映画コラム

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2015年06月17日

NIRVANAファンよ祈れ!カート・コバーンの等身大に魂が震えるドキュメンタリー『COBAIN』

NIRVANAファンよ祈れ!カート・コバーンの等身大に魂が震えるドキュメンタリー『COBAIN』


純粋すぎた男


誰もがそうであるように、カート・コバーンにも様々な顔があります。

両親の愛を強く求める小さな子どもの顔、愛されない苦しみをコントロールできずに爆発させてしまうティーンの顔、愛する人を見つめるやさしい顔、いきなり時代のスターにかつがれてとまどう顔、自分を傷つける人たちに向ける狂気の顔。

彼のそんなリアルな顔がまっすぐ眼前に突きつけられてくると、だんだん息苦しくなってきます。

彼の苦しみとすこしの喜びが、自分のことのように感じられて、見る者の心をぎゅっと締めつけます。

やがて皆の憧れだったロックスターは、自分と同じ等身大の人間として、純粋すぎる故に苦しみぬいた一人の男として、生々しい「痛み」を見せるでしょう。

今までなかった「リアル」が詰まったドキュメンタリー


本作は、関係者の証言を集めたよくあるドキュメンタリーとはすこし違います。

カートが子どもの頃からノートに記していた膨大なメモやイラスト、ホームビデオの映像を中心に、絵画調のアニメーションなどの斬新な手法を使うことによって、彼の人生の「はじまりから終わりまで」を、くまなくリアルに描き出すことに成功しています。

裕福な時代のアメリカの家庭ですから、幼少期のビデオ映像はたくさん残っています。
そこに映る幼い頃の彼は、よく笑い、誰よりも活発で、みんなに愛され、まるで天使のようでした。

その直後に両親が離婚し、親戚中をたらい回しにされていく中で、いつしか彼は愛情を強く求め、愛を与えてくれない世の中を呪いはじめます。

その頃から書かれた彼の詩やイラストには、彼の一瞬一瞬の感情や痛みが凝縮されています。

やがて大人になってロックスターになると、愛する妻・コートニー・ラブと撮影したビデオ映像の中に、奔放な若者のリアルな日常を見ることができます。

カートは絵を描くのが大好きで、音楽以外にもたくさんのアートを遺していますが、それらに触れられるのもこの作品ならではでしょう。

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