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2016-01-21

コラム

待望の第2弾『シンドバッド 魔法のランプと動く島』上映開始!

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■「キネマニア共和国」

シンドバッド 魔法のランプと動く島 poster2

(C)プロジェクト シンドバッド


 

『世界名作劇場』などで知られる日本アニメーション40周年記念作品『シンドバッド』3部作が昨年から製作され、既に第1部が公開されました。
そしてこの冬、待望の第2弾……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街~》

『シンドバッド 魔法のランプと動く島』の公開が始まりました!


船乗りシンドバッドの冒険を
まったく自由な解釈で描く3部作


前回も書きましたが、シンドバッドはもともと8世紀のイスラム世界でまとめあげられた説話集『千夜一夜物語(アラビアンナイト)』の中に出てくる『船乗りシンドバッドの冒険』の主人公であり、しかしながら今では大海を航海する冒険者として、自由な発想でファンタジー・ドラマの主人公として据えられることが多く、本シリーズも例外ではありません。

ここでのシンドバッドは海に憧れている少年という設定で、第1部では木馬に乗って空から降りてきた魔法族の姫君サナを助け、彼女の仲間を探すべく大海原に乗り出したシンドバッドたちが、彼女を追う謎の組織との戦いに巻き込まれていく様が描かれていましたが、今回も基本的なラインは同じで、ただし今回は、嵐で損傷した船を修理するため近くの島に上陸したシンドバッドたちが危機に見舞われていく様を快活に描いていきます。

その島の正体は、サブタイトルにあるように……おっと、これ以上記すとネタバレになるからやめておきましょう。


中編連続活劇としての
愉しさと今後の可能性


登場人物の絵柄などを見ておわかりのとおり、本シリーズは名匠・宮崎駿の監督デビュー作でもある日本アニメーション制作TVアニメーション・シリーズ『未来少年コナン』(78)に倣ったキャラクター・デザインがなされており(担当は『となりのトトロ』の佐藤好春)、要は創立40周年を迎えた日本アニメーションが『未来少年コナン』の頃の原点に戻ろうという意気込みを感じることができますし、さらには宮崎駿にはもう一度こういった純粋な冒険活劇を作ってもらいたいものと、先日オンエアされた『天空の城ラピュタ』(86)を見ながら思ったものです……。

時代背景も明確でない分、敵側のメカなどジュール・ベルヌ的なSFチックな味わいもあり(それもまたコナン的ではありますが)、ディズニーの『アラジン』みたいなエキゾチック・テイストとは全く異なる、日本の観客に見やすい配慮があちこちになされているのも特色で、少なくとも私のようなリアルタイムで『未来少年コナン』を見ていた世代には実に懐かしく、また今の子どもたちには新鮮に映えるのではないでしょうか。

正直、今回は島の中での冒険譚そのものは快活に描かれているのですが、全3部作の中間に位置する作品にしては前作で提示された謎などがほとんど解明されずに終わってしまうため、次の第3部で全部きちんと終わらせることができるのか? と、ストーリー的には今後の不安を感じさせるものもありましたが、それでもここを通過しないと次へ向かえないので、前作を見ている方は、これはもう見るしかないでしょう。

1本50分ほどの中編による3部作という仕様も、ほどよい入場料金も手伝い、肩の力を抜いて劇場へ通う癖もつくというもので、これは映画ファンを育てるのに絶好のものだと思います。

それこそ『スター・ウォーズ』サーガ(77~)の原点とされる戦前の『フラッシュゴードン』シリーズ(36~40)も中編の連続活劇スタイルだったわけで、今回の『シンドバッド』みたいな新たな映画における連続活劇を見ていた子どもが、大きくなってジョージ・ルーカスみたいな存在になってくれたりすると、また嬉しいものがありそうですね。

■「キネマニア共和国」の連載をもっと読みたい方は、こちら

(文:増當竜也)