2月17日に命日を迎える藤田まことさんの代表作「必殺シリーズ」をかく語りき。
(写真中央・(C)ABC/松竹)
彼が亡くなったのが2010年2月17日。もうすぐ亡くなって丸4年になろうとしています。
今回は藤田まことさんを通して、必殺シリーズを振り返ってみたいと思います。
必殺シリーズと藤田まこと
藤田まことさんは「必殺仕事人」以外にも様々な必殺シリーズに中村主水役として登場されていました。
初めは主役ではなかった
「必殺仕事人」の中村主水役で人気を博した藤田まことさん。シリーズ初登場は「必殺仕置人」。
テレビの必殺シリーズとしては「必殺仕掛人」(主演・緒形拳)に続く第二弾で、この時の主演は山崎努さんが演じる「念仏の鉄」だったんですね。
念仏の鉄と組む殺し屋として、普段は冴えない昼行燈(ひるあんどん)、家に帰れば肩身の狭い婿養子だが凄腕という設定の同心役だったのです。
それが人気を博し、暗闇仕留人、必殺仕置屋稼業、必殺仕業人、新・必殺仕置人・・・と主演シリーズを重ねていきました。
そして必殺シリーズ全31タイトル中16タイトルにレギュラー出演することになったのです。
共演した俳優も、山崎努さんをはじめとして沖雅也さん・中村敦夫さん・山田五十鈴さんらとそうそうたる顔ぶれです。
力ある不意打ち
中村主水は剣の達人。奉行所ではその力量の片鱗すら見せませんでしたが、まともな斬り合いで負けるようなことが考えられないような腕前でした。
しかし、中村主水の仕事でも、相手の隙をつくような戦い方をよく見せていたように思います。
冴えない同心がたまたま居たという雰囲気で相手に近づき、油断した相手の背中を切るとか、刀の柄に刃を仕込んでおいて刺突するとか。
そもそも腕前を人前で見せていないので見事な切り口でも疑われることは無いはずなのですが、確実に相手を仕留めることと、その後自分に疑いが及ばないよう念には念を入れるという、プロとして確実に仕事をするための不意打ちをしていたという記憶があります。
悪を討つという「善」を殺し屋が行うという矛盾がテーマの必殺ですから、剣の達人が不意打ちをするという殺し方の設定に説得力があるのですよね。
必殺シリーズはまだ生きている
テレビシリーズとしては終了した必殺ですが、人気はまだまだ衰えを見せません。
年に一度程スペシャル番組が制作されたり、シリーズ以外の様々な漫画・ドラマに設定が応用されるなどしています。
2015年3月には「新必殺仕事人」のブルーレイBOX※が発売になるみたいですよ。
ブルーレイというだけに、名作の新必殺仕事人の全55話がハイビジョンで見られるという、たまらない構成ですよね。
また、普段の生活の中でも「必殺シリーズ」が生きているなと思うことがあります。
流行を作り出している人たちのことを「仕掛人」と言いますし、プロ野球やほかの団体競技で「ここぞ!」という場面に登場する人のことは「仕事人」と実況されますよね。
また、婿にいじわるする姑のイメージと言えば姑役・菅井きんさんを思い出す人もいらっしゃるのではないでしょうか。
「必殺」はまだまだ僕らになじみ深いのです。
藤田まことさんあっての必殺シリーズ。「仕事人」シリーズでは三田村邦彦さん・中条きよしさん・京本政樹さん・村上弘明さんなどの多くの人気俳優を輩出しました。
命日を迎え、また新たなブルーレイ BOXを見返すことで藤田まこと=中村主水を思い出し、晴らせぬ恨みを晴らす爽快感を味わいたいものです。
(文・奥野大児)
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