『ズートピア』解説、あまりにも深すぎる「12」の盲点

10.博物館には、“隠された歴史”があった。

終盤にジュディとニックが逃げていた博物館には、“大きな槍を持って佇むマンモスの銅像”がありました。
しかも、ジュディがベルウェザーに見つからないようにするための“身代わり”にしたのは、“槍を持った凶暴な顔をしたウサギの銅像”でした。

これは何を意味しているのか……と言えば、“たとえ草食動物であっても、武器(槍)を持てば凶暴となりうる”ということだと思います。
作中では、肉食動物には凶暴な野性が残っていること以外にも、ベルウェザーが肉食動物を凶暴化させる植物という“武器”を利用していたことも告げられています。

武器を持った草食動物が博物館に展示されていたということは、彼らが武器を持ったために進化をしたこと、もしくは過去のズートピアにも今回の事件と同じような、草食動物たちの攻撃(反乱)があった歴史を示していたのかもしれません。

これは、アメリカの銃社会をも暗に批判していたのかもしれませんね。人々の力はほぼ変わらないけれど、武器(銃)はその力関係を変えてしまうかもしれないのですから。

また、ニックとジュディがベルウェザーと対峙したときの大きな壁画には、木の上にいるライオンと、それを狙う槍を持った数人の“人間のような(!)動物”が描かれていました。
この動物は果たして人間だったのか、ほかの草食動物だったのか……自分ははっきりとは確認できなかったので、これから本作をリピートする方は、よく見てみることをおすすめします。

11.“トライ・エブリシング”も違った意味になる!

主題歌の“トライ・エブリシング”が使われるのは、ジュディが初めてズートピアに訪れたときと、エンドロールの2回あります。
歌詞が同じだとしても、そのときに“作中で描かれたもの”に照らし合わせると、さらに奥深いものになっているのが素敵です。

ジュディは希望に胸がいっぱいのままズートピアに訪れるため、“どんなことでもやってみよう”という歌詞が、彼女のチャレンジ精神と、期待を表しています。

そしてエンドロールのときは、作中で“チャレンジした結果による失敗”も描かれているため、“いつだって新しいミスをしてしまう”“だけどまた挑戦する”という歌詞が、まさにテーマにぴったり合致していることがわかるのです。

12.何度観ても飽きない大傑作だ!

最後に、『ズートピア』をリピートする方への本作のおすすめポイントをひとつ。それは“ジュディの耳に注目する”ことです。

ジュディは警官をやめて故郷に帰ってきたとき、自身は「(調子は)いいわよ」と言っていましたが、母親から「耳が垂れているわよ」と元気がないことを見抜かれていましたね。
ジュディは何かを聞くときのほか、元気があるときに耳がピーン!となっていて、それがすごくカワイイのです。

たとえば、記者発表の前に緊張して耳が垂れ下がっているけど、ニックに「にんじん、そういうときだはなあ……」と言われたとき、ジュディの耳はピーン!と立っていました。ああもうカワイイ!たまらん!

自分は『ズートピア』を4回観たおかげでこれらのことに気づけましたが、まだまだ知らない魅力がたっぷりあるはず。ぜひ、新しい発見をしてみてください。

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(文:ヒナタカ


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    ヒナタカ 「カゲヒナタの映画レビューブログ」運営中のフリーライター。All Aboutでも映画ガイドとして執筆中。映画に対しては毒舌コメントをしながら愛することをモットーとしています。

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