伝説的女優・原節子さん死去―小津安二郎映画の象徴的存在
今も映画ファンの間で語り継がれる神秘的な存在
シネマズでは先日からスタートした、増當竜也氏によるコラム「写真家『早田雄二』が撮影した銀幕のスターたち」の第1回にて、原節子さんを紹介したばかりでした。
小津映画を象徴する 伝説的大スター原節子|写真家『早田雄二』が撮影した銀幕のスターたち
また、先月10月17日に東京・大田区で開催された「第3回蒲田映画祭 シネパラ蒲田」では、女優・香川京子さんのトークショー内で原節子さんに関するトークも繰り広げられました。
ロケに使った旅館はまだ残っていて、旅番組で何度か訪れたことがあるというお話から、撮影時は隣の部屋が姉役の原節子さんの部屋だったという話題も。
「原さんは憧れの人だったので、本当にうれしくて。小津組に参加できる喜びというより、原さんと一緒にお仕事ができることの方がうれしい気持ちで、小津監督には申し訳ないですね(笑)」と今だから話せるお話も飛び出します。
「第3回蒲田映画祭 シネパラ蒲田」香川京子トークショーリポート
小津安二郎監督と原節子さんの関係についての質問が観客から飛び出すなど、今もなお多くの映画ファンにとって愛されている存在であることをうかがい知れる場面もありました。
原節子の出演する映画紹介
ここで、原節子さんの出演する映画を、3つほど紹介させていただきます。
まず、最初に紹介するのが1947年公開、吉村公三郎監督作『安城家の舞踏會』。同年のキネマ旬報ベスト・テン第1位となった作品で、原節子さんの人気に拍車をかけた作品です。
そして先程も紹介した、小津安二郎監督作の初出演作となった『晩春』。2人を引き合わせた作品として外すことは出来ないでしょう。こちらは、デジタル復刻版が『あの頃映画 松竹DVDコレクション』として、来月の12月2日に発売になります。
そして、小津安二郎監督作『麥秋』です。原節子さんは、この作品で毎日映画コンクール女優演技賞、ブルーリボン賞主演女優賞を受賞し、日本映画界を代表する大女優としての評価を不動のものとしました。また、この作品の撮影中から、小津安二郎監督との間柄に関しても噂されるようになったとという、ファンにとっては印象深い作品です。
他にも、『東京物語』や『青い山脈』『白痴』『めし』など、どれも甲乙つけがたいところですが、そこはまた改めて紹介する機会があった時にでも。
突然の訃報に驚きを隠せませんが、シネマズ一同、謹んでお悔やみ申し上げます。
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