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2015年12月16日

『スター・ウォーズ』サーガのほんのちょっとしたトリビア②

『スター・ウォーズ』サーガのほんのちょっとしたトリビア②


ダース・ベイダーのベイダーとは
オランダ語で“父親”の意味


『帝国の逆襲』のクライマックス、ダース・ベイダーがルークに向かって自分が父親であることを告げる衝撃のシーンは、公開前に秘密が漏れることを恐れて、ダース・ベイダーの台詞を「父親を殺したのはオビ=ワン・ケノビだ」と変えて撮影していました。

つまりルーク役のマーク・ハミルは事実を知らぬまま演じていたことになります。

巨悪の象徴が主人公の父親であったという設定から、このモトネタは石ノ森章太郎のマンガ『変身忍者嵐』ではないかという説が日本国内では流れたこともあります。
同作で敵の首領を倒した主人公が、その顔を見ると彼の父親であったというオチと、ジョージ・ルーカスが実は日本のマンガが大好きで買い漁っていたという噂から、そういった説が生まれてきたものと思われます。

真相はともかく、ルーカス自身は実の父親とかなりの確執があったとのことで、その想いがダース・ベイダーに反映されているという説が一番まっとうかなという気もします。

また、日本映画など東洋に魅せられていた彼なら、父親こそ男が乗り越えるべき最大の敵といった思想に至るのも、そう困難ではなかったのかもしれません。

そもそもダース・ベイダーの名前は“ダーク・ファーザー”をもじってつけられているという説もあります。
つまりベイダーは、オランダ語で父親“vader”という意味を持っているのです。

ちなみに『帝国の逆襲』の翌81年に公開された『さよなら銀河鉄道999』の悪役・黒騎士の正体が主人公・鉄郎の父親であったというオチは、『帝国の逆襲』のパクリではないかと、当時の『スター・ウォーズ』『999』双方のファンの怒りを買ったものでしたが、実際はどうだったのか、松本零士あたりに聞いてみたいものですね。

旧3部作最終編『エピソード6』
サブタイトルは『帰還』or『復讐』?


『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(80)は第1作『エピソード4/新たなる希望』(77)以上の喝采を受け、その波に乗せてのシリーズ第3作『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(83)は、監督にリチャード・マーカンドを起用しました。

これはジョージ・ルーカスが彼のスパイ・サスペンス映画『針の眼』(81)を気に入ったからです。

この『エピソード6』、サブタイトル“RETURN OF JEDI”からしてお騒がせな存在で、当初脚本段階ではRETURN(帰還)だったところ、監督のリチャード・マーカンドが迫力がないと指摘し、REVENGE(復讐)と改題。

しかし、後にルーカスが「ジェダイは復讐なんかしない」と考えを改め、最終的にRETURNに戻ったのですが、日本では既に『ジェダイの復讐』という邦題でパブリシティが浸透していたことから、初公開時はそのままの邦題となりました。
その後本作は、シリーズの他作品も併せてさまざまな改変が行われ、2004年にDVDが発売されたときから『ジェダイの帰還』と改題されました。

ここで初登場した悪漢ジャバ・ザ・ハットは、もともと『新たなる希望』からハン・ソロと絡むシーンに出る予定で、実際に人間で撮影もされ、あとでストップモーション・アニメで表現されたキャラクターを合成する予定でしたが、技術的に上手くいかず断念。

またこのときは、今のようなナメクジのような体形ではなく人型のクリーチャーだったようで、結局『ジェダイの帰還』の際に形が決まり、後にシリーズ特別篇を制作したとき、『新たなる希望』にジャバのシーンをCG合成で挿入することになりました。

なお、このジャバ・ザ・ハット、雌雄同体という設定で、出産期になると体が女性化し、口調や性格も女性っぽくなるのだそうです⁉

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