俳優・映画人コラム

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2016年05月12日

「俳優・塚本晋也は、 監督から見て実に良い俳優!」、『野火』Blu-ray&DVD発売記念、塚本晋也監督インタビュー

「俳優・塚本晋也は、 監督から見て実に良い俳優!」、『野火』Blu-ray&DVD発売記念、塚本晋也監督インタビュー


旧作もBlu-ray&DVD化!
『野火』の旅はまだまだ終わらない


今回発売される『野火』Blu-ray&DVDでは、映像特典として映画化への道のりを克明につづったドキュメンタリーが入るとのことですが。

「10年ほど前に、実際にフィリピン戦線に従軍された寺島さんに取材させていただいたのですが、そのときの映像も納めています。寺島さんは毎年フィリピンを訪れて、戦死者の骨を拾うということをやられていたのですが、昨年の春に95歳で亡くなられました。ぜひこの映画を見ていただきたかったのですが、残念です。でも、寺島さんたちが体験された苛酷な戦場の現実が、今はなかったことにされてしまいそうな世の中になりつつありますので、逆にぜひ記録として残しておきたいと思いました。上映中の全国行脚の様子も納められますが、まずは映画を浴びてもらってから、このドキュメンタリーを見ていただければと思います」

また今回、6月2日『鉄男』(89)『鉄男Ⅱ THE BODY HAMMER』(92)、7月6日『東京フィスト』(95)『バレット・バレエ』(99)、8月3日『HAZEヘイズ/電柱小僧の冒険』(88)『六月の蛇』(03)『ヴィタール』(04)といった塚本監督作品群が松竹からBlu-ray化されます。

「『野火』で全国行脚してみて改めてわかったのですが、今はもうほとんどの劇場がフィルムの映写機を撤去して、デジタル上映になっています。ですから今後テレビ・モニターだけではなく、映画館の大画面に映しても遜色ないマスターを作ろうと思い、1本1本手塩にかけてデジタル化しました。音のチェックも大きな映写室で行っていますので、かなり良いものになっていると思います」

こういった新旧のBlu-ray化により、塚本監督は単に家庭で見られるだけでなく、劇場上映はもとより学校、ホール上映なども積極的に推進していく意向があるようです。

「戦後70年を謳った昨年夏の公開だけで終わらせるのではなく、これからもずっと、それこそ毎年終戦記念日には日本中で『野火』が上映され、見ていただけるような、そんな環境を目指していきたいですね。Blu-rayなら映画館のない町でも見ていただけますし、まだまだ僕と『野火』の旅は終わりそうにないです」

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(取材・文:増當竜也

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