights Reserved

こちらもシリーズ第5作『トランスフォーマー 最後の騎士王』も、実は私、最初の3部作があまりのめまぐるしいカッティングに目がついていけず、大の苦手になってしまっていたのですが、第4作で新展開になってから妙にフィットできるようになり(主演のマーク・ウォルバーグのファンというのもプラスしているのかもしれません)、今回に関してはたまたまIMAX3Dで見たのですが、あのめまぐるしいカッティングの洪水に3D酔いすることもなく(思えば3作目を3Dで見たときは二日酔いだったせいもあって、マジに気持ち悪くなっていた……)、それはマイケル・ベイ監督が3D技術の向上に気を配りながら新作を撮り続けているからに他ならないでしょう。

ターミネーター2 3D

3Dといえばジェームズ・キャメロン監督ですが、彼の代表作『ターミネーター2』を最新技術で3D化した『ターミネーター2 3D』は、まさに次代の新作を見ているかのように秀逸な技術革新がなされていました。もともとは3Dを想定して作られていない作品ゆえ、ここでは奥行き重視の3D効果が図られていますが、それが作品の世界観と見事にマッチし、さらには悪役T-1000のヌルヌルした金属の気持ち悪さまで見事に描出されていて、今後『T-2』を見るときは3Dでないと物足りなくなりそうな不安すら抱いてしまったほどです。

スパイダーマン:ホームカミング 場面1

(C)Marvel Studios 2017. (C)2017 CTMG. All Rights Reserved.

『スパイダーマン:ホームカミング』は傑作でした。かつてのサム・ライミ監督3部作はヴァイオレンス的な情緒を巧みに生かし、そのリメイクで惜しくも途中で打ち切りになってしまった『アメイジング・スパイダーマン』2部作は、マーク・ウェブ監督らしく青春ラブ・ストーリー色を際立たせた作りになっていたのに対し、今回は80年代にハリウッドで大流行したヤンチャな青春群像映画群“ブラッドパック”を彷彿させてくれるテイストで、とにもかくにも主演のトム・ホランドが実にさわやかでいい! ゲスト出演のアイアンマンもさほどでしゃばらず程良いスタンスで好感が持てましたが、それ以上にかつて『バットマン』を演じ、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に主演したマイケル・キートンが今回の悪役鳥人間バルチャーを快演しているのが、単なる楽屋落ちの域を越えていてナイス。正直、これまで作られた“スパイダーマン”の中で個人的には一番フィットするものがありました。

日本映画はコミックから飛び出したヒーロー
&ライダーとスーパー戦隊もいるよ!

日本映画も実は漫画原作ヒーローものがいっぱい。その筆頭たる『銀魂』は、原作&アニメ版のファンからすると「コスプレショーか!」と突っ込みたくなるほど俳優たちがそれぞれ演じるキャラに似せた扮装とメイクで攻めながら、真剣にギャグを飛ばしまくっているあたりが妙味で、クライマックスは一転して真面目になりますが、若干長すぎるきらいこそあれ、見ていて嫌な気はしませんでした。このキャストで次はオリジナルな展開の、もっとギャグを前面に出したものを見てみたいとも思いました。

東京喰種 トーキョーグール 新メイン

(C)2017「東京喰種」製作委員会

『東京喰種 トーキョーグール』も原作&TVアニメ版のファンからすると見る前は不安で仕方なかったのですが、原作者が望んだという主演の窪田正孝が原作のイメージにぴったりで、カニバルなテイストながらも残酷身を極力抑えつつ、人の狂暴性からダイナミズムを発揮させようと努めた演出によって、結果としてグールの怖さと哀しみの双方を醸し出していたようにも思えます(ただ、赫子のCGは今ひとつだったかな)。こちらも総じてキャストが楽しそうにやっているのがうかがわれ(あ、清水富美加ちゃんだけはわかりませんが…でも彼女も非常に柄を活かして健闘していました。でも佐々木希は見せ場なかったなあ)、中でもグールを狩る人間側の大泉洋は怪演でしたが、個人的にはマスター役の村井國夫のいぶし銀的雰囲気が好みでした。『マトリックス』で知られるドン・デイヴィスの音楽も見事にはまってましたね。

