マッドマックスに対抗心―日本初の4DX専用ムービー、白石晃士監督インタビュー
――本編では「番人」の存在感が強烈です。ビジュアルもいわゆる「ジョーカー」的な。このキャラクターにはどのような背景が?
白石:
魔界へのナビゲーターのような存在で、人間を魔界に誘い込んでその住人というか一部にしてしまうことを、楽しみながらやっている。魔界との境界線にいるようなキャラクターというざっくりとした位置づけはありましたけど、あとは面白ければいいという方向性でしたね。
『ボクソール★ライドショー 恐怖の廃校脱出!』より
――生身の人間らしさがかなり強くて、わりと人間に近い存在に見えるというか。
白石:
そうですね、なるべくおかしな人、狂気を帯びた人に見えるように心がけていました。『ヘル・レイザー』だって現実世界に来たときにはちょっと肉体のある感じじゃないですか(笑)生身の肉体を持っているけど霊的な存在というものが結構好きなので、そのへんの曖昧さをねらったというのはありますね。
――さきほども話が出ましたが、番人役の大迫茂生さんは白石組では常連ですね。
白石:
衣装合わせのときに、高い笑い声と、ハイテンションであること、そこにちょっとオネエっぽい感じを加えて欲しいという話をして、そこからさらに大迫さん自身が考えて膨らませてくれました。
――ネエっぽい感じというアイディアはどこから?
白石:
不気味な感じ……といったらオネエの方に失礼かもしれないですけど、ビジュアルがピエロっぽくてテンションが高いとどうしても「ジョーカー」的な印象が強いし、あまりにもジョーカーそのままになるのもどうか、もっと面白い要素はないかと思って。キャラクターに愛嬌を加えたかったのと、明らかにオッサンにしか見えないのにオネエ的な不気味さを匂わせている加減がちょうどいいんじゃないかなと思って、そういう要素をプラスしました。
――番人の餌食になる女子高生たちは、ただ怖がって逃げているだけでなく、途中からは自ら危険の中に飛び込んでいくような展開もあって。
白石:
そうですね。ホラーテイストではあるんですけど、友達を助けるという基本軸はありながら、途中からはファイティングスタイルの冒険ものに変化していく……その延長で、ちょっとトンデモない展開も、笑うなり怖がるなり好きに楽しんでもらえたら。
――撮影は夏の暑い中、廃校で撮られたそうですね。学校というロケーションの魅力は?
白石:
誰もが行ったことのある場所というところですね。そこで日常をすごした記憶がほとんどの人にはあるわけで、その空間で起きることもわりと真実味をもって感じられるのが魅力だと思います。その中でも廃校というのはまた特殊です。みんなの記憶の大部分を占めている学校というのは、たくさんの人がいる場所なので、人がいなくなったときに違和感を感じるんですよね。だからひと気のない学校には怖さを感じる。いるはずのものがいない違和感、身近な異世界みたいなものとして、廃校はすごくいい場所だなと思います。
――いるはずのものがいなくて、いないはずのものが出てきちゃう。実際に撮っていて心霊現象が起きたことはあるんですか?
白石:
もちろん……ないです。
――では最後に、実際に4DXでの上映を体験されていかがでしたか?
白石:
いやあ、テンション上がりましたね!自分の撮った映像をまさかあんな形で体感できるとは。こっちも意表を突かれたところがありました。カメラのブレが椅子の揺れで再現されていたり、映像では伝わらない匂いが漂ってきたり、シャボン玉で物理的に異世界の空気に触れたりできるとやっぱり興奮しますね。気分が高揚してワーッとなるこの楽しみを、みんなが味わってくれたらいいなと思います。
4DX専用ムービー『ボクソール★ライドショー 恐怖の廃校脱出!』は、本日2016年1月16日(土)より、ユナイテッド・シネマ他にて全国ロードショー。
画像ギャラリー
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(C)2016V AUXHALLRIDESHOW
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