『サブイボマスク』感想&アモーレが満載の「5つ」の魅力

ファンキー加藤がW不倫報道の影響で色々話題ですが、彼が主演されている映画には罪はありません。
ここでは『サブイボマスク』がW不倫報道と関係なく、いや、報道を知ってこそおもしろい映画であった理由を解説します!

サブイボマスク ファンキー加藤

(C)サブイボマスク製作委員会



1.ファンキー加藤のウザさをイジるコメディーシーンが満載だ!


ファンキー加藤の世間的なイメージといえば、どのようなものでしょうか。熱い心を持っている反面、失礼を承知で言うのであれば“ポジティブすぎてウザい”という印象もあると思うのです。

『サブイボマスク』では、そのファンキー加藤のウザさをイジるギャグが満載なのです!

たとえば、歩いている若者に「がんばっているかーい!」と声をかけると「お前ががんばれよ」と言われるとか、「生きてるかー!」とたきつけるとおばあちゃんに「旦那は1週間前に亡くなったよ」と返されるとか。わりと凶悪なイジり具合です。

なかでも大笑いしたのは、ファンキー加藤の部屋に“目標”として飾ってあった、“ある有名人”のポスターでした。なるほど、とことんポジティブで熱く、みんなを元気にするといえば、この人しかいない!

サブイボマスク

(C)サブイボマスク製作委員会



2.衰退する地方都市を舞台にしたドラマだった


本作の舞台は消滅の可能性が浮上した地方都市。商店街はシャッター街となり、高齢化が進み、仕事がなく生活保護受給者が溢れるという、深刻な状態となっています。

ファンキー加藤演じる主人公は、何とか町を救うために奮闘します。

よくできているのは、彼の熱い思いを挫くような、辛辣なセリフがたくさんあることです。

たとえば「町を盛り上げたところで何があるんだよ」「お前は自分に酔っているだけじゃないのか」などなど……、周りは“やる気のない人間”ばかりなのです。

それでも、主人公は自分の信じた道を信じて、とことん“まっすぐ”に、懸命に行動していく。逆境に負けないその姿に、勇気づけられる人はきっと多いでしょう。

パッと見ではふざけたようなビジュアルの映画ですが、一雫ライオンによる脚本はキャラクターの魅力に溢れ、見事な伏線回収があるなど、計算し尽くされています。そして、泣けます。終盤のまさかの展開には、ついつい涙腺が2、3度ゆるんでしまいました。

なお、衰退する地方都市をイジる、“おらこんな村いやだ”なギャグもたっぷりあったりします。たとえば「ユニクロに行くのにクルマで2時間かかるんだよ。安い安いって言っているけど、ガソリン代を考えれば安くないからね」というセリフがあったり、“街コン”をしようにもお店がないばかりか男性陣がハゲ親父しか集まらなかったり。こちらもわりと凶悪なイジり具合です。

サブイボマスク

(C)サブイボマスク製作委員会



3.ファンキー加藤が“調子に乗る”シーンも満載だ!


ファンキー加藤らしさは、平常時のウザさ以外にも、“調子に乗ってしまう”シーンにも表れています。

仮面の姿で歌う“サブイボマスク”が話題になっていくと、彼は地元のヒーローとして期待されるようになるわけですが……ついにはサングラスをかけて足を組みながら「最近いい歌詞降りて来ないんだよね〜」とほざくという、ナメくさった態度をとるのです。

そのほかにも、その昔にテレビ出演したときにとんでもない行動をしたり、ファンの女性に胸へのサインをするときにニヤけたり(←これは現実にも照らし合わせると危険)もします。いい意味でイラっとできるでしょう。

でもご心配なく、本作ではこのファンキー加藤が調子に乗るシーンがしっかり怒られます。その怒ってくれる人物とは……。

サブイボマスク

(C)サブイボマスク製作委員会



4.アモーレ平愛梨のほか、豪華キャストにも注目しよう!


本作でファンキー加藤の元カノを演じているのは、長友佑都選手との交際が報道され、アモーレ(愛する人)と呼ばれた平愛梨です。彼女の何がいいって、気の強い女性を生き生きと演じていること。男勝りな彼女が、調子に乗るファンキー加藤を叱るシーンは痛快愉快でしかたがないのです。

注目は、自閉症の青年を演じた小池徹平です。“くり返す”言動は自閉症の特徴をうまく捉えていましたし、ニコニコしているキャラクターは“守ってあげたくなる”魅力に溢れています。小池徹平のファンは是が非でも観て欲しいです。

さらに、斉木しげる、泉谷しげる、大和田伸也、温水洋一、武藤敬司(特別出演)と、脇を固めるおじさんのキャストも超豪華です。

さらにさらに、いとうあさこがニートなシングルマザーとして登場するうえ、ベタベタなツンデレ演技を披露したりします(笑)。ツンデレる彼女に対してのファンキー加藤のツッコミが抱腹絶倒のおもしろさなので、ぜひ楽しみにしてみてください。

サブイボマスク

(C)サブイボマスク製作委員会



5.ファンキー加藤でなければありえない、まっすぐな男のドラマを見届けよう


ここまでで『サブイボマスク』が“ファンキー加藤主演ならでは”の映画になっていることをわかっていただけましたでしょうか。

・ファンキー加藤のウザさをイジるギャグが満載


・調子に乗るファンキー加藤が怒られる

・しかし、物語はファンキー加藤の“まっすぐ”な行動を尊いものとして描いている

本作は台本の段階からファンキー加藤主演で企画が進められたのですが、そのオファーは一度断られていたのだそうです(「自分でいいのか」と悩まれたことが理由とのこと)。

しかし、門馬直人監督によると、ほかのキャスティングを考えても、やはりファンキー加藤しかいない、ほかの人ではありえないとまで思うようになっていったのだとか。ファンキー加藤が主演を務めることは、“監督およびスタッフの”念願叶って”のことなのです。

そして、映画を観終われば、多くの人が“確かにファンキー加藤以外ではありえなかった”と思うのではないでしょうか。

この映画は、ファンキー加藤のファンはもちろん、W不倫報道で彼のことが嫌いになった方にも観て欲しいです。監督が主人公のキャラクターを“加藤さんを150%増しにした”とも表現しているとおり、ファンキー加藤の(悪いところも含めた)人間性が凝縮されている作品なのですから。

何より、自分の信じた道を信じて、とことん “まっすぐ”に、アモーレ(愛する人)たちのために行動する姿は、とことんカッコイイのですから(でも不倫はダメ、絶対!)

ちなみに、本作では平愛梨演じるヒロインが、“不倫をしている事実を利用する”ギャグがあったりします(笑)。あまりにタイムリーすぎるこのシーンでも、ぜひ笑ってください!

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(文:ヒナタカ

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