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アジアの交流は「声」から! 第四回「声優魂」最終審査&結果発表
アジアの交流は「声」から! 第四回「声優魂」最終審査&結果発表
声優部門各受賞者の
喜びのコメント
いよいよ声優部門の発表です。
●インターナショナルカテゴリー(資格:中学1年生~制限なし)優秀賞は3名。
インターナショナルカテゴリー優秀賞受賞のイ・ダソムさん(左)とイ・キップンさん
まずはイ・キップンさん(中2/韓国:大阪府在住)。
小3のときに日本に来て、日常での日本語は大丈夫だそうですが、まだ漢字は苦手。また学校では関西弁なので、標準語は難しいとのこと。
「本当は私、今回は遊び気分で受けたんです(笑)。でも、こんなに大きな大会だったなんて全然知らなかったし、しかもすごい方々ばかり集まっていて、そんな中で自分が賞をいただけるなんて本当に思っていませんでした。最初にマイクの前に立った時は頭が真っ白になり、心臓の音が横の人に聞こえるんじゃないかってくらいバクバクしていましたが、自分を捨てて頑張りました。まだまだ足りない部分はいっぱいありますが、やはり声優になれたらと思います」
続いて、イ・ダソムさん(韓国)。
日本語は家事をするときなどに日本語ラジオを聴いたり、日本の友達と話したりしながら勉強しているとのこと。
「でも日本語はアクセントやイントネーションが難しく、耳で聞いても違いがよくわからなくて、そのうち日本語も韓国語も、どちらも駄目じゃないかと落ち込むこともあります(笑)。今回もいろいろと駄目なところがすごく多かったのに、こんな賞までいただいて、本当に来てよかったと嬉しく思っています。日本にもまた来られて幸せな気持ちでいっぱいですし、今後は日本と韓国を行き来できるような声優になれたらいいなと思いますね。これからも精進いたします」
最後にリュウ・タビンさん(高1/韓国:東京都在住)。
声優部門最優秀賞受賞のリュウ・タビンさん
「今日はとても良い環境の中で自分のことを見ていただけて、とても嬉しかったです!」
●そして、第四回声優魂声優部門最優秀賞は……、リュウ・タビンさんがインターナショナルカテゴリーと併せて、二冠の受賞となりました!
「手汗でトロフィーを落としてしまいそうです!」と興奮気味の彼女は、審査前の挨拶で『今日は精一杯楽しませていただきます』とコメントしていたのですが、その楽しみがさらに膨らむ結果となったようです。
「夏休みの頃の自分は、大会に出ようといった実感が全然なくて、でも、それでも応募してみようと思ったあのときの自分を、今は褒めてあげたい気分です(笑)。今日の自分を採点するなら100点! 日頃は上がり症なのですが、今日は本当に環境が良くて、楽しくやらせていただくことができました。私は演劇をやっているのですが、ぶりっ子とか可愛い子の役が多いんですよ。でもこれからは悪役も老人もやれるような、そんな意外性を秘めた声優さんであり女優さんを目指して頑張っていきたいと思います」
優秀賞は武亮介さん(高2/福岡県)。
彼は昨年も「声優魂」を受けたものの受賞はならず。その悔しさから今回の応募となりました。
「今年は期待せず、ただ楽しもうと思いながらここに来ましたので、本当にありあまる幸福です! また去年は全然褒めてもらえなかったのですが、今年は掛け合い台詞のときに審査員の方々からテンポ感やキャラ作りなどを良しとしていただき、昂揚しました。審査員の方々のアドバイスも、本当にありがたかったです。ずっと初心を忘れずにいられる声優になりたいと思っています。また自分はドラムをやっているので、ドラマーと声優を両立させていきたい。でもバンドのメンバーには、今回のことはまだ話してないんですよ(笑)」
同じく優秀賞、山田美鈴さん(高2/鳥取県)。
鳥取大会代表者の山田さんは、ずっと自分に自信が持てないまま応募し、ここまで来たのだといいます。
「私は自分の声にも自信がなくて、みなさんみたいに可愛い声も出ないから、ずっと不安に思っていたのですが、審査員の方から『声は作らなくていいから、自分が思う通りにやって』と言われて、自然な演技が大事なんだということに気づかされて、すごく救われましたし、そして今、こうやって自分の名前を呼ばれたということは、これからは自信をもっていいんだと勇気づけられました。これからは幅広い役を演じられる、そしてキャスティング未発表の段階で、あの役なら私だな、と思っていただけるような声優になれたら嬉しいです」
左からイ・キップン、山田美鈴、リュウ・タビン、武亮介、イ・ダソムのみなさん
この後、10月24日に上海で開催された「声優魂」初の中国大会(何と応募者3万人!)の受賞者もゲストとして登壇し、挨拶。
中国大会受賞者のシュウ・スミンさん(左)とニン・カさん
中国語部門優勝のシュウ・スミンさんは、これまで演技などの経験はないものの、
「この賞を機に声優への道を邁進していきたい。将来は聞く人の心まで感動させる、いろいろな声を出せる声優になりたいです」
日本語部門優勝のニン・カさんは、何と日本語は日本のアニメやゲームを見ながら独学で覚えたとのことで、
「日本に来たのも初めてで、楽しみにしていました。これからも声優という夢に向かって頑張っていきます」
およそ7時間にもわたる第四回「声優魂」は、こうして幕を閉じましたが、こういった若者たちの熱い情熱と想いが、なにがしかの形で報われたらいいなと思います。
まずはトライしてみること。
本大会の南沢道義理事長が閉会の挨拶で述べた「挫折しやすい若者たちが、あえてこの大会に応募するという“挑戦”そのものが立派であると讃えたい」という言葉の通り、こちらも讃えたいと思います。
(C)国際声優育成協会
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(文:増當竜也)
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