映画コラム
爆笑必至!逃げたくなるほどリアルな『At the terrace テラスにて』
爆笑必至!逃げたくなるほどリアルな『At the terrace テラスにて』
(C)2016 GEEK PICTURES
皆様、ごきげんよう。編集部公式ライターのじぇみ じぇみ子です。
東京国際映画祭にて2016年11月5日より公開されている『At the terrace テラスにて』を観てきました。最初の5分は戸惑いましたが、残りの90分はクスクスゲラゲラ笑いっぱなし!
場内あちこちから笑い声が、そして隣の人も肩をゆらして笑っていたほどです。もう一度見たい!!
『At the terrace テラスにて』あらすじ
緑に囲まれた豪邸で開かれたホームパーティは、来客がそれぞれ帰りはじめ、終わりを迎えようとしていた。
デザイナーの斉藤(古屋隆太)と妻のはる子(平岩紙)も帰ろうとするが「もう少しだけ」と家主であり取引先の専務(岩谷健司)夫妻に引き止められる。他にも残ったのは痩せて顔色の悪い方の斉藤(岡部たかし)と、純朴そうな会社員の田ノ浦(師岡広明)。
なぜか話題は、はる子の白い二の腕の話に。専務の妻(石橋けい)は嫉妬から嫌味を言ってしまう。他愛のない会話が交わされる中、専務の大学生の息子(橋本淳)が帰宅すると、実ははる子の同僚と合コンした程に仲が良いと判明する。
お酒と夜の力かそれぞれの願望や欲望が少しずつ表れ、物語は思わぬ方向に進む…
舞台をそのまま映画化した異色の作品
この『At the terrace テラスにて』は、元は舞台作品だそうです。山内ケンジ監督自身の戯曲『トロワグロ』(第59回岸田國士戯曲賞受賞)をそのまま映画化したとのこと。
舞台作品に明るくないですが、確かに豪邸のテラスしか映っていません。一瞬部屋に入るかとも思いましたがやはり物語はテラスで始まりテラスで終わります。
トロワグロは3つのグロテスクという意味だそうですが、見終わると「なるほど」と納得するタイトルであるものの、映画ではわかりやすさを優先したそうです。
ラストが舞台と違うそうなのですが(明確になっている)、このラストが衝撃すぎてみんなの表情が頭から離れません!!!
またオープニングに木の隙間からジーッと見ているムササビが居ます。ところどころで、このムササビ目線のように人物の顔にズームされたりして、こういうのは舞台では楽しめない映像だなぁと思いました。
俳優の皆さんの細かな仕草や表情が本当に面白くて、何度見ても楽しめる作品だと思います!
共感力が高ければ高いほど逃げ出したくなるほどリアル
95分間、全編通して物凄く気まずいです。本当に気まずい空気が流れます。友人ではなく仕事の関係などで集まるホームパーティとかって、こういう空気になりがちかも知れません。
テラスの構造上、半円になってキャストが座るため、観客席側もまるで会話の一員になったような気がします。そのため途中まで居ても立っても居られず端っこの席に移りたいほど気まずかったのでした(笑)
当然ながら向こうからは見えず話しかけられないので安心です。しかし安全な場所で覗く“女同士の戦いや空気を読まないクラッシャーな一言”はこれ程までに面白いのか、と大笑いでした。
公式サイトに“100%不謹慎”と書かれていて納得の会話劇。特に女性二人の“表の顔”が崩れる時と、イケメン斉藤の欲望が見える時は呼吸困難になりそうなほど笑ってしまった。
皆様もぜひこの機会にお試しあれ!
2016年11月5日(土)~2016年11月11日(金)まで新宿武蔵野館にてロードショー。以後全国順次公開予定。
公式サイト:http://attheterrace.com/
(文:じぇみ じぇみ子)
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