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章

(C)2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』も、実はさほど期待してなかったのですが、原作の雰囲気と三池崇史監督のこだわりがほどよくミックスされた佳作に仕上がっていました。こちらも『銀魂』同様キャラのコスプレショー的な攻め方にはなっていますが、演じる側が喜々としてやっているのが伝わってくるので、そう嫌な感じはしなかったのですが、ちょっと数名ミスキャストではないかなと思ってしまう人がいたのも偽らざるところ。海外ロケ地で日本の地方を撮るという方法論もユニークに映えていたと思います。ただ、全3部作の第一章ということで、やはりどこか半端に終わってしまう分、早く次を観たい気にもなりますが、実際第二章は作られるのかなあ…・・・。

劇場版「エグゼイド・キュウレンジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)2017テレビ朝日・東映AG・東映

『劇場版仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』は正直テレビシリーズの熱心なファンではなかったものの、これ単体でも比較的わかりやすい内容になっていたのが良かったですね。ちょうど今のVRブーム(になってるのかどうかは知らないけど!?)に乗せた世界観も入り込みやすく、しかしそれよりも何よりも私はポッピーピポパポちゃんを銀幕の大画面で拝めただけでも満足でした(だって仮面ライダーといえば、やっぱヒロインでしょう)。

劇場版「エグゼイド・キュウレンジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)2017テレビ朝日・東映AG・東映

『宇宙戦隊キュウレンジャー ダースインダベーの逆襲』は、もうほとんどガンダムのコロニー落としみたいな内容に笑ってしまいましたが、とかく夏のスーパー戦隊ものは上映時間30分前後と毎回短いのを不満に思う身としては今回その時間に程良くフィットできている内容のようで割かし快適で過不足ない30分でした。また今回の敵は田村亮(ロンドンブーツ1号2号)と、ここ数年の戦隊ものは吉本のお笑い芸人が悪役を演じるのが定例化してきていますが、これも割とみんなは待っているのが楽しいですね。ただし、これはそもそもテレビ・シリーズに対する不満でもあるのですが、せっかく11人もヒーローがいるのだから、全員人間にしてくれればいいのに。特にワシピンク!(だって戦隊ものといえば、やっぱヒロインでしょう)

この夏、一番強く推したい
必見作『ワンダーウーマン』!

と、このように今年の夏はそれまでの不満が解消されるかのようにヒーロー映画を堪能してしまっている自分がいるのですが、その中で一番面白かったのは『ワンダーウーマン』でした。

(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

いきなり本音を申しますと、私、今回ワンダーウーマンことヒロインのダイアナを演じるガル・ガドットはさほどタイプの女性ではないのですが、やはり監督がパティ・ジェンキンスということも功を奏しているのでしょうか、女性の目線でいかに女性を素敵なヒーローに仕立てるかが徹底されているので、銀幕の中ではもうほれぼれするほど美しいヒロイン=ヒーローとして屹立しています。

前半、ダイアナが生まれ育ったパラダイス島でのエピソードは、もう往年のアマゾネス映画を彷彿させてくれるお楽しみがあり、彼女がイギリスに赴いてからは、あたかも『ローマの休日』スーパーヒロイン版といった風情で、実は彼女がバリバリのお姫様であったことを改めて見る側に知らしめる効果をもたらしています。

第一次世界大戦下が舞台になっているので、ノスタルジックな雰囲気も上手く醸し出されていますし、戦争集団アクション映画としての味わいも多分に含まれています。相手役のクリス・バインも柄を活かした好演で、またクライマックスの真の敵との一騎打ちの盛り上がりもかなりのものがありました。

実は私、最近のヒーロー映画が苦手になったきっかけが『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』を見て、あまりの重くるしさに非常にがっかりしてからなのですが、そのとき唯一楽しく見ていられたのがワンダーウーマンの登場シーンだったもので、今回の作品もそれなりに楽しみにはしていたのですが、結果としては予想をはるかに超える楽しさで2時間強の上映時間を堪能した次第です。

これならば『ジャスティス・リーグ』をはじめ、以後もどんどん出てくるヒーロー映画に期待しても、いいのかな?

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(文:増當竜也)

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