インタビュー

2016年03月15日

ヒーローたちの音楽とファンの熱唱が響いた!「渡辺宙明卒寿記念コンサート」レポート

ヒーローたちの音楽とファンの熱唱が響いた!「渡辺宙明卒寿記念コンサート」レポート

シネマズ公式ライターの田下愛です。


さて、突然ですが、『宇宙刑事ギャバン』『電子戦隊デンジマン』『人造人間キカイダー』『イナズマン』…いずれもかつて大ヒットした特撮ヒーロー番組ですが、これらにある一つの共通点はなんでしょう?

答えは、すべて同じ方が音楽を担当していること。その方とは、日本のアニメ・特撮の音楽、ヒット曲を数多く生み出してきた作曲家の渡辺宙明さんです。

今回は、2016年3月5日(土)に渋谷で開催された「渡辺宙明卆寿記念コンサート Vol.2」のレポートをお届けしたいと思います。

撮影 後藤敏公 _1


撮影:後藤敏公(コンサート公式カメラマン)

プレトークで「ギルの笛」に苦しんだのは…?


「渡辺宙明卆寿記念コンサート」は、アニメ・特撮音楽界の巨匠・渡辺宙明先生の90歳を祝うコンサートシリーズ。

演奏が始まる前のプレトークに渡辺宙明先生、そして、『人造人間キカイダー』のキカイダー役や『イナズマン』のイナズマン役で知られる俳優の伴大介さん、さらにアニメ『クレヨンしんちゃん』などの監督をつとめたムトウユージさんが登場。

18122912_x


撮影:藤原多喜夫(コンサート公式カメラマン)

まもなく始まるコンサートへの期待の思いを語ってくれた渡辺先生と伴さん。そして、「キカイダー」に出てくるプロフェッサー・ギルの笛を手にしたムトウさんは、せっかく伴さんに来ていただいているのだからと、「キカイダー」のおなじみ「ギルの笛」を聞いて、みんなで苦しもう!と提案。会場にギルの笛の音が流れて、苦しむ“ジロー”こと伴さん…と思いきや、なんと先生も一緒に苦しんでみせてくれて盛り上がり、最後は、会場のみんなで揃って渡辺先生に「卆寿おめでとうございます!」の言葉を贈り、プレトークは終了しました。

18122907_x


撮影:藤原多喜夫(コンサート公式カメラマン)

『ギャバン』『デンジマン』『キカイダー』…往年の名作特撮の音楽が次々登場!


コンサートでは、福田滋さん指揮、渡辺宙明卆寿記念ブラスオーケストラの演奏で、渡辺宙明先生が手がけた特撮やアニメのBGM中心の以下のプログラムが披露されました。

18123080_x


撮影:藤原多喜夫(コンサート公式カメラマン)

・『宇宙刑事ギャバン』主題歌(セルフアレンジ・改)
1982年に放映されたメタルヒーローシリーズ第1弾『宇宙刑事ギャバン』の主題歌。ハードかつパワフルなサウンドで特撮ソングの中でも人気の高い曲ですが、生演奏で改めてそのかっこよさが伝わってきました。

・『電子戦隊デンジマン』組曲
1980年に放映された「スーパー戦隊」シリーズ第4作目の作品。特撮の女王こと曽我町子さんが悪のボス・ヘドリアン女王を演じたことでも知られるこの作品は、怪奇的な要素も織り込まれていて、BGMも悪の不気味さを感じさせるミディアムテンポの楽曲が印象的でした。そして、組曲演奏後には、主題歌を担当した歌手の成田賢さんが登場。「ああ電子戦隊デンジマン」を熱唱してくれました。

・『イナズマン』組曲
1973年放映の『イナズマン』。『仮面ライダー』『キカイダー』などに続いて登場した石ノ森章太郎原作の変身ヒーローで、二段階変身などの新たな試みが導入されました。前に演奏された『デンジマン』とうってかわってこちらはアップテンポのテーマソングで始まり、はじけた変身ヒーローの勢いが伝わってきました。

・『キカイダー』組曲
1972年放映の『人造人間キカイダー』。善と悪の狭間で苦しむ“不完全”なヒーローが戦うこの作品は、『仮面ライダー』と並ぶ石ノ森章太郎作特撮の人気作。ファンにとってはおなじみの「ジローのギター」や「ギルの笛」、「ハカイダーの歌」、そして続編である『キカイダー01』の音楽などが次々展開していきました。

・『大戦隊ゴーグルファイブ』組曲
1982年に放映された「スーパー戦隊」シリーズ通算6作目の『大戦隊ゴーグルファイブ』。新体操をモチーフにしたアクション、戦士たちを少年少女がサポートする組織設定などで戦隊ヒーローがより子どもたちに近い存在になった80年代のターニングポイント的作品です。こちらからは、パンチのきいた明快なテーマソングや巨大ロボットバトル時の音楽などが奏でられました。

・『ゲッターロボ號』組曲
プログラムのラストは、アニメ作品。永井豪原作の『ゲッターロボ』シリーズの作品で1991年に放映された『ゲッターロボ號』です。90年代作品でも渡辺宙明節は健在。これぞロボットヒーローアニメ!の主題歌やバトルシーン音楽、ゲッターロボ発進のサウンドが展開しました。

18123009_x


撮影:藤原多喜夫(コンサート公式カメラマン)

プログラム演奏が終了したあとはアンコールタイム!プログラム前半でも登場した成田賢さん、そして、MoJoさん、串田アキラさん、水木一郎さんらシークレットゲストが次々登場し、渡辺先生にお祝いの言葉を贈るとともに、おのおのの持ち歌である渡辺先生作曲の特撮ソングを観客の皆さんと熱唱して、大盛り上がりに。

18123050_x


撮影:藤原多喜夫(コンサート公式カメラマン)

ラストは、渡辺宙明先生自らの指揮で、『人造人間キカイダー』の主題歌「ゴーゴー・キカイダー」を出演者と観客が揃って歌い、コンサートは幕をとじました。

アンコールタイムでのお客さんたちの歌声は、まるであらかじめ練習したかのように歌の途中の掛け声などまでとても息が合っていて、力強く会場に響くファンの熱唱から、数々のヒーロー作品とそれらを支えてきた渡辺先生の音楽が本当に愛されているんだと伝わってきました!

渡辺宙明先生、卆寿おめでとうございます。どうぞ、これからもお元気で素晴らしい楽曲を作り続けてくださいね!

なお、5月15日には「渡辺宙明卆寿記念コンサートVol.3」として三回シリーズのファイナルコンサートが開催されます!

チケットはカンフェティにて販売中。
http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=33058&

コンサート主催・問い合わせは
スリーシェルズ
http://www.3s-cd.net/

(取材・文/田下愛)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

RANKING

SPONSORD

PICK UP!