映画ビジネスコラム
全米興収レポート(3/25〜3/27付)、『バットマンvsスーパーマン』が驚異的な興行成績を叩き出す!
全米興収レポート(3/25〜3/27付)、『バットマンvsスーパーマン』が驚異的な興行成績を叩き出す!
(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC
全米興収ランキング(3/25〜3/27付)
1『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(New)
2『ズートピア』(↓)
3『My Big Fat Greek Wedding2』(New)
4『天国からの奇跡』(↓)
5『The Divergent Series: Allegiant』(↓)
6『10クローバーフィールド・レーン』(↓)
7『デッドプール』(↓)
8『エンド・オブ・キングダム』(↓)
9『Hello, My Name is Doris』(↑)
10『Eye in the Sky』(↑)
(速報値/Box Office Mojo参照)
遂にベールを脱いだ超大作『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』が、驚異的な興行成績を叩き出し、堂々の1位スタートとなった。
初週末興収で1億7000万ドルは全米歴代6位。春シーズンだけで見ると『ハンガーゲーム2』や昨年の『ワイルド・スピード/SKY MISSION』を抜いて歴代1位。また世界興収の初動では、『スターウォーズ/フォースの覚醒』『ジュラシック・ワールド』『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』につぐ歴代4位という爆発的なヒットとなったのだ。
これはもちろん、全米3億ドルの大ヒットとなった前作『マン・オブ・スティール』を上回る滑り出しで、それ以上のヒットが望めることは間違い無し。制作費の2億5000万ドルをすでに回収していることを考えると、来年秋公開予定の『ジャスティス・リーグ』へ大きな弾みがついたと見て問題ないだろう。
もっとも、ロッテントマトでの29%という数字は苦い結果ではあるが。
一方で、3位に初登場した『My Big Fat Greek Wedding2』は、小規模公開から超サプライズヒットとなった前作と単純に比較することはできないが、3000館以上の拡大公開ながら、1館あたりのアベレージは108館でスタートした前作とほぼ横ばい。決して悪いスタートではない。とはいえ、まったく無名だったころの1作目と比べると、最終的に2億ドル以上稼ぎ出した後の満を持しての続編としてはかなり物足りない結果に。さすがに14年のブランクは大きすぎたのであろうか。その間に何作か作られたニア・ヴァルダロス作品が軒並み大やけどをしていることを踏まえれば、まあ良いほうだろう。
4週目で遂に首位陥落した『ズートピア』は、まだ好調な数字を維持。来週末には2億5000万ドルに乗っていることは間違いないだろう。7位までランクを下げた『デッドプール』も3億5000万ドル目前。『BvS』の追撃を振り切って今年1位の興収を維持できるか、マーベルとDCの争いが繰り広げられるだろう。
ベストテン圏内での注目は、先週の圏外から上映館数を増やしてランクインしてきた2作品。9位の『Hello, My Name is Doris』は『アメイジング・スパイダーマン』シリーズでも知られているオスカー女優サリー・フィールドが、若いイケメンに恋をするというラブコメディ。昨年のサウス・バイ・サウス・ウエスト映画祭で観客賞を受賞するなど評判も上々。さすがにアカデミー賞向けの題材でも時期でもないが、サリー・フィールドへの高評価は集まっているようだ。
10位にランクインした『Eye in the Sky』はテロリストとの戦いを描いたミリタリースリラー。先日早逝したイギリスの名優アラン・リックマンの最後の出演作(声の出演では夏に『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』が控えているが)。興味深い題材に加えて、『ツォツィ』や『エンダーのゲーム』のギャビン・フッド監督の新作ということもあり批評家受けも上々。息の長い興行が期待できる。
限定公開作では昨年のオスカー有力候補とされながら、公開延期となってしまったトム・ヒドルストン主演の『I Saw the Light』が1館あたり1万ドルほどのまずまずの滑り出し。同じく限定公開となったイーサン・ホーク主演の『Born to be Blue』に、館アベレージでは負けてしまう結果となったが、どちらも安定した支持を集めることだろう。来週には『Miles Ahead』が封切られることもあり、音楽伝記映画が熾烈を極めている。
来週は、一昨年サプライズヒットとなり日本でも大きな話題となった『神は死んだのか』の続編『God’s Not Dead2』が拡大公開でスタート。限定公開作では水曜封切りとなるリチャード・リンクレイターの新作『Everybody Wants Some!!』が上映と、少し落ち着いている。ともなれば、『BvS』がどこまで伸びを見せるのかに注目が集まるであろう。
(文:久保田和馬)
